●我が家の鹿たちの暮らしを見て「鹿と一緒に暮らしたい」や「鹿を飼いたい」と思われている方がいることを知りました。
WDIで保護している鹿たちは「保護が必要」と判断された個体を保護しているのであって、「ペット」として鹿を飼育しているのではありません。
人間の都合で鹿を「迎えたい」との考えは、野生動物である鹿を尊重しおらず、鹿を不幸にする可能性が非常に高いため、そのような安易な考えや行動をなされませんよう、お願い申し上げます。
保護が必要な鹿を保護したとしても、鹿という種の習性や個々の鹿を尊重する生活環境でなければ、保護鹿のQOLは低下し、鹿に苦しみを与えます。
我が家は様々な要因から保護した子鹿(現在6歳の♂のすぐるちゃん)の野生復帰プログラムを行えない状況・環境のため、WDIで終生飼育となりましたが、孤児である子鹿を保護した場合は、成長した子鹿が野生復帰できる努力をしたいものです。
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ナショナルジオグラフィックのYouTubeで、衰弱したオジロジカの子どもの保護の動画があります。
カナダのケベック州でトニーとアマンダに発見された孤児のオジロジカは「ホッピー」と名付けられ人間と猫のいる環境で成長しました。
人間の友達に救われた子鹿のホッピーは、時間の経過とともに保護主であるトニーやアマンダ、猫と友情を深めます。
トニーとアマンダは、ホッピーに食べ物、安全、愛情を与え、ホッピーは順調に次ぎの成長段階へと進みます。
♂であるホッピーはガールフレンドを探すための準備を始めていたのです。
ホッピーは部屋と外を自由に行き来できる環境で、家から外は果樹園や森林と繋がっているという野生復帰を手助けする良い環境で生活をしていました。
その環境でホッピーは鹿の友達を作り、育った人家ではなく、自然環境で鹿の友達とすごす時間が増えました。
いつしかホッピーには鹿の友達が大勢でき、ホッピーは遠出をして何日も育った場所へ帰ってこなくなりました。
トニーとアマンダはホッピーに鹿の友達ができることを願っていましたが、かれらはとても大きな不安を抱えていました。
なぜなら、鹿は多くの人にとって狩りの対象だからです。
トニーとアマンダはホッピーが銃で撃たれて死亡しないように、あらゆる対策をしました。
ホッピーに目立つ色のベストを着せたり、首輪をしたり、近所に張り紙をしたり。
目立つベストなどを身につけていれば、「誰かが飼っている鹿」とハンターにわかるので、生き残る確率は高くなります。
ホッピーは幸い、2年間生き延びることができました。
トニーとアマンダは、ホッピーが安全な環境で長生きできるよう、ホッピーを保護区に送ることを考え、行政とともにその手続きを進めていたそうです。
しかし、難航した手続きもようやく済んだ頃、ホッピーは姿を消したのです。
ホッピーは「野生に戻る最後の機会と知っていたのでしょうか。それっきり戻らなかったのです」。
しかし、7ヶ月後ハンターが森でホッピーの姿を発見し、その姿をカメラに収めました。
ハンターは人間から逃げないホッピーの体を撫でて首輪を確認したそうです。ハンターはまたいつかホッピーと出会ったら、汚れている首輪を「新しいものに変えてあげよう」と語っていました。
人間に育てられた鹿のホッピーですが、彼は自然環境で生きることを選択したのです。
わたしはホッピーのこの物語に涙が流れ出るほど感動をしました。
人間に育てられて人間と親密な関係を構築していた彼ですが、自然環境で友達と生きることを選んだのです。
野生動物たちが種として個々として、ありのままの姿で生きることをわたしたちは尊重すべきと強く思います。
保護が必要な個体の場合は、種として個々としてそのままの自分で生活できる環境を人間は可能な限り整える必要があります。
ホッピーが保護され育った環境は、野生復帰には非常に適した環境であり、このような環境作りを目指すことができればとてもいいなと思います。
このような環境であっても、個体によっては「育った場所がよい」という子もいると思うので、その時々の個々の動物たちの声を聞き、その声を尊重するのがベストだと考えます。
●ホッピーの物語はこちらです↓↓↓
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