今日は強い風が吹き雨まじりに雪が降りました。
 
イヌのひよりちゃん(10歳)は、ほぼ1日ぬくぬく室内で寝ていました。

「ス~ピィ~zzz
 
保護シカのすぐるちゃん(6歳)とのぞみちゃん(推定6歳)は、庭のテント下で荒れる天気に少し戸惑っている感じでした。
「今日はえらい風が強いね~」とシカたち。
 
明日は風と雨、雪がやむといいね。
 
冬本番が近づき、野生で生活する動物たちにとってより過酷な時期が迫りつつあります。
 
とても厳しい自然環境で懸命に生きるかれらを心の中で応援したいです。
 
ところで、今、1979年に発行された『動物の集まる家』を読んでいます。
 
そこには当時のアメリカのオレゴン州の野生動物保護の認識や保護した野生動物たちとのかかわりなど詳しく書かれています。
 
そこに、アライグマの話も出てくるのですが、近年日本で言われているような内容が書かれていました。
 
日本では、アライグマをペットとして飼育した人がアライグマの「凶暴性」を語っていたり、専門家もアライグマは「凶暴」だと言ったりしています。
 
しかし、他の国でアライグマをペットとしてアライグマと人が一緒に生活する様子からそのようなことは見られません。
 
アライグマもその他の同居動物たちも人間もごきげんさんに平和的に生活する様子がSNSによくアップされています。
 
ただ、時間をを1979年に巻き戻すと、アメリカでもアライグマは「気の荒い動物」と言われていたそうです。
 
『動物の集まる家』の筆者、ジュディ・ヒューズはアライグマについて本書でこのように語っています。
 
「わたしたちがもてなしたアライグマのお客さまのほとんどは、めずらしいペットに飽きてしまったとか、よく慣れていたのに突然「手におえ」なくなったとかいうので連れてこられたものだった。
 
こうしたきの荒さの原因はたいてい生活のつまらなさとか、ゲージの住まいの要求不満、生殖がゆるされないことなどにある。
 
アライグマのように知性のある動物は、ふつうの人にはとても不可能なほどの関心をはらってやることが必要なのだ。また、成熟すれば、発情期に正常同がおこるのは当たり前のことだ」(17ページ~18ページ)。
 
飼育下にあるアライグマの行動は人間からすれば「気の荒い」と見えるかもしれませんが、実際はストレス行動ということですね。
 
日本では、野生で生活するアライグマも「凶暴」と言われていますが、かれらの行動を変えるのは生活環境の影響が関係しています。
 
たとえば、人間から嫌なことをされたり、恐怖を感じることをされたりすると、アライグマは人間を警戒して、そうでないときには見せない威嚇行動をとります。
 
そのため、短絡的にアライグマを「凶暴」とするレッテル貼りは人間による偏見からではないかと思います。
 
アメリカなどでは、飼育下にある「動物の行動の原因はストレス行動」と専門家や獣医師などがきちんと市民に伝えていますが、日本ではそれがないので、とてもおかしいと感じます。
 
ヒューズは野生動物を「ペット」にすることにたいしてこのように述べています。
 
「わたしたちは、野生の動物をペットとして飼うことに賛成しない。
 
なぜなら、自然の生活を楽しむ自由こそ、彼らが先祖から受けついだ遺産なのだ」。
 
わたしも野生の動物たちを「ペット」として飼育するのは賛成しません。
 
保護が必要な場合は保護し、傷が回復したら自然界にリリースできるのが理想です。
 
ヒューズも野生の動物を人間の側におくのは「保護が必要な時」という考えでした。
 
『動物の集まる家』を読んでいて、野生動物保護に関して日本はアメリカより40年以上遅れていることがわかりました。
 
この遅れのひらきは今後も大きくなるかもしれません。
 
わたしたちは、野生動物にたいする現在の意識や認識を脱して、新たな意識と認識を得る必要があるととても思います。
 
すべての野生動物保護へあなたの関心を向けてほしいなと思います。
 
*注意:生態系保全を理由に野生動物の個体数管理や非在来種「駆除」が行なわれていますが、この活動が生態系を保護するものであるかは別です。実際には、自然環境で生息するすべての野生動物たちが今の生態系を構築しているので、その動物たちを殺すことは、生態系に混乱を招き生態系にダメーシを与えることになります。
 
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