今日は、シカの研究者と調査員とともに奈良公園のシカの調査をしてきました。
参加は今回で2回目です。
研究者の方と2名の調査員の方たちは男性ですが、とても自然で対等に話をしてくださるので、わたしは快適な会話を楽しめました。
2022年8月16日の調査日は、小鹿公開のために鹿苑に収容れていた鹿たちが奈良公園内に放たれた日でした。
そのため、親子離れ離れになったお母さん鹿と子鹿が続出し、母子の切羽詰まる鳴き声が公園内で響いていました。
今日(2022年8月27日)は、あれから1か月少したち、公園内で母親が子供を探して鳴く声は聞こえませんでした。
しかし、今日の調査で気になったことがありました。
子鹿がひとりでいたり、子どもだけで数頭集まり座っていたりしたのです。
自然界ではこの時期、子どもはお母さんについて行動しています。
小さな子どもが1頭で木の陰にいたり、子どもだけで集まっていたりする子鹿たちは孤児なのでしょうか?
観察を続けると、おとなのメス鹿1頭にたいし子どもが2頭いたり、メス鹿3頭の群れに子どもが5頭いたりしました。
通常、ニホンジカは1度の出産に1頭の子どもを産み育てます。
奈良公園の鹿の研究者は、「奈良公園のメス鹿は自分の子ども以外の子どもの世話もする」と言っていました。
産みの母とはぐれて再会できなかった子どもを他のおとなのメスが育てることは、奈良公園の鹿に多い特徴なのかもしれません。
いずれにしても、人為的に母子離れ離れになりやすい環境を生みだしている「子鹿公開」というイベントのあり方を見直した方がいいと思います。
今日の奈良公園の鹿さんたち。
1頭で行動するメス鹿。
今年は雨が定期的に降り、奈良公園の芝生が成長しやすく、鹿たちは伸びた芝をせっせと食べているということです。
しかし、多くの鹿たちの胃袋を満たすほどの植物は奈良公園にはありません。
こんなに短い芝生ですが、鹿たちは口と鼻を地面に押しつけながら芝生を懸命に食べようとしていました。
奈良公園の鹿たちは、極端に短い植物を食べることを余儀なくされているので、前の歯(下の歯)が削れて短くなっています。
食糧不足に加え、人間から受けるストレスと環境ストレスがある地で鹿たちは本当によく耐え生きようとしているなと思います(泣)。
奈良公園の鹿たちを見ていると気の毒でなりません。
奈良公園の鹿は「自由で保護されている」という認識を改めなければいけないと強く思った1日でした。
また機会があれば調査に同行させてもらおうと考えています。
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