雨が降ったりやんだりの天気だったので、イヌとシカたちは少し落ち着きなくすごしています。
今日は、エヴァー・メイヤー著の『言葉を使う動物たち』を読んだ感想を書こうと思います。
2020年5月8日第1刷発行
『言葉を使う動物たち』
著者 エヴァー・メイヤー
訳 安部恵子
発行所 柏書房株式会社
言語は人間だけが持ち、使用すると考えられてきましたが、人間以外の動物たちの近年の研究から、人間以外の動物たちも種独自の言葉を持つことが明らかになってきました。
動物たちの言葉はまだ研究段階ですが、それでも、今まで知り得なかった多くの動物たちの言葉がわかってきています。
人間以外の多くの動物たちもわたしたちと同じように社会的動物であり、その中で同種や他種との関係を築き上げています。
そこで必要となるのか言葉です。
本書では、人間と人間以外の間に成立する言葉と人間以外の動物たち同士で成立する言葉が書かれてあり、人間以外の動物たちは種独自、個々独自の言語を使用して人間と会話(対話)ができると書かれています。
対話とは互いが対等であることで成り立つことから、人間と人間以外の動物との関係性によっては、会話ができないということです。
著者は「人間以外の動物は別のやり方で自己を表現し、異なるやり方で世界を知覚するにもかかわらず、それでも私たちと共有するものがたっぷりある」(14ページ)。と語っています。
人間の言葉と同じ働き(機能)がある人間以外の動物たち言葉があり、この本にはその事例が多く書かれています。
動物たちの世界を知ることができるので、とても興味深い内容ばかりでした。
動物がどのような生き物なのかの判断には人間の「動物の見方」が大きく関わっているため、人間以外の動物への偏見や差別を捨てて、個々の動物たちや種に属する動物たちの姿を観察することで動物たちの世界を知ることができます。
著者は最後にこのように語っています
「動物と話し合うのは、言葉についての新しい考え方も必要になる。言語はこれまでに考えられていたよりも広くて豊かであることや、自分を意味のあるように表現するにには人間の言葉だけを使用するいがいにもたくさんの方法があることを、動物たちが示してくれている。逆に、これらの表現形態から、ほかの動物たちのことや彼らの内面生活についてや、意味をもたらすさまざまな方法についてを学び取ることができる。(中略)人間が、彼らを違った目で見るようにするだけでよい。
彼らはずっと話をしているのだから」(226ページ)。
動物たちは気持ちや感じていることなどを全身で表現しているので、その動物たちの言葉を聞くことのできるわたしたち人間になりたいものです。
動物たちの言葉については研究が進んでいるので、今後の研究発表を楽しみにしています。
「おやつちょ~だい」とシカののぞみちゃん(メス推定6歳)。
「はやく 用意しなさ~い」
外から聞こえる人の声に警戒するシカのすぐるちゃん(オス6歳)とのぞみちゃん。
シカもイヌもネコもその他の動物たちもみな、言葉を持っていることは動物の観察からもよくわかりますよね。
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