午前中に鹿たちのかかりつけ獣医師の病院へ行きいろいろなお話をしてきた。

 

Wild Deer Initiativeを立ち上げたことなども話をしていて、獣医師は「積極的な活動をどんどんやってくれ」と言っていたので、がんばりたいなと思った。

 

獣医師との話で、奈良公園の鹿の話も出た。その中で奈良公園の鹿の遺伝子についての話になり、獣医師も奈良公園の鹿の遺伝子は野生で生きる鹿と異なっていると言っていた。やはりそうだよね、と思った。こういうことは遺伝子検査をして明らかにしてほしいなと思う。

 

ところで、NBS長野放送の記事に、猟友会員10人ほどがイノシシ猟をしていたさいに冬眠中の熊の巣穴を発見し、男性が巣穴を除いたため男性はケガを負い、熊が猟友会員により射殺されたという記事を見た。

 

記事には「~80代男性襲われる~」と書かれているが、この認識は改めるべきことだ。

 

過去から現在にいたり、襲われているのは野生動物たちである。

 

今回殺された熊は、寝込みを(除くなどして)襲われたのだ。深い眠りについているところ、警戒対象である人間に巣穴を除かれ刺激を与えられ、熊はさぞかし驚き身に危険を感じただろう。

 

人間は野生動物を襲い危害を加え、人間がケガを負うと被害者意識を押し出し野生動物が悪いと語り出す。

 

鹿や猪による農作物損失もそうである。わたしたち人間が鹿や猪たちの棲む場所を奪い、食糧までも奪っておきながら、農作物損失に対し鹿や猪たちが悪いと言う。

 

なんと身勝手なことだろうと思う。

 

今回の出来事の問題点は、人間が野生動物の生息地にむやみやたらに脚を踏み入れることと、野生動物を殺す目的でいること、そして、冬眠中の熊の巣穴を除くなどしていることと、さらにひどいことは目を覚めた熊を殺しているということだ(この行為が生態系破壊=自然環境破壊を引き起こしている)。

 

熊の「捕獲=殺害」は熊の胆が関係しているという指摘もあり、高額な熊の胆取引は見逃せない事実だという。

 

熊を「捕獲=捕殺」することで、高額なお金を手にすることができる。

 

そのため、違法な「捕獲=捕殺」や必要ない駆除を助長しているという。

 

本来なら、冬眠中の熊の巣穴を発見した時点で、巣穴付近に近寄らず、熊に刺激を与えないようにして、その場を離れるだろう。

 

それをしないということには、何かしらの理由があるのだろう。

 

猟友会HPには「生態系を守る番人」とか「森の守護神」とか書かれているが、猟友会は野生動物を殺す組織であることをしっかり理解しなくてはいけないと思う。

 

人びとの安全や暮らしのためといい、野生動物を殺して生態系や自然環境を混乱させ続けている。

 

真に人びとの安全や暮らしを考えているなら、わたしたちの生存権がかかっている自然破壊=生態系破壊を引き起し事態の悪化を招くことはしないだろう。

 

どの時代も、わたしたちは常に野生動物と自然環境に暴力を行使してきている。

 

その結果、気候危機やパンデミック、旱魃、熱波、食糧危機などが起こりさらに野生動物たちを苦しめている。

 

「被害者は野生動物である」という認識に改めるべきだ。

 

野生動物を殺して問題を解決するという思考自体が誤りであることは、現状が語ってくれている。

 

アメリカなどでも言われているが、野生動物を殺して個体数管理という発想が問題解決策

であるならすでに効果が出ているはずだ。しかし、目立った効果が出ておらず、逆に様々な問題を引き起こし、無数の野生動物に苦痛と死を与えているという現状になっている。

 

それ以前に人間は、道徳的・倫理的視点からも他の動物種を殺すという発想をやめなければいけない。

 

わたしたちがすべきことはまずそこからだ。

 

思いやり保全を広げるために、にほんブログ村のクリックをよろしくお願いします。

     ↓↓↓

にほんブログ村 環境ブログ 自然保護・生態系へ
にほんブログ村