昨日から鹿のすぐるちゃん(♂6歳)の左後脚の調子が悪く、歩きにくそうにしています。
脚の検査では骨に異常はなく獣医師の診断では筋の損傷ということです。
すぐるちゃんが脚を痛める原因に思い当たることがありますが、過去に起った出来事は変えられないので悔やまれます。
(思い当たること→4年ほど前、裏山に人が侵入し我が家の庭などを覗いていた。すぐるちゃんはその人に驚き大パニックになり、石垣を登ろうとして(激突して)左後脚の蹄を割る。その後、裏山の所有者に相談をし、裏山に人が侵入しないようロープを張り「立ち入り禁止」の看板を設置)。
ところで、9月2日の朝日新聞にこのような記事がありました。
記事「外来種は殺してもいい?アメザリ踏みつぶす子どもも 観察ガイドの思い」
多摩川を中心に生き生き物観察ガイドをしている川井さんの生き物観察会で、子どもがアメリカザリガニに対して「駆逐してやる」や「こいつらは殺してもよい」と言い、アメリカザリガニを踏みつぶす子どももいたそうで、川井さんはショッキングな経験をしたということです。
川井さんは「自身の観察会で、子どもには外来種・在来種の区別なく、まずは様々な生き物に親しみ、楽しんでもらうことを大事にしている」そうで、「駆除対象の生き物だとしても、決して殺して『よい』命があるわけではない」と語っています。
外来種の命を軽視する言動は小学校低学年くらいの子に見られたそうで、子どもはおとなの考えの影響を強く受けていることがわかります。
侵略的「外来生物」は自然生態系を乱す存在と位置づけられ、国主導の「駆除事業」が行なわれています。
政府や行政などが、他の国からやってきた生き物や植物の「駆除」を子どもたちに行なわせたり、テレビ番組などで「外来生物の駆除」企画を行なったりして、「外来種は悪い」と社会に浸透させました。
記事に「生物多様性を守るために外来種を駆除し、その命を奪うことがある」と書かれていますが、この考え自体に大きな問題があることはあまり知られていません。
地球の自然環境とは流動的であり、実現されている自然のあり方は、現時点の自然環境において自然動植物が作り上げている自然環境です。つまり、現在の自然環境は自然が導き出した答えなのです(揚妻 2013,)
「本来の生態系」を守るという人間の思い描くイメージの形にこだわる活動は、流動する自然生態系において、生態系の保全にはなじまず、本来の問題に手をつけないものです。
(「駆除」などを行なって「本来の自然環境を守る」ことは永久的に自然環境に干渉し続けるため、自然環境への人為的作用を排除する自然生態系の保全ではない)。
アメリカザリガニも日本の生態系を構築している存在であり、その種を「駆除」することは生態系に混乱を招き生態系にダメーシを与えるものです。
「外来種駆除」の問題は、生態系へ与える影響だけでなく、子どもたちへの影響も非常に強く「駆除」を通しておとなは子ども達に暴力を教えています。
子どもは「駆除」対象の種に対して偏見を持ち差別し、子ども達は実際に相手に対して暴力を使うようになります。
子ども達に自然環境に対する暴力を教えることと、自然生態系を守ることは相反します。
この教育(「駆除」)を受けた子どもたちは、差別意識の強いおとなに育ち、他者への共感も失われ暴力を暴力と認識できなくなる可能性もあります。
子どもたちにとって大事なのは、自然環境やそこに棲む生物たちへの敬意を持って関わる平和思考と行動です。
子どもたちに他者への暴力、自然環境に対する暴力を植え込むことで子どもたちの認知は歪み、平和な社会構築は遠のくのではないでしょうか。
生物多様性の概念は、人間の思想が大きく影響しているので、そこからの改善を行なうべきだと考えます。そして、自然環境と自然動植物との相互関係についての研究をもっと行なってほしいと思います。
●アメリがザリガニについては、アニマルライツチャンネル41回で、動物ジャーナリストで動物ドキュメンタリーを多数制作している佐藤さんが現状を語ってくれていますので、関心のある方はどうぞ↓↓↓
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