今日の記事は常体で書きます。

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趣味でシカを罠で捕獲して、捕獲したシカを殺す瞬間をSNSで発信している「罠ブラザーズ」が動物愛護活動家らの批判を受けて罠ブラサーズのポリシーを公表した。

 

その内容はこちら↓↓↓

 

 

この内容を読んで思ったことは「狩猟推進派の言い分がすべて詰まっている」ということだ。そのため、わたし(狩猟を抑止したい側)にはわかりやすいが、そうでない人が「そうだよね」と思ってしまいそうなことを危惧する。

 

罠ブラザースの言い分は、柵の設置は一定の効果を発揮するが、それだけでは農業被害を防ぐことはでないというものだ。国が狩猟や野生動物の捕殺を推進しており、他の集団や自治体もやっているという、権力をちらつかせ批判の声を封じ込めようとする意図も見える。

 

国家権力を握っている者たちは、自己の意思を貫き通すためにこのような民間団体を利用する。いつでも権力者側はそうで、そのシステムが出来上がっている。

 

また、捕殺されて処分されるシカやイノシシを食べることは「正しい」という主張をしているが、どの言い分を持ってきても正当化できることではない。

 

殺さなければいいだけの話である。

 

殺さない方法を考えることもなく、己の楽しみのために始めた野生動物殺しを「間違っていない」と言い切るのは、認識の完全なる暴走だ。

 

楽しみのために始めた動物殺しを金儲けのためのビジネスにしているのでなおひどい。

 

罠ブラザース関係者は農業を行っており、野生動物が農作物を「荒らす」のを見てきたそうだ。農作物を守るために狩猟免許を取得したという。そこでなぜ「殺す」という発想になるのだろうか。

 

我が家も農業をしている(主に稲作)。野生動物と生活域を共にしているわたしたちはそれを念頭に農作物対策をしている。対策をしても効果がないなら次の方法を考えてやってみる。そうやって自然環境とそこに棲む動物たちと共存しているのである。適切な防除柵を設置すれば、シカやイノシシから農作物は守れる!

 

それらのことをせず、罠を仕掛けて動物を殺しその死体を食べる者が生態系保全や倫理を語れるとは思わない。

 

罠ブラザースのHPには、シカは増えすぎているので、殺して個体数を減らしてその死体を「おいしく食べる」「エシカル」だと書かれているが、このような空言にだまされないでほしい。

 

このブログで何度も書いているが、シカ個体数は増えてはいない。シカ個体数の回復だ。

 

地球生態系は地球環境に生きる野生生物の存在で成り立っている。その、動物たちを殺す行為は生態系保全でも自然環境保護でも持続可能でもない。このことは世界共通認識だ。

 

また、殺して破棄される動物の死体を食べることは「エシカル」でも「エコロジー」でもない。これは、誰もがわかることだろう。殺した動物の死体を食べる行為を「エシカル」とはよく言えたものだと思う(エシカルの意味を知らないことがよくわかる)。

 

人間は散々、野生動物の生息地に土足で入り込み荒らしてきたにもかかわらず、野生動物たちの生息地を人間はいまだに我が物顔で侵入している現状に怒りがわいてくる。

 

罠ブラザースのポリシーに書かれている内容は、あまりにもなおざりだ。

 

地球環境のことも野生動物のことも人間の生活のことの本質も全く考えられておらず、食に対する意識も勉強不足であることは明らかだ。

 

人間は誰もが他の動物の命をいただき生きているとポリシーに書かれているが、「誰もが」ではない。「2021 年の世界のビーガンの数 最新の国連の推定に基づくと、2021 年の世界人口は 79 億人です。したがって、2021 年 1 月現在、世界のビーガンの総数は約 7900 万人」ということだ(「2021年に菜食主義者は世界のどのくらいですか?」)。これはヴィーガン人口を統計したものだが、肉を食べないベジタリアン人口も含むと、菜食の食事を摂取する人口の割合はもっと高いだろう。日本では2021年時点でビーガン・ベジタリアンの割合は5.1%という調査結果だ(「第3回日本のベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン人口調査 by Vegewel【21年12月】」)。

 

現在、世界中で動物を食べることに異が唱えられており、プラントベースが人間の健康をとり戻すことも明らかになっている(「実例紹介!プラントベースの食事で健康を取り戻した人々」「根拠にもとづく食事ガイド」)。

 

生態系や地球温暖化、自然環境、人獣共通感染症(寄生虫なども)、パンデミック、放射能、社会など様々なことは全てつながっている。それらを学び理解もせず、自分の楽しみのために野生動物を殺して、食べることを正当化しようとしないでほしい。

 

また罠プラザ―ズのHPには、くくり罠にかかった幼いシカの画像が貼りつけられている(罠は非常に残酷な道具であり、無差別に動物を殺傷する。画像のシカは大変おびえており、シカの悲鳴が聞こえてくる)。HPの内容からも、この団体が残酷であり、主張も支離滅裂であることがわかる(捕獲した動物を殺す動画を発信している団体であることに納得ができる)。

 

罠ブラザ―ズの関係者がこのブログ記事を読んだのであれば、HPに書かれている事実と異なる内容を訂正していただきたい。

 

狩猟やジビエは持続不可能(生態系破壊)で非倫理的活動であると学んでも、まだ狩猟やジビエ推進を行うのだろうか。

 

暴力を正当化する文言には十分に注意してほしい。

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