近所の方から、イノシシから農作物を守る柵を設置してほしいと依頼があった。
依頼主の畑は昨年、イノシシたちがサツマイモを掘っていたのだそうだ。
今年は、掘り起こされないようにと柵を設置しようと思ったそうだが、高齢なのでひとりでは設置できないということから我が家に声がかかった。
材料は我が家のあるものと、依頼主宅にあるもので柵をつくることになった。
イノシシ対策なので柵の高さは1メール。
畑のきわに柵を設置する「小規模防除柵」。
柵を小規模にすることで農作物被害が減少する。
野生動物たちが行動できる範囲を残しておいてあげると、野生動物たちはその範囲で食糧を得ようとする(少しでも多く、野生動物たちの行動域を確保してあげることがポイント=野生動物たちの食糧を得る場所を確保する)。
柵の設置作業をしながら話をしていると、依頼主が「最近イノシシの姿を数回見ただけでほとんど見ない」と言っていた。わたしたちも、イノシシたちの姿を見ていない。
もしかすると、豚コレラの影響で野生のイノシシたちが多く死亡しているかもしれない。
豚コレラは2018年に国内の養豚農場で発生して以来、感染は14都道府県におよび、2021年4月末時点で合計231,895頭の豚が殺処分されているという(参考文献)。
豚コレラについて検索しているとアメリカでは、豚コレラが野生のイノシシに感染し始めると、狩猟の規制をかけているとのことだった。
狩猟によりイノシシの移動範囲が多方面に拡大しウィルスが広がる可能性もある。
ウィルスが発生するとウィルスを拡散させない対策が求められるが、日本ではそういう規制を全国的に厳密に行うこともなく、政府や行政がジビエを推進している。
生態系の観点からも、野生動物の存続という観点からも人間の介入は破壊的だ。
わたしたちは、人間中心主義ではない思考磨きに尽力すべきではないだろうか。
わたしたちは、無数の生き物たちを人間都合で殺すことをいつまで「よし」とするのだろうか?
他種への暴力を改めない限り、わたしたちは平和な世界を築くことはできないだろう。
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