大気が不安定で時折雷が聞こえてくる落ち着かない時間をすごしている。

 

雷嫌いのイヌの春ちゃん(♂11歳)はキッチンへ避難していて、イヌのひよりちゃん(♀8歳)はわたしの側にいる。

 

シカのすぐるちゃん(♂5歳)は雷でよくパニックになるが、今はわたしの近くで座り落ち着いているので、わたしはホッとしている。

 

シカののぞみちゃんは野生育ちの関係があるかもしれないが、雷にはあまり動揺せず庭で静かにすごしている。

 

のぞみちゃんをレスキューした2017年の初夏は連日高気温が続き、大型台風の到来が多い年だった。

 

そのため、のぞみちゃんのすごす空間の快適な環境作りに大変だった。

 

今日は、動物保護直後の環境作りと接し方の話をしたい。

 

この記事では、野生動物(哺乳類)の保護環境についてまとめるが、イヌやネコさんたちへの接し方とも共通するので参考にしてほしい。

 

野生動物の場合、人間は恐怖対象であることから、わたしたちは野生動物への接し方には十分に注意する。

 

人間によって酷い目にあった動物たちもいることから、動物たちの恐怖心を想像し、動物たちに恐怖を与えないにはどうすればよいかを考えよう。

 

まず、接し方をまとめる。

 

【保護した後の保護動物への接し方】

①     救護・保護動物の行動(意思や感情)にそい、保護動物に恐怖やストレスなど与えない接し方をする(例えば、保護動物に人間が近寄ることで保護動物がパニックになり激しく動くなら、人間は保護動物から離れて数時間保護動物には近づかない=無理矢理なことはしない)。

②     白っぽい服装でお世話をする(イヌもシカも黒い服に警戒することが多く、黒っぽい色の服以外の装いをしてみよう)。

③     保護動物に薬の服用がある場合や手当が必要な場合は、保護動物にその説明をしてから処置を行う(保護動物の体に急に触れ手当を始めると、保護動物は大変驚くので事前に手当の説明をする)。

④     保護動物の体を触るときも、保護動物には事前に「脚を触るね」や「体に手をまわすね」など説明をする(このことで、保護動物は今から手当てをすることなどを理解しやすいので、パニックになりにくい)。

⑤     保護動物が手当てを嫌がったら一旦手当を中断し、数十分~数時間後に再度手当を試みる(無理矢理手当をしない)。

⑥     保護動物が手当を嫌がっているが、その時にどうしても手当をする必要があるなら保護動物に「お願い」をする(例えば「これが必要なんだ。少し痛いかもしれないけどさせてほしい」など保護動物にお願いしてみる。保護動物に丁寧に説明したり、励ましたりすると、本当に必要なことには保護動物は協力してくれやすい)。

⑦     保護動物と関わる際は、説明以外では声を出さないで作業を行う(声を出さず静かに作業を進めることで、保護動物は落ち着いたまま治療を受けてくれやすい)。

⑧     保護動物の前では、人間は非常にゆっくり動き(スロー再生のように動き)、物音を立てないように心掛ける。

⑨     人間はスロー再生の動きだが、作業は素早く行う(作業が素早くできる準備をしておく)。

⑩     保護動物の恐怖感が大きい場合は、保護動物にアイマスクをして手当などを行う。

⑪     ケアや治療以外の時間は、むやみに保護動物と接触しない(保護動物がひとりで静かに落ち着いてすごす時間を作る。このことで保護動物は冷静な判断がしやすく自分の置かれている状況を把握しやすい=パニックになりにくい・ストレスのかかりが減るなど)。

⑫     保護動物の体に触れたり、保護動物を移動させたりする場合も人間の動きはゆっくりと静かで滑らか動くように心掛ける。

 

接し方のポイントは、保護動物を驚かせないということで「必要以外の声を出さない」「声を出す場合は非常に小さな声でやさしく話す」「物音をたてないように行動する」「無理矢理なことはしない=保護動物の意思や気持ちを尊重する」「動きはスローモーションのように非常にゆっくりと動く」「保護動物に行うことの説明をする」ことが大事になる。あと、「保護動物を励ます」ということも大事だ。

 

保護動物との関わり方で注意すべき点は、いまのところ上記の内容だが、また、思い出したことや今後の経験で学んだことがあったら追記する。

 

 

次に【保護動物を保護する場所の環境作り】について。

①     保護動物が身を隠すことができる場所を作っておく。

②     人の出入りが無い、もしくは少ない場所で静かな場所を保護動物の保護場所にする。

③     保護動物が今まで住んでいた環境に近い環境を作ってみる(怪我の具合などによっては、人工的空間に保護動物を移動させる時もある)。

④     保護動物の保護場所は薄暗いところがよい(最初は特に薄暗い場所で静かに過ごしてもらう。保護動物が環境や人間に適応してきたら少しずつ明るい環境にしていく)。

⑤     保護動物が寒さや暑さなどで苦痛を感じたり、体力を消耗したりしないようにする。

⑥     低反発マットなどを使用し、保護動物の床ずれなどを防止する。

⑦     飲み水・食糧は常に保護部屋におく。

 

環境作りのポイントは「保護動物が安心できる空間つくり」を目指し、安心さと快適さを追求した様々な工夫を保護動物目線で行ってほしい。

 

保護動物は恐怖対象である人間に保護されて大変恐怖を感じ、不安にもなっているので、保護場所は保護動物が安心できる静かな場所で、保護動物はひとりですごすことのできるようにしてあげたい。

 

人間が保護動物にたいして丁寧にかかわり、保護動物を尊重し、配慮ある接し方をすると保護動物たちは少しずつ保護主などに心を開いてくれる。

 

環境に適応してきた保護動物の様子を観察しながら、その時に適した環境に少しずつ整えていく。

 

時間はかかるが、保護動物のペースに合わせ、保護動物に無理をさせない接し方が鉄則だ。

 

【我が家の例】

 

保護直後

急なレスキューだったため、急いでのぞみちゃんの保護場所を作った。

隠れる場所と広い空間を用意した結果、

のぞみちゃんは夜間に移動して草を食べていることがわかった。

 

この場所で身を隠していたのぞみちゃん。

薬の服用時と食事と飲み水を運ぶ以外は、のぞみちゃんにわたしは近寄らなかった。

 

少しずつのぞみちゃんの居場所を庭の奥に移動。

竹を切ってきて目隠しや日よけに使用。

のぞみちゃんのいる場所にイヌたちが近寄れないように、ネットで柵をした。

 

保護環境や人間にのぞみちゃんが慣れたタイミングで、

より快適に過ごせる空間へ移動した。

低反発マットをひいたのだが、最初はあまりお気にめさなかったようで、

柵を飛び越えて草の上で休んでいた。

しかし、途中から低反発マットの上がよくなったようで、地面で休む日がなくなった。

 

暑さ対策にシャワーミストと業務用扇風機など使用。

 

のぞみちゃんがわたしたちのことを信頼してくれた後は、

のぞみちゃんがひとりで寂しい思いをしないよう、

わたしは可能な限りのぞみちゃんの側にいて、

夜間は同居人Kがのぞみちゃんと一緒に寝ていた。

のぞみちゃんはひとりで寂しくなったり、不安になったりすると

鳴いてわたしに伝えてくれていたので、

のぞみちゃんのその気持ちにわたしは答えていた。

 

動物たちを保護するのは簡単ではなく、

 

保護動物を助けることができないときもあるが、

 

「助けたい」という人間の気持ちは時に

 

奇跡的な出来事を起こすこともあるので

 

前向きに取り組んでほしい。

 

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