今日は一般社団法人日本ヴィーガン協会のフェスに行ってきた。

 

フェスが自然環境と食を考えるイベントだったので行きたかったのだ。

 

午後から4時間ほどの留守の予定だったが、雨が降っていたので同居人に犬鹿たちのことをまかせて出掛けた。

 

雨が降っていると犬鹿たちの不安が増すので、天候が不安定な日は誰かが家にいると犬鹿たちは安心できる。

 

天候がとてもいい時は、4時間ほどの留守番を犬鹿たちだけでしてもらうことがある。

 

フェスでは講演と座談会が行われ、特別講師の方の中でどうしてもお話したい方がいた。

 

わたしがお話したかった方は、昆虫研究者で自然環境の研究者でもある主原憲司さんだ。

 

●主原さんについて書かれて記事はこちら。

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主原さんの講演の様子。

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主原さんの講演終了後、主原さんに直接お声をかけていろいろと質問をした。

 

主原さんのお話は興味深く、おもしろかった。

 

講演を聞いていた方が「シカが増えすぎている」と言っていたので、「やっぱり一般認識はそうなのだ」とわたしは少しショックを受けていた。

 

わたしはその誤解を解きたく、主原さんにこう質問してみた。

 

「シカは個体数が『異常』に増えていると言われていますが、北海道大学の揚妻教授の研究で、過去に激減したシカが現在にいたり個体数を回復させているだけということがわかっています。このシカの個体数増加は生物的に正常で、個体数を回復してきているシカと共存していくにはどうしたらいいでしょうか?」

 

この質問に主原さんは、「この個体数回復は2度3度とは起こらない」とおっしゃった。

 

ということは、現在、この社会はシカの撲滅を掲げシカを大虐殺しているが、この虐殺が種の絶滅を引き起こす可能性が高いということだ。

 

つまり、われわれはシカと共存することなく、シカを絶滅させてしまう可能性があるのだ。

 

主原さんは、「ひとつの種やある種だけを保護するのは、野生生物の保護や自然環境保護、生態系の保護にはならない」とおっしゃっていた。

 

たしかにその通りだと思った。

 

自然環境保護・生態系の保護は、地球に生息しているすべての生物を保護することで成り立つ。

 

そして、野生生物を保護するには自然環境の保護が必須であるということだ。

 

野生生物と自然環境は緊密であり、双方の保護が重要なのである。

 

シカは、「生態系の破壊者」などとレッテルを張られているが、生態系の破壊者はわれわれ人間であり、シカは生態系にとって必要な存在でシカは生態系そのものなのだ。

 

主原さんは「シカは被害者である」とおっしゃっていた。

 

主原さんのその言葉にわたしは大きくうなずいた。

 

主原さんは現在、樹木の苗を山に植える活動も行っているそうだ。

 

主原さんは、人間が山に新たに植えた苗をシカが食べることにたいして、シカへの憎悪が人間に芽生えていることを指摘されていた。

 

詳しく話を聞くと、苗木を植える方法に問題があるということだ。

 

人間が山に植えた苗木を食べるシカたちは何もわるくない。

 

人工林を切り倒し、開けた空間に1m~2mほどに育った植物の苗を数本あつめて植えると、その植物はシカからすればとても目につく。

 

山の食べ物が乏しい環境であれば、シカは目につく植物を口にするのは当然のことだろう。

 

そこで主原さんは、ある程度育った苗をひとつの空間に数本植えるのではなく、育って間のない小さな幼い樹木の苗を山にてんてんと植えているそうだ(広い山の中に苗をぽつんぽつんと植える)。

 

このことにより、シカは苗を口にすることなく苗は育っているということだ。

 

その理由は、シカが苗に気づきにくいということだった。

 

ある程度育った樹木や大木、その他の植物が無数に育成している山の中では、植えた小さな苗の匂いは多少するかもしれないがシカの目にはとまりにくいだろう。

 

わたしはこの話を聞き、岡山理科大学生物地球学部生物地球学科、旧植物生態系研究所(波田研)のホームページに投稿されていた「植林よりも育林を」の記事を思いだした。

 

ドングリの苗は3年までの幼いポット苗を植える活動は必要というものである。

 

種から発芽して3年までの幼いドングリの苗を山に植えると、根は地中深はり、山の斜面が崩壊しにくくなるという。

 

ドングリは狭いポットの中で3年以上育てられてから山に植えると、地中深く根を張る直根が再生しないそうなのだ。

 

よって、植林ではなく、幼い苗から育てる「育林」が必要とのことだ。

 

よいのは、「地元の種から発芽した樹木の『育林』」である。

 

自然界での山の再生は、地に落ちた種から発芽した植物によって支えられており、そのサイクルは野生生物が生活しやすい自然環境を作り、災害に強い山の構造を作りあげてきている。

 

主原さんが行われている幼い苗を植える活動研究からも言えるように、わたしたちが行うべきことは自然界で起きている構造を真似ることではないかと思った。

 

自然環境はどのように構築していくのかをわたしたちは知り、自然環境で起こっている自然のサイクルに近い活動から新たな発見があるかもしれない。

 

わたしたちはもっと自然環境に意識を向けた暮らしをし、今ある自然を守ってゆく強固な意思が必要だと思った。

 

自然環境が破壊され、数々の動物種が絶滅してからでは生態系は回復困難になってしまう。

 

そうなってからでは、遅いのだ。

 

破壊された自然環境は二度と復元できず、絶滅した種は(通常なら)二度とその姿をみることができない。

 

生態系の破壊(=人間活動による自然環境の破壊・汚染)にストップの声をあげていこう!

 

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