今日はシカの研究者の論文をいくつか読んで過ごしていた。
その中で、現在の自然生態系保全活動や考えには、野生生物不在で話が進んでいることを知った。
しかし、自然環境というのは、自然の条件や植物、生物の相互関係で構築されている。
そのため、シカを含め野生で生きる生物抜きで自然環境を語るのは大変おかしいとこだと思った。
野生動物と植物やその他の自然環境要因によって、自然環境は構築されることから、わたしは自然生態系の要素として野生生物を位置づけるべきだと思っている。
自然生態系保全には長いタイムスケールの視野が不可欠であり、時系列によって見えてくる自然の姿があるということだ。
わたしがお世話になっている研究者は、わたしたちは「自然観を考え直す必要がある」と言っていたが、まさにその通りで、わたしたちは自然に対する認識や知識など再構築する必要があると思った。
最新の科学的知見に耳と目を向け、可能な限り適切な方法で自然環境と野生生物を関わっていけるわたしたちにならなければいけない。
シカは、1950年頃から激減し1970年代には100-200年の日本の歴史において最低レベルの個体数となった(自然環境破壊と狩猟などで)。そのシカたちが、1980年代頃から個体数と分布を回復してきている。このシカの個体数回復は自然環境が回復してきている証だろうとわたしは思っている。
そのシカ(生態系の回復)を「個体数管理による駆除」によって、再度、シカの個体数を激減もしくは絶滅に追いやり、自然生態系を混乱させ、多様性に乏しい劣化した自然環境に戻すつもりなのだろうか。
自然環境とそこに棲む野生生物たちに、真剣に目を向ける時期にきている。
同じ過ちは繰り返さないおとなになろう。
正確な情報(科学的根拠)を基に、今出来る最大限適切と思われる行動をしていけるといいなと思う。
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参考文献
揚妻直樹「シカ個体群の歴史から自然生態系保全を考えるー経緯を知ると見えてくるものー」北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター、(最終閲覧日:2022年2月11日)。
http://forest.fsc.hokudai.ac.jp/member/Agetsuma/KiiSympo2015HP.pdf