今日は朝から雨が降っているので、イヌとシカたちととてもゆったりとした時間を過ごしています。

 

ところで、X(旧ツイッター)にこのようなコメントが届きました。

 

「異常気象で大凶作なところに、鹿類が群れで移動しながら山の餌を食い尽くしているようです。熊の一番の敵は鹿ですね。(中略)先ずは熊より鹿を駆除するのが必要なのかもしれません」。

 

「敵」をシカとし、本質から人々の目をそらすコメントは非常によろしくないです。

 

「敵」を作り出すことは支配の一種であり、暴力と密接に関係しています。

 

それ以前に異常気象で自然環境が変化しているなら、それに影響を受ける野生動物を殺すのではなく、人間の活動を先に改めなければいけないですよね。

 

 

現在の日本でシカについて一般的に言われていることに疑問を持たず、信じる人が多いですが、一般的に言われていることの全てが正しいわけではありません。

 

例えば、地球温暖化によりシカの個体数が増加する説。地球温暖化は地球の平均気温を上昇させますが、異常気象により大寒波をももたらします。なので、この説はおかしいということになります。

 

それからオオカミ不在説。シカの個体数快復は日本オオカミが絶滅した100年後のことなので、この説もおかしいということになります。

 

そして、このブログで何度もお伝えしているシカの増加説。森林伐採や乱獲などによりシカは個体数を著しく低下させた時代から現在にかけて個体数を回復させているだけです。

 

なので、過去のシカの個体数より現在の個体数の方が多いという調査報告は今のところ見かけません。

 

少し前に「シカ個体数過去最多」というような記事がありましたが、専門家に聞くとそうでないことがわかりました。正確には過去シカ個体数が多かった時代と現在のシカ個体数にさほど違いはないということです。

 

生態系保全の主流の考え方は、人間が「理想」とする生態系を目指し、人間が自然界に介入するというものです。

 

しかし、自然の生態系は常に変化し、その時々の生態系を作るので「理想な生態系」=(決まっている生態系)は存在しないと考えます。

 

アメリカのマカレスタ大学の植物生態学者であるマーク・A・デイヴィス(1950-)は、「旧来の生態系内で常に種のバランスがとれている考え方は幻想にすぎない」と主張しています。

 

つまり、常に種のバランスがとれた生態系の状態であれば、種が新しい生態系に入ることはできず、新天地による非在来種の定着は起らないということです。

 

自然環境(生態系)は開かれた空間であり、在来種であろうが非在来種であろうがどの種も参加できる空間で、それ以上でもそれ以下でもないとアメリカの熱帯生物学者ダニエル・ハント・ジャンセン(1939-)は述べています。

 

人間が自然界に手を入れて「理想的な状態を保つ」という従来の自然保護の常識から、現代は新しい常識が他の国では科学によって生まれてきています。

 

自然は決まったゴールを目指して変化しているのではなく、その時々の偶然によって変化するということです。

 

自然の変化は種の個体間における適応生存が基本なので、目的論で見るのは科学ではないということです。

 

上記のことからわたしは現在の生態系学問の考えに疑問を抱きます。

 

 

社会で言われていることに対して「本当にそうなの?」と疑問を抱くことは、事実を知るためにも生きていくためにも非常に大事なことです。

 

日頃からクリティカルシンキングを意識して物事を見ていけるといいなと思います。

 

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