●追記 2023年9月10日
この記事を読解していない的外れな批判的コメントが届いています。
コメントをくださる場合は、文章を理解した内容のコメントをお願いします。
届いたコメント内容で気になる点がいくつかあったので、ここに書いておきます。
・シカの毛並みが悪いのは換毛期だから→換毛期、出産直後であっても、ストレス負荷が少ない、健康状態や栄養状態のよい(もしくは比較的よい)などの個体の毛並みはバサバサしておらず、毛にツヤがあり、毛並みは揃っています。
・市街地と森林、森林周辺で生活する個体をわけて考えるというわたしの意見に対する反論について→森林から市街地にほぼ毎日出てくるシカの行動は、市街地(商店街)での活動が生活の一部になっていることから「市街地に定着しているシカ」になります。
・宮島は森林が発達しているのでシカの食べ物が豊富にある→シカの食料資源が豊富にあるかどうかの調査結果を現段階では見たことがありません。また発達した森林では下層植物が衰退、消滅する傾向があり(森林研究で明らかになっている)、森林が発達している=シカの食べ物が豊富であると結論づけるのは早計です。
・宮島のシカやその他に起っているシカに関する問題の全ての原因は「餌やり」との主張→宮島のシカに起っていることは「餌やりだけ」が全ての原因ではありません。シカの健康を考えるのであれば、シカに起っている出来事を包括的に見て今後を考える必要があります。
・奈良公園では「餌やり禁止」になっている→奈良公園では鹿せんべいをシカに与えているので、「餌やり禁止」「餌付け禁止」とは言えません。シカに鹿せんべいを与える行為は、正確には餌やり(餌付け)です。また、鹿せんべいはシカの健康に害はないと聞きますが、材料の残留農薬など調べられているわけでもなく、鹿せんべいにある紙も「食べ物」ではありません。食べ物ではない紙を「食べても大丈夫だ」と言ってシカに与えるのはわたしは反対です。
・人間がシカに餌付けをするから、シカがゴミを食べる→餌やりの問題だけではありません。例えば、ビニール袋と食べ物を関連付けた個体は、ビニール袋に顔を入れたり、引っ張ったりします。問題は、ゴミを自然界に放置する人間の行動や、観光地で人間が食べている物を直接シカに与える行為などです。シカの健康を考えるのであれば、ゴミ問題に徹底的に取り組むべきです。
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2023年5月26日に宮島のシカさんたちについて広島県廿日市市に要望に行った際、宮島のシカさんたちに会いに行ってきました。
宮島や宮島のシカさんの情報はネットで見られる資料などからわかりますが、その情報から想像していた宮島の環境と少し違っていました。
まず、観光客の多さに大変おどろきました。見渡す限り人、人、人でした。
その中から、シカさんを見つけるには少し時間がかかりました(想像していたより、市街地にいるシカさんたちはとても少なかったです)。
フェリー乗り場出入り口側にある広場では数頭のシカさんたちがいましたが、シカさんの行動を見てさらにおどろきました。
観光客が集まる場所、商店街で行動する宮島のシカさんたちは「人間と食べ物を完全にリンクしていた」のです。
人間が持っている飲み物にまで反応をしていました。
人が集まる場所にシカさんも集まる↓
人の持つ飲み物に反応するシカさん↓
そして、人間と距離がとても近いシカさんたちがいました。
身体に腕をまわされても嫌がって逃げないシカさん↓
奈良公園のシカさんより、人間との距離が近いと感じた宮島のシカさん。
人に近寄って「食べ物持ってるんでしょ~」と聞くシカさん↓
シカさんたちの姿をゆ~くりながめながら「島のシカさんだな~」と体が小さく脚の短いシカさんたちにわたしはニンマリしました(食糧資源の関係から島で生息するシカたちは体が小さくなるそうです。そして天敵がいない、少なければ脚は短くなるとのことです)。
この周辺にいたシカさんの毛並みはよい個体もいましたが、毛がバサバサして毛並みにツヤのない個体の方が多かったです。
大勢の人がいる中、シカさんを探しながら歩くと、食べ歩き通りでまたもおどろく出来事がありました。
人が石垣の上に置いたビールをシカさんが飲もうとしてビールを地面に落としました。
シカさん、「食べ物だ~!」と興奮している様子で尻尾が浮いています。
地面にこぼれ落ちたビールを舐めるシカさんたち↓
この後、観光客の様子をよーく観察すると、観光客のひとりが自分の食べている物を口から地面にわざと落として、それをシカたちが食べるのを見て喜んでいたのです。
