今日は午後から先進医療を提供している病院へ、鹿のすぐるちゃん(♂5歳)の健康診断の打ち合わせに行ってきた。
植物が多い敷地内に病院はある。
植物が茂っているので、すぐるちゃんが食べそうな植物はないか探してみたが、すぐるちゃんの好みの植物は生えていなかったので残念。
高度医療を提供している病院までは車で数時間かかり、長距離移動になる。
すぐるちゃんの検査の段取りは、すぐるちゃんを乗せた車で病院の敷地に入り、鎮静をかけるため下の写真の場所へ車ごと入る。
ここで鎮静をかけ、CTなどの検査を行う部屋にタンカで移動。
お腹の中にある異物を取り出す処置を行う場合は、下の写真の部屋で処置を行う。
手術後は、馬のための覚醒室で翌朝まですごす。↓
この部屋↑は、壁一面に分厚いクッション材が張られ、万が一、馬が暴れても馬がケガしない設計になっている。
胃の中にある異物を取り出す処置をした後、すぐるちゃんはこの部屋で一晩すごすことになるが、産まれてから一度もひとりで夜をむかえたことないすぐるちゃんにとっては、かなりハードルが高い。
そのため、この部屋でわたしも一晩すごせないか、今後交渉しようと考えている。
知らない場所でも、わたしが一緒なら、すぐちゃんの不安も少しは和らぐだろうと思う。
すぐるちゃんのストレスのかかりを考えると、一晩、すぐるちゃんをひとりにするのは無理だと思っている。
手術後の傷の回復具合も含め、手術後はすぐるちゃんの側にわたしがずっと一緒にいるのがベストだ。
鹿ののぞみちゃん(♀推定4歳)の脚の手術、避妊手術のときも、すぐるちゃんの去勢手術のときも、手術後はわたしがふたりの側にずっといて夜をすごしていた。
すぐるちゃんは大パニックになりやすいので、慎重に事を進めなければと思っている。
ずぐるちゃんの徐角については、ホルモン剤(テストステロン)を投与し、今の角を落とし除角を行う。
ホルモン剤を投与してから約3か月ほどで角が落ちるそうだ。
テストステロン投与は県内のかかりつけ獣医師に行ってもらう。
そのような話も含め、先進医療を提供する病院の帰りに、県内のかかりつけ獣医師の病院へ立ち寄った。
病院の壁に作られたツバメの巣と少し成長したツバメの子どもたち。
みんな、順調に育ってほしい。
テストステロンの投与は、病院までは車で行き、すぐるちゃんが車内にいる状態でサッと処置を行ってもらう予定を組んだ。
すぐるちゃんが車内で落ち着いていたら、血液採取も行う予定だ。
様々な事を想像して考えると、準備などが非常に大変だが、最大限準備をして検査を受けたい。
先進医療を提供している病院では、のぞみちゃんの避妊手術を行ってくれた外科の担当獣医師と麻酔科の方と長く話をしていた。外科医の方も麻酔科の方も非常にすばらしい技術を持っており、頼れる心強い存在である。
話の中で、外科医の方が自分が獣医師を目指したきっかけを語ってくれた。
ロードキルに遭ったタヌキなど姿を見て、獣医師を目指したそうだ。本当は野生動物とかかわる活動がしたかったということだった。
しかし、日本では野生動物を救護したり保護したりする考えはほぼなく、それを行う市民も少ないため、なかなか野生動物とかかわる機会がないという。
わたしは、外科の担当獣医師に「日本も野生動物を普通に助ける社会にしたい」ことや「野生動物横断道路も設置する国になってほしい」などいろいろな話をした。
しかし、国の考えが変わらない限り、種を問わず野生動物を救護するのは難しいし、野生動物医療の地域格差も大きいので、その問題もある。
わたしは担当獣医師に、「高度な医療を全国に広めてほしいです」と伝えてみた(担当獣医師は苦笑)。
道のりは長いものの、日本の獣医僚の発展を願う獣医師の方たちが、これからの日本の獣医僚に光を差し込んでくれるのではないかと思っている。
野生動物たちはこの社会から見捨てらた存在だが、その野生動物を「助けたい!」と思い、活動されている獣医師の存在を知ることができ、わたしは大変うれしく感じている。
負傷したり、体調を崩したりした動物たちを救うには、獣医師たちの存在なくしては実現しない。
獣医師になられる方たちの思いはひとりひとり異なり、目的や目標も違うと思うが、獣医師の方たちが、真剣に動物たちの個々の存在と命と向き合い活動する日々が、いつか日本の野生動物医療の発展や、動物医療の地域格差の解消につながってほしいと思う。
少数かもしれないが、様々な分野で動物たちのことを大事に思っている人たちがいる限り、希望は持ち続けたいと思った一日になった。
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