世界はパンデミックと戦争で大変な状況になっているにもかかわらず、自治体の広報に「駆除」とジビエで地域おこし!と書いている自治体がある。

 

わたしの住んでいる市もそうで、その度に意見と要望を市に届けている。

 

広報の内容は、鳥獣による「被害」だけが取り上げられ、シカやイノシシがなぜ人里に脚を運んでいるかには全く言及されていない。

 

それが非常に問題である。

 

鳥獣による農作物被害は野生動物を「駆除」することで解決されると思い込まれているので、その考えが根深く、意見を届けても相手にされることはない。

 

しかし、わたしは行政が市民の声に耳を傾けてくれるまで意見を送り続けたいと思っている。

 

このブログで何度も取り上げているが、シカによる農作物損失は自然環境の劣化が原因だ。

 

シカの個体数と農作物損失は比例関係にないのだ。

 

シカを殺しまくってシカの個体数が激減させても、山に食べ物がなければシカは人里に脚を運ぶだろう。

 

「駆除」やジビエで村おこし!というのは粗暴で乱暴な人道に反する発想だ。

 

生態系や野生動物の習性を知り理解することなく、「殺せばいいんだよ」というのは、まったく倫理的でも科学的でもない。

 

そして、殺した野生動物の死体を「食べてしまえ」という発想はなんとも恐ろしいことだと思う。

 

それらを国や行政が率先して行っているのだからおどろくほかない。

 

広報に載せる内容は本来、市民が自然環境に感心をよせるものでなくてはいけない。

 

それが、野生動物と人間の問題を解決することになり、わたしたちの生存も可能にするからだ。

 

人びとに自然環境への関心を喚起する内容こそが本質であり、それに政府や行政は言及し施策検討すべきだ。

 

「駆除」とジビエの推進活動に躍起になっている自治体の広報内容があまりにもひどいのでわたしは怒っている。

 

カナダではオジロジカがCOVID-19を引き起こすSARS-CoV-2に感染し、シカから人間に感染した可能性が高いという報告があったが、狩猟や「捕獲」、ジビエは新たなパンデミックを引き起こす可能性もあるのだ。

 

それなのに行政が「捕獲」やジビエを人びとに進めるとは、非常に無責任である。

 

鳥獣「駆除」やジビエは持続不可能であり、人類の生存の脅威にもなる。

 

わたしたちはもっと自然環境とそこに棲む動物たちのことを知り、理解しなくてはいけない。

 

人間中心で物事を進め、他者の命をどんどん奪い、他者に危害を加え、自然環境を破壊・汚染し続けるなら、人類は破滅に向かうだろう。

 

行政は人びとが自然環境保護に関心を寄せる内容を発信してほしい。

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