昨日は体調も気分もすぐれずブログをお休みしました。

 

脳疲労は思考力や判断力を低下させるので、疲れたと思ったら休むが一番いいなと思います。

 

ところで、今日は驚くニュースが飛び込んできました。

 

島根県飯南町にある島根県中山間地域研究センターの野生動物放飼場のシカの飼育エリアの檻の中で男性が倒れているのが発見されました。

 

男性は病院で死亡が確認されました。お悔やみ申し上げます。

 

飼育していたオスジカが男性を襲ったのではないかと言われています。

 

檻の中で仰向けの状態で発見された男性は服が数カ所破れており、体にも傷があったそうです。そして大量の出血も見られたということです。

 

飼育していたオスジカの角には血らしきものが付着していたということです。

 

事故といえば、罠にかかったカモシカを放獣しようとしたハンターがカモシカの角が脚に刺さる死亡事故がありました。

 

シカが人間を攻撃するのは非常に稀ですが、2019年オーストラリアのビクトリア州で起ったペットのシカによる死亡事故がありました。この事故以外でシカが人間を死亡させたことは今のところ聞いたことがありません(交通事故は省く)。

 

今回の事故を知り、飼育下による慢性ストレスと発情期シーズンによる事故ではないかと思いました。

 

センターに問い合わせをして飼育状況など詳しく聞こうとしましたが、担当者不在で明日、電話することになりました。

 

新聞記事にセンターで飼育されていたオスジカの写真がありました。

画像出典:読売新聞オンライン

 

角が立派に形成されているので、去勢はおそらく行なわれていないと思います。

 

オスジカさん、高ストレス状態の表情をしています。なぜなら、目は三角になり、顔の筋肉や体に強い力が入っているからです。

 

シカたちと生活をする立場から、シカを飼育下に置く場合は必ず去勢と避妊は必要です。そうすることで、発情期シーズンでの事故は回避できます。

 

自然の環境で生活する野生の動物を人工環境下に置くのは、動物たちに多大なストレスを与え、去勢や避妊していなければ、性ホルモンストレスもそこに加わり、飼育動物たちは高ストレス状態になります。

 

性ホルモンストレスは家畜と言われている動物も野生の動物たちも同じですが、野生の動物を飼育下に置くのは、家畜と言われる動物たちと根本的に違います。

 

野生の動物たちの飼育には、動物たちのニーズを満たせる、動物たちに十分な配慮ある飼育環境にしなければいけません。

 

つまり、シカ自身の問題ではなく、飼育環境の問題であり人間側の問題なのです。

 

このような事故が起ると「野生動物は獰猛」や「危険」などというイメージを持たれがちです。

 

しかし、シカが人間を攻撃することは非常に稀です。もし、シカやその他の野生動物が人間を攻撃する場合は、必ず人間側の行動や飼育環境に原因があります。

 

野生動物の研究者である江口祐輔さんも『本当に正しい鳥獣害対策Q&A』でシカについてこう述べています。

 

「私が知る限り、最も凶暴な(?)シカは、皆さんに親しまれている奈良公園のシカです。人に近づき、服の裾やカバンを引っ張ったり、子供や小柄な人に対して背後から前足を振り上げて押し倒すこともします。こんなに大胆なシカは山の中にはいません。立派なシカの角を見て、この角で襲われたら怖いなあと想像してしまうのも無理はありませんが、人を襲ってくることはないので安心してください」(23ページ)。

 

シカは草食動物ですので特に人間を攻撃することはほとんどなく、あるとすれば、防衛行動での攻撃です。

 

しかし、先ほど述べたように、人間が飼育している場合は飼育環境によって稀ですが、ストレスを背景としたさまざまな要因から人間を攻撃してしまうこともあるでしょう。

 

このような悲しい事故が今後起きないように、動物を飼育するにあたり最低限行なうべき事の資料をここに貼り付けておきます。

 

これは、奈良の鹿愛護会の鹿苑で収容されているシカたちの生活環境改善の要望を行なった資料の一部です。

 

 

 

 

 

 

 

繰り返しになりますが、このような事故から野生動物は危険だとか獰猛とか思わず、なぜ動物がそのような行動を行なったのか?を考えてほしいなと思います。

 

シカは獰猛でも危険でもありません。わたしたちが礼儀正しくシカたちに接していれば平和主義であるシカたちはわたしたち人間を攻撃してくることはありません。

 

シカは危険だとか野生動物は獰猛というイメージが広がらないことを願っています。なぜなら、そのような認識は正確ではなく、その認識が人間と野生の動物たちとの軋轢を深め、問題や事故を起りやすくするからです。

 

メディアのみなさん、情報発信は動物の危険視を煽るものではなく、野生の動物たちとの軋轢を解消できるよう、野生動物との正しい関わり方や接し方の発信をお願いします。

 

救護や保護が必要な個体以外は、野生の動物は自然環境で生きられるようにしよう。野生の動物を人間の飼育下に置くのは動物を不幸にするのでやめよう。

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