今日は良い天気になり気温は高かったですが、犬も鹿たちもごきげんさんでした。
「今日はごきげんだよ!今ねちょっと眠たいんだ」と鹿のすぐるちゃん(♂6歳)。
鹿ののぞみちゃん(♀推定6歳)は、縁側から「ごはんまだ~?」と夕食を催促。
ところで、犬や猫たちが「人間をなめる」と聞いたことはないでしょうか?
わたしは昔、ドックトレーナーを目指していたので、この言説は頻繁に聞いていましたが「本当にそうなの?」と疑問を抱いていました。
のちにこの言説は人間的な見方で語られていることを知り、正確ではないと学ぶことができました。
人間以外の動物たちが「人間をなめる」という言説は犬や猫といった家畜に言われていることだと思っていましたが、野生動物にまで言われていると知り大変おろどいています。
江口祐輔著『本当に正しい鳥獣対策Q&A』で「Qシカをよく見かけるようになりました。人間を襲いませんか?』の質問の回答にこのようなことが書かれていました。
「雑食性や草食性の野生動物において特に重要なのは、目の高さです。自分より目線が高い動物に対しては、相手の方が強いという感覚をもつようです。ニホンジカの目線は高くてもせいぜい1m程度です。したがって、シカは人間を恐れます。では、奈良公園のシカはどうして大胆なのでしょうか?それは人間を知り、人間をなめてしまったからです。人間は自分たちに危害を加えないで餌をくれる。(中略)きっとシカの方が人間より強いかもしれないと、彼らに感じさせてしまったからです」(23ページ)。
ちょっと、おどろく内容です。
確かに動物たちは相手の体の大きさの違いによって対応など変がしますが、相手が目の高い動物に対して「強い」という感覚を動物たちが持つかどうかは、主体である動物に聞かなければわかりません。
動物感覚で見ると、自分より体が大きい動物に対して「警戒」するではないでしょうか。
自分よ目線の高さがある相手であっても、何度も合ったり、挨拶を交わしたりすると、顔見知りになり自分より目線が高い相手であっても友好的関係を築きます。
動物たちが人間を「なめる」ということについては、人間的に語られており、人間特有の感覚を他の動物種に当てはめているだけにすぎません。
動物の感覚で表現すると、自分に危害を加えるかそうでないかを判断し、そうでない相手には友好的に関わる、ではないでしょうか。
餌付けされている野生動物であっても、動物たちは常に人間を警戒しています。ただし、動物たちが置かれている状況によっては、危険な人間の行動を察知できずに負傷したり、嫌な経験をする個体もいるでしょう。
動物たちは学習によって、相手との関係性や対応など変えて生存につなげています。
犬の「しつけ」の界隈でも言えることですが、動物たちの性質や習性をよく観察しないまま、人間的に動物たちを見ることが横行しているため、動物たちが誤解されることが頻繁にあります。
人間と他の動物種の共通点とそうでない点をしっかりと学び、動物たちのありのままの姿を見ることがとても大事です。
人間と人間以外の動物は、動物として共通している点が多くありますが、異なる点もあります。
動物たちのことを語るのであれば、まずは動物たちの世界を知ることが重要です。
おかしな言説に惑わされないようにしたいです。
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