クマによる人身被害が毎日のように報道されていますが、なぜ、日本のクマは人間に攻撃しやすい傾向にあるのでしょうか?

 

注意:日本では子どものクマが人間の体を引っかいただけでも「襲われた」「襲われる」などと報道しています。

 

日本の今のクマたちの行動(人間を攻撃する)は、わたしたち日本人がクマを含む野生動物たちに行なってきた行為がひとつの原因であるとわたしは考えています。

 

他の国ではクマによる致命的な攻撃は稀ということです。

 

アメリカでクマによる攻撃が最も多いといわれるアラスカ州では、2008年から2018年の間に6件の事故が発生し(内2件はホッキョクグマ)、1986年以降カリフォルニア州ではクマによる致命的な事故は発生しておらず、観光客が訪れるグレイシャー国立公園でも事故は起っていないということです(参考文献)。

 

アメリカ国立公園によるとクマに攻撃される確率は「ほぼ210万分の1」だそうです。

 

動物たちは、経験からさまざまな情報を照らし合わせ深く処理し、それが何かを判断する「認知」を持っており、経験に基づいて行動を変える「学習」をします。

 

そして、過去の経験を蓄えて、のちにそれを取り出し利用する「記憶」があります。

 

つまり、動物たちは「感覚的存在」ということです。

 

感覚を持つ動物たちは、過去の経験からさまざまなこと学習し、それを子孫に受け継いでいきます。

 

たとえば、みなさん想像してみてください。

 

自分や家族の生活域でいつも敵対心を激しくあらわにする人間がいたら、あなたは相手にたいして何を感じ、どのような判断をしてどのような行動をしますか?

 

きっと、その人を「危険な人物」認定して、その人とかかわらないようにするのではないでしょうか。

 

相手は危険な人物なので、子どもに注意するように伝えると思いますし、もし、その人物と遭遇したときの対処方法なども子どもに教えるのではないでしょうか?

 

危険と認識する相手とばったり接近した場合には、相手から危険な行為をされる前に防衛攻撃(先制攻撃)をするかもしれません。

 

日本のクマたちはまさにこの状態のようになっている可能性があると思います(子どもはおとなの行動などからも学習します)。

 

なぜなら、前述したように野生動物たちは経験から学習するからです。


動物たちが相手を攻撃するのは、恐怖や痛み、不快などが理由であることが研究で明らかになっています。

 

実際に、野生動物に敵対的な人間がいる地域で生活する動物たちは、人間に非常に警戒し威嚇します。

 

つまり、今のクマたちの状態は、わたしたちがクマたちに行なってきた行為が原因と考えられるのです。

 

日本人は昔から野生動物を含む自然環境と平和的に共存してきたという説もありますが、野生動物やその他の動物たちの歩んできた歴史を調べると、そうとは言い切れません。

 

もし、本当に昔から野生動物たちと平和的にかかわってきたのであれば、とっくに野生動物を保護する法律ができ、イヌやネコたちの法律も動物愛護法ではない「動物福祉法」などができていると思います。

 

注意:ワイルドライフマネジメントを日本語で「野生動物保護管理」と「保護」が使われていますが、ここにあてられる「保護」は動物の生活や命を守るもの(尊重するもの)ではありません。

 

トルコは野外で生活するネコさんたちは人間から手厚い保護を受けていますが、それはその国が歩んできた歴史が大きく関わっていると聞きました。

 

どのようなことでも、国、社会の現状は歴史が作りだしているので、クマに起っている異変も原因があると思います。

 

もちろん、クマと遭遇したとき対処方法がよくない場合もあるでしょう。その時の対処方法がもし、クマが危険に感じる行動であれば、クマは人間を危険と認識して、次に出会った人間に先制攻撃をするかもしれません。

 

野生動物たちの行動は人間が変えることを人間は学習して、現在の認識や行動を改めなくてはいけいと強く思います。

 

野生動物たちの生き方は常に人間を意識したもので、野生動物たちは人間と適度な距離を保つ生き方をしています。

 

 

通常、人間と一定の距離を保つかれらが人間を(いきなり)攻撃するのは、やはりわたしたち人間側の問題であると強く思います。

 

そのため、わたしたちは野生動物たちに敵対的ではなく友好的に関わり、物事を平和的に解決していかなくてはいけません。

 

 

これ以上、野生動物たちとの関係を悪化させない(悪循環に陥らない)ようにしなくてはいけないです。


野生動物たちへの正しい知識を得るところから始めなくてはいけないととても思います。

 

現在、野生動物たちの殺害を楽しみとする猟犬を使用した狩猟が行なわれている時期ですが、クマが攻撃するのにはイヌの存在も大きく関係しているとのことです。

 

「研究カルガリー大学によって行われた調査で大学はクマによる攻撃の半数以上が犬によるものであることを明らかにした。研究された92件の攻撃のうち、49件に犬が関与していた。(中略)クマの国に出かけるときは、常に犬をリードでつなぐことをお勧めします。クマに襲われることはまだ珍しいことですが、可能性を低く抑えるためにできる限りのことを行うことが重要です」。

 

この社会は野生動物との意識や認識、かかわり方を根本的に変える必要があると思います。

 


最後に、日本の野生動物とのこれからの歩みを考えると、野生動物を「敵」や「危険対象」として極端な報道をしているメディアや「敵」とする研究者、及び政府や行政などの罪深さを感じます。



●「野生動物とは」下矢印

 

 

 

 

●「野生動物と出会った時の対処方法」下矢印

 

 

 

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●参考文献