観察をしながら商店街などを歩き周辺環境を見ると、植物の少なさに気がつき下層植物が生えそうな場所や生えている場所がほとんどないということがわかりました。
食糧資源に乏しい市街地にシカが足を運ぶのは、(人間が)食べ歩きできる商店街の影響が大きいだろうと思いました。
わたしが行った時は奥の商店街にシカさんたちはいませんでした。
宮島地域シカ保護管理計画(第2期 改訂版)などを読むと、商店街などに多くのシカがおり、シカの糞や毛が多く、シカが商店街の物を食べることが多発していると思いましたが(高シカ密度)、シカ密度は高くないとわたしは思いました。
奈良公園に比べると商店街にいる宮島のシカさんたちの数は圧倒的に少なかったです。
商店街でおどろいたのが、食べ物を店先で調理するお店があったことです。
店先で食べ物を調理するとその匂いにシカさんたちは反応してしまいます。
宮島のシカさんたちについてわたしの意見を書いておきたいと思います。
シカに与える商店街の影響と対策
宮島では、商店街などにシカが定着していると言われていますが、宮島に限ったことではなく、世界的に観光地には野生動物が集まる傾向が強いです。
理由は、食べ物を得られる可能性がある・食べ物を得ることができるからです。
食べ物がある観光地は動物たちの行動を変化させ、動物たちの生活形態を変えます。
そのため、動物たちにとってよくない状況が生まれることも少なくありません。
食べ物の匂いがあると動物たちは反応するので、食べ物の調理の工夫・観光地の環境管理が必要だと思います。
調理は店の奥でしてみたり、シカが店の商品を食べないよう防除をしたり、いろいろできることがあるので、ぜひ、工夫してほしいなと思います。
ゴミの問題
宮島の商店街にはシカが蓋を開けることができない、ゴミの匂いが外に漏れないシカに強いゴミ箱が必要だと思いました。
奈良公園にはゴミ箱がないので、宮島にもゴミ箱は必要ないという意見もありますが、実際に宮島の商店街などを見て、宮島のシカが生活する環境と奈良公園のシカが生活する環境を同一視できないと思いました(奈良公園のシカたちが生活する環境と宮島のシカたちが生活する環境とでは明らかに大きな違いがあります)。
奈良公園の場合はゴミ問題が周知されており、多くの人たちがシカたちの健康を願い力を合わせてゴミ拾いや啓発活動などを行なっています。
宮島でも市が委託した業者がゴミ拾いなど行なっているようですが、ゴミ問題は自治体で行なうと環境改善の効果がやすいため、ぜひ、自治体で行なってほしいです。
ゴミ拾い活動は宮島でも時々行なわれていますが、観光客が自然環境に放置するゴミの回収までできていません。
ゴミ問題を大きく取り上げている奈良公園であっても、公園内からゴミをゼロにできていませんので、自然環境にゴミを放置しないよう、奈良公園でも宮島でも啓発活動を継続し、自治体でゴミ問題に取り組む必要があると思いました。
シカたちへの理解が大事
観光地に野生動物たちが定着する傾向があり、それを完全に変えるのは無理な部分もあるので(観光地の環境管理で定着する個体は少なくなる)、その状況を許容することが求められています。
観光地に定着したシカたちが安全に生活できるよう、人間はシカたちへ配慮ある取り組みを地域住民と行政とで行ない、シカと人が共に心地よく過ごせる環境作りを目指すことができます。
その前提としてあるのが、シカたちの存在を受け入れることです。
シカたちへの理解を深めシカと人間との間に生じている問題をシカたちの目線で見て、対策に取り組むと問題は改善されるでしょう。
人間目線での活動は問題を解消しないばかりか、そのしわ寄せが弱者であるシカたちに及び、シカたちの生命活動を困難にさせ問題がこじれることもあります。
シカたちの置かれている状況を知り、シカたちの立場に立った対策が問題を解決に導きます。
宮島のシカさんたちの生活の問題は、観光地ならではの問題があることから、商店街と森林、森林周辺などで生活するシカたちをわけて考える必要があると思いました。
シカたちへの給餌については、シカたちの現状を鑑み今後を考えていく必要があります。
単に「餌やり禁止」というだけでは、現在、給餌を頼りに生きているシカさんが生活に困るのは明らかです。
数日に1回の給餌であっても、シカさんたちにとっては、生命を維持する
大事な食糧資源となっています。
それを急に全くなくすというのは、
あまりにも残酷です。
責任を持って今を生きるシカさんたちの生活を考えるなら、単に「餌やり禁止」だけではなく、シカさんたちが生活に困らない対策を多角的に講じるべきと考えます。
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