雨模様でしたが、明日と明後日の準備のため少しバタバタしていました。

 

イヌと保護シカたちは雨なので活動量少なめで、静かな1日でしたが、保護シカすぐるちゃん(♂6歳)は、午前中から掃除を手伝ってくれて、賑やかな掃除タイムとなりました。

 

ところで、日本では、1990年頃からシカなどによる農業被害が目立つようになり、生態系をも破壊すると言われるようになりました。

 

「異常」に野生動物たちの個体数が増えているので、さまざまな問題が発生したと考えられ、野生動物たちの捕殺が行なわれるようになっています。

 

自然生態系については、ほとんどの専門家が植物を食べるシカを見て、生態系の破壊などと言っています。

 

しかし、専門家の方たちの脳内にある自然の植生とは、野生動物たちが非常に少なかった時代の植生であるこが指摘されています。

 

 

そのため、シカたちが生態系に問題を引き起こしているという推論には、「『もともと動物は今よりも少ない』ということが無意識的に仮定されている」ということです。

 

その仮定によって、「それが本来の自然の姿なのだから、農業を守るためではなく、自然を守るためにも動物は駆除をして減らすべき」という考えが、研究者や行政関係者、さらには一般の人たちにも広く浸透しているということです。

 

北大の揚妻さんは、

 

シカがたくさんいた頃のもともとの植生と、シカがいなくなったことで成立した植生とは違ってくるはずである。(中略)日本では1960-70年代(野生動物たちがとてもすくなかた時代)の植生を『守るべき自然植生』として認識する人が多いようだ」

と述べています。

 

つまり、野生動物たちが少ない時代の自然植生を生態系保全の目標としていることに異を唱えているのです。

 

揚妻さんの指摘はまったくその通りと思いました。

 

そもそも、自然環境のあり方を人間が決めて、その自然環境を維持するためにさまざまな活動を行なうことにわたしは違和感しかなく、自然環境というのは、自然環境と自然動植物によってその時々の生態系を構築していくものだと思っています。

 

日本の研究などを見ていると、非常に偏ったものが多く、決められた答えに向けて研究が行なわれているように思うことがあります。

 

実際、政府にとって都合のよい研究を行なっていることは聞いています。その研究で、逆の結果が出た場合は、その研究結果の発表は行わないとかもあるそうです。

 

なので、公になる論文などは偏りがあり、勉強するにあたりおもしろくありません。

 

ということで、専門家の方たちには、さまざまな視点からの柔軟な研究をしてほしいなと思いました。

 

そして、世界の動きにもついていってほしいと思いました。

 

野生動物への認識や意識など、日本は他の国から周回遅れなので、犠牲は増すばかりです。

 

この国の発展をも願い、健全な研究環境を切に願っています。

 

●参考文献 揚妻直樹「『シカの生態系破壊』から見た日本の森と人」HOKKAIDO UNIVERSITY

 

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