午前からしっかりとした雨が降っていた。

 

この雨で植物がグンと成長するだろう。

 

鹿たちが食べることができる植物の成長が待ち遠しい。

 

肌寒い雨の一日になったので、わたしは床に寝転び読書をしていたが、いつの間にか犬のひよりちゃん(♀8歳)と寝てしまっていた(笑)。

 

昨年、野生動物保護施設に見学に行ったのだが、さまざまな事でおどろいていた。

 

施設の方との話の中で、「動物になめられてはいけない」や、「いろんな個体がいるので注意してください(襲ってくる個体もいる)」など、わたしにたいし言っていたので啞然としてしまったが、「動物と対等な関係でなければ信頼関係は築けない=治療もできない」とだけ言った。

 

犬にたいして「犬になめられてはいけない」というアルファシンドローム論(現在この言葉は死語になっている)が言われ、人間は犬のリーダーにならなくてはいけないという「しつけ」方法が提唱されている。

 

しかし、人間と犬との暮らしにこの説は現在否定されている。

 

犬やその他の動物は人間を「なめる」のか?ということについて答えはNOだ。

 

犬にはゆるいグループはあるが、その中で、犬たちは相手と一対一の関係を築く。

 

個々の犬たちはそれぞれ性格や得意なこと苦手なことが異なる。

 

それぞれ異なった犬たちは、個々に関係性を構築し、気遣いがとても上手な犬や環境の変化にいち早く気付く犬など、それぞれが個々の行動をとる。

 

犬たちは一頭のリーダーを決め、そのリーダーに従うというのではなく、犬たちは家族や仲間、友人と個々の関係を持ち、その関係性の中で相手と協力したり、気遣いをし合ったりして生活をする。

 

犬同士の間で力の不均衡があることもあるが、だからと言って力のある犬に他の犬が必ず従うということではない。

 

犬にたいし言われている「なめられてはいけない」という言説が、野生動物とかかわる人にまで広がっていたのには大変おどろいた。

 

そういえば、ある獣医師が「動物を力で押さえつけて動きを封じこめると、動物は観念しておとなしくなる」と言っていた。

 

これは、いくつもよくない。

 

大きな力による弱者への支配の一種であるし、治療を要する動物に対して行う行為ではない。

 

動物を大変怖がらせ、動物をパニックにさせてしまうし、傷を悪化させる可能性が極めて高い。

 

わたしたちがすべきことは、動物に安心してもらえるように行動することだ。

 

それを実践するには、まず「個々の動物たちを信頼すること」からだ。

 

動物は何をするかわからないといった、偏見や思い込みを捨て、個々の動物たちに敬意を持ちかかわろう。

 

わたしたちの大きな力を動物たちに見せしめ動物たちに恐怖などを与え苦しめるのではなく、動物たちを個々の存在(人格者)であることを理解し、動物たちの意思を汲み取り、動物たちが必要としていることに応えられるようにならなくてはいけない。

 

そのためには、犬や他の動物と自分は対等であるということを理解しなくてはいけない。

 

それができないのは、その根底に種差別などがあるのでそれを無くす必要がある。

 

動物たちは相手の様子を非常によく観察をし、相手の行動などを察知する能力に長ける。

 

そのため、わたしたちは動物たちに誠意ある接し方をすれば、動物たちは治療にも協力してくれるようになる。

 

恐怖や痛みから治療を強く拒む個体がいたら、鎮静剤を投与して治療を行い個体に負担をかけないやり方もある。

 

動物になめられると人間の言うことを聞かなくなったり、治療ができなくなったりするという主張もあるが、上記に書いたように、動物にたいし動物の気持ちに沿いながらわたしたちが行動を柔軟に変化させることで、そういったことはなくなる(動物の意思に反し無理矢理なことをしないこと)。

 

見学に行った保護施設では、保護動物に手を出すだけで保護動物が手にガッツリ噛みついてくると言っていた。

 

よく話を聞くと、保護動物の床ずれ防止に定期的にシャンプーをしているとのことだった。

 

それは、噛みつくのは当然だろうと思った。

 

しかも、その保護動物がいた場所は床ずれ防止の対策がされていなかった。

 

床ずれができるのであれば、床ずれになりにくい環境を整えることやケアを真っ先にしなくてはいけない。

 

野生動物が非常に嫌がるシャンプーをして動物にストレスを与えるのではなく、ストレスをどう減らすかの方法を考えなくてはいけない。

 

動物を治療・介護するときも動物の暮らしでも、わたしたちは動物たちのよき理解者となり、平和的、穏やかにかかわっていこう。

 

動物たちは「モノ」でもなく、動物たちは人間を敵対しているわけでもないので、その動物たちに少しでも信頼してもらえるわたしたちになろう。

 

動物たちは、人間とかかわる中で安心と安全を必要としており、それらに答えられるように尽力したい。

 

動物たちはわたしたちが思っている以上に友好的で協力的な生きものなのだ。

 

チューリップ黄動物たちには安心してほしいよねチューリップ紫と思った方は、にほんブログ村のクリックをよろしくお願いします。

     ↓↓↓

にほんブログ村 環境ブログ 自然保護・生態系へ
にほんブログ村