午後からセキュリティ会社の営業の方が来て、離れ部屋で話しをしていました。

 

そこにシカのすぐるちゃん(♂5歳)が窓から「こんにちは~」と顔を見せに来ました。

 

営業の方はすぐるちゃんを見て、目が丸くて美しいという内容を話されていました。

 

身近でシカを見るとシカの美しさをより実感できる、そのような気がします。

 

我が家がセキュリティ会社に警備を依頼しているのは、シカやイヌたちを守るためです。

 

シカたちの飼育許可を県から得るときに、県庁の方も獣医師も防犯はきちんと行うのがよいと言っており、もちろんわたしたちもそう思っていました。

 

困ったシカを保護するのは、わたしからすれば当然のことですが、シカの保護を快く思わない人もいます。

 

現在シカは、「害獣」とレッテルを貼られ、「生態系の破壊者」にされています。

 

しかし、生態系の破壊者についてよく考えるべきです。

 

生態系を広範囲かつ甚大に破壊し続けているのは、わたしたち人間です。

 

山については戦後、国策である拡大造林が行われ、多様な樹木や草原からなる山の多くがスギなどのほぼ単一の樹種からなる山に変えられました。

 

植林地は英語でplantationと呼ばれており、日本のように植林地をforestとは呼ばないそうです。

 

プランテーションでは単一の樹木を育てるため、「害獣」や「害虫」、異なる植物が排除され、生態系のさらなる単純化をもたらします。

 

拡大造林事業は、もともとその地に生息・生育していた動植物を絶滅の危機に追いやり、人間は森林を大きく改変し甚大な生態系破壊を行いました。

 

それには目を向けず、シカを生態系の破壊者にするのは、あまりにも人間都合で身勝手な主張です。

 

シカは何年もかけ荒廃したプランテーションで生きのびるための適応を進化させ、個体数が激減した時期から現在にかけ少しずつ個体数を回復させてきました。

 

生態系が乏しく、荒れた環境に適応できた種は、激しく傷んだ自然環境を回復させる種でもあります。多様性が乏しい環境にシカという種がいるだけで、多くの他の種は相互の関係を作り、動植物の動きが活発化します。その中には共生関係にある種(たとえば、細菌や原生生物など)もいるでしょう。

 

その関係はシカから他の動植物へと網をはるようにつながっており、それらの動植物の関係性のすべてを人間は知ることができないと思います。知ることができても、研究が行われ始めた後、長い年月が必要になると思います。

 

シカは、「マダニやヒルを他の地に広める」と言われることもありますが、人間は遠く離れた地などにもマダニやヒルを多く運搬していることを忘れてはいけません。

 

現代、シカに言われていることを見ると、シカにたいするあらゆる言説でシカを悪者にしたてあげています。

 

シカの活動による自然環境の変化は、それ自体が生態系であり、その生態系にわたしたちたち人間がとやかく言い行動することが、生態系破壊になっていることを多くの方に知っていただきたいと思います。

 

人間はフォレストの生態系を破壊し尽くした後も、野生動物の「駆除」などを行いさらに生態系を破壊しているのです。

 

シカは生態系の破壊者ではありません。繰り返しますが、生態系の破壊者はわたしたち人間です。

 

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