雨が降りイヌもシカもわたしも室内でゴロゴロすごす一日になった。

 

わたしは数か月ほど前から夜寝れない日が多く、病院で睡眠薬の調整をしているがうまくいっていない。

 

睡眠薬の副作用で悪夢を見る日が多く夜間に目が覚めてしまう。そのため、日中に激しい眠気に襲われる。

 

ほぼ毎日不快な朝をむかえているので、この辺で気分よく朝をむかえたいところだ。

 

ところで、2022年6月23日、福岡県西区の水路にイノシシの子どもたちが落ちているのを発見された。

 

子イノシシたちは善意ある人たちの活動で水路から救助された。

 

子イノシシたちの救助について、各報道では「鳥獣保護法(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律)により救助できない」などと書かれていたが、その主旨は「イノシシは『有害鳥獣指定』されているので救助できない」と思っていた。

 

しかし、福岡県環境自然環境課によると「鳥獣保護法により、野生の鳥獣は捕獲が禁止されている」とのことだ。

 

鳥獣保護法によると、野生動物を捕獲してよいのは、狩猟免許を取得した者とされているが、野生動物の救助は「捕獲」ではないため、鳥獣保護法に反する行為ではない。

 

FNNプライムオンラインの記事に、2018年10月、ダムに迷い込んだイノシシの件が書かれている。

 

●「水路に落ちたウリ坊…助けてはダメ?鳥獣保護法の規定 救出した男性『雨が降ると溺れてしまう』【福岡発】」記事はこちら下矢印

 

記事には、ダムに迷い込んだイノシシの救護を求める人びとの声にたいし行政は「野生動物には手出ししない」と言い救護しない意思を示していた。

 

しかし、行政に750件近い苦情が殺到し、行政は方針を転換し、イノシシを救出する作戦を開始した。

 

このように、人びとの多くの声が行政の方針を転換させるので、ぜひ、みなさん行政にはどんどん苦情を言っていこう!!

 

北海道のクマの殺傷についても、人びとの大きな声があると行政は殺さない方向へ舵取りをするかもしれないので、みんなで野生動物保護・救護の声を大きくしていこう!!

 

ここで少し、鳥獣保護法と行政における傷病鳥獣保護の考え方をお話したい。

 

環境省の「行政における傷病鳥獣救護の基本的な考え方」には、以下のように書かれている。

「野生鳥獣の生死は生態系に組込まれた事象であり、自然界で発生した傷病個体や死亡

個体は高次消費者の食物となり捕食されます。野生鳥獣は自然の中で人間の補助や介在なしに自立して生活し、死んでいくものであり、そのような状態が保たれてこそ野生鳥獣の尊厳が守られるのであり、人間が必要以上に介入すべきでないという考え方があります。一方で、人と野生鳥獣との関係の中で、野生鳥獣に対し敬う気持ちを持つことや生命への共感、生命の尊重の考えがあります。特に救護される傷病の原因の多くが生態系の自然の摂理によるものではなく人為的な原因によるものであることから、救護することは当然の行為であるとする考え方もあります。傷病により保護を要する野生鳥獣傷病鳥獣)を救護することは、もともと人道的な行為として行われてきており、鳥獣保護思想上も生きものを大切に思う気持ちからなされてきました」。

 

そのため、「野生動物に手出しをしない」という考えが行政で優勢になっているのではないかと思う(救護するには労力も資金も必要になることから、多くの自治体では「何もしない」に向いているのではと)。

 

しかし、「野生動物に手出しをしない」というならば、野生動物の個体数管理や「駆除」、利用などは容認されなくなる。

 

野生動物の「駆除」や利用を行い、野生動物を救護しないのは非常におかしい。

 

鳥獣保護法は「生物の多様性の確保、生活環境の保全及び農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、自然環境の恵沢を享受できる国民生活の確保及び地域社会の健全な発展に資することを目的」とするものであり、鳥獣保護法において鳥獣の「保護」とは、「生物の多様性野確保、生活環境の保全又は農林水産業の健全な発展を図る観点」のものである。

 

そのため、個々の野生動物たちに焦点を合わせた政策は行われず、生物多様性保全の概念に貢献することに重点が置かれる法律ということだ。

 

生物多様性保全に悪影響を与えると考えられている野生動物種については、当然、救護対象外とされ人為的に負傷した動物であっても見捨てられる。

 

しかし、負傷したり、衰弱したりしている動物を救うことは、「人道的で自然な行為である」ことから、種を問わず救護対象とすべきである。

 

現在の鳥獣保護法が指針とする、生物多様性保全が時代遅れものであることから、その見直しも行ってほしいところだ。

 

生態系に悪影響を及ぼすと考えられている種について最新の研究では、生態系を構築する(生物多様性が増す)存在でることが明らかになってきている。

 

そのため、野生動物の殺傷は生物多様性にダメージを与える。

 

生態系のあり方を決定するのは人間ではなく、環境と自然動植物であることから、人間がすべきことは自然環境の保護である。

 

【参考文献】

「行政における傷病鳥獣救護の考え方と 地域の取組み事例」

https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort13/jirei.pdf

環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室『改訂5版 鳥獣保護管理法の解説』大成出版、2020年第5版第2刷発行。

 

 

自然環境とそこに棲む動物たちへの理解が進むことを願う。そして、野生動物救護が機能する社会へと舵取りしてほしい。

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