今日は市と農業被害対策の柵とジビエについてのお話をしてきました。

 

わたしたちが設置した防除柵のレポートと適切な柵の設置の補償の要望と、ジビエの問題点などをお話、野生動物を殺しても農業被害はなくならないことを伝えました。そして、高齢の農家の方たちの田畑に柵の設置作業のお手伝いを出来ることも伝えました。

 

鳥獣対策課で数十年対応している担当者の話を聞くと、農業被害の防除の効果は、やはり人間側の問題であることがわかりました。

 

防除柵の設置に市から補助(柵の現物支給)をしてもらうには、3軒の農家の方が全員、柵の設置に賛成し、柵を連結して設置しなくてはいけません。

 

設置後は、一つの柵を数農家でメンテナンスを行なうのですが、「Bさんがメンテナンスしない」ということから、すべての農家の方がメンテナンスを行なう気がなくなり、放置になることがとても多いそうです。

 

Bさんがメンテナンスしないなら、Bさんに「メンテナンス一緒にしよう」と声をかけるといいのですが、それをBさんに言うと角がたつので、メンテナンスしてほしいと言わないそうです。

 

そのうちに、Bさんはメンテナンスしないのに、なぜ自分だけメンテナンスしないといけないのか、アホらしいとなり、柵は放置されて柵に不具合が生じて、野生動物たちが田畑に入ってくるようになっているとのことです。

 

そのため、その田畑の周辺で罠を設置して、野生動物たちを捕獲しているとのことです。

 

この話を聞いて、唖然としました。

 

このような人間側の問題で、野生動物たちが殺されている現実に唖然とするばかりですが、他の動物たちを人間が殺すときは、人間側の都合でいつでもどこでも殺されていますよね……。

 

 

野生動物を殺さず平和共存しよう、というわたいの意見に対して、「農家の生活を考えろ!」とか「きれい事言うな!」とかよくコメントが来ますが、わたしたちは、農家の方たちが適切な防除柵を設置できるように行政などに要望したり、実際に柵の設置活動も行なっています。

 

地球で農作物を栽培している限り、他の種による損失はゼロにはなりません。

 

環境教育が非常に不十分なので、自然環境への理解が進んでいないですが、上記のことをしっかりと理解することで、自分はどうすればいいかを考えることができると思います。

 

単に殺して農業被害を無くそうという安易な考えは、問題を解決に導かないばかりか、感覚的存在である個々の動物たちの生活や健康、命を奪い、残された家族や仲間たちは大変な悲しみ苦しみを経験することになります。

 

野生動物を殺してもし、農業被害が減少したとしても、それは一時的なもので、持続可能ではありません。

 

野生動物たちによる農業被害対策を行政だけに全て頼りきるのではなく、農家の方たちも一緒になり、防除のことを真剣に考え、地球で植物を育てることの意味や、いろいろな苦労ありながらも、植物を育てることにやりがいなどを感じてもらえたらいいなと思っています。

 

作物を育てることは、楽ではありません。いろいろな大変なことがあります(我が家は稲作をしています)。

そのため、より真剣に自然環境と作物栽培に向き合い、研究しながらやっていくことになります。

 

 

わたしたちが地球で植物を育てるられるのは、シカやイノシシ、クマやその他の全ての野生動物たちのおかげなのです。

 

そのことを知らずして、人間は持続可能な活動を行なえませんので、農業をしていない方たちも自然環境に関心を持ち、地球で人間が生きることについて考えてほしいなと思います。

 

 

 

政府は「3本の柱」(「駆除」、防除、環境整備)を対策としていますが、あきらかに「駆除」に多額のお金が流れ、労力も使われています。

 

その流れで、各地に野生動物の屠殺場が建設され、ジビエ利用には個人や大手企業まで参入し、ジビエ利権がどんどん膨らんでいます。

 

野生動物を取り巻くこのひどい現状がどうにかならないものかと、本当に頭を悩ませます。

 

行政などと丁寧な会話を重ね、野生動物たちの生活や命が脅かされない日がくることを願っています。

 

帰宅後、イヌのひよりちゃん(♀10歳)と、ソファーで休憩~。

 

 

動物は常に成長できるので、人間も動物として成長していけるといいなと思います(他の多くの哺乳類は平和的に他者と関わっていることをヒトは他の種から学ばなければいけないです)。

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