午前中、奈良市の方へ用があり、奈良公園横の道路を通ってきた。

 

シカたちが道路際にいたり、道路を横断しようしたりしていたので、かなり低速で車を走らせていた。

 

赤信号で停車しているときに撮ったシカたちの写真。

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食べ物がないので、奈良公園のシカたちは道沿いにある緑地やコンクリートの隙間から生える植物を探し歩いているのを以前見た。

 

奈良公園のシカが食糧不足であることは、奈良公園内の現状をみれば明白なのだが、「奈良公園のシカは飢えていない」などいう主張もある。

 

先日、「社会に『見捨てられた宮島の鹿』」という記事を書いたが、その記事に対しツイッターで絡まれたので、シカの健康状態を表す毛並み(毛艶)が悪いので健康状態がよくないのではという趣旨の返信した。

 

わたしのその返信に対し、相手は会話の趣旨とズレたシカの毛の内容を返してきたので、わたしはシカに詳しいということだけ言い、かかわらないことにした。

 

以前から思ってたのだが、動物の毛並みについて、どれほどの人が関心を寄せているのだろうか?

 

健康状態がよく、ストレス度が少ないシカの毛並みは、換毛期であっても毛並みは整い光沢がありきれいだ。

 

我が家のシカたちは、人間の飼育下という点からもストレスが無いとは言い切れない現状だが、毛並みに目立った問題は見られない。

 

毛並みは、健康に必要な栄養素や他の健康状態、ストレスの影響で良くも悪くも変化する。

 

のぞみちゃん(♀推定4歳)。夏の毛が抜けはじめている頃の写真だが毛並みは整っている。

 

こちらは、すぐるちゃん(♂4歳)。完全に冬毛になっている時の様子。

きれいな毛並みをしている。

 

 

奈良公園では、連日シカの写真を撮りに人が訪れている。

 

インスタグラムには奈良公園のシカの画像がよくある。撮影者はその写真を「美しい」画像としてアップしているのだと思う。

 

しかし、その中にはシカたちの苦痛の叫びが聞こえてくるものもある。

 

たとえばこの写真を見てほしい。

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母親と子どもの毛並みとともに母親の表情にも注目してほしい。

 

母親も子どもの毛並みが非常に悪い。母親の表情は目がうつろで生活に困窮していることが伺える。子育てをして疲れているのでは?と思うかもしれないが、毛並みの状態からして、母親の健康状態を危惧する。さらに、奈良公園という人工的空間での生活は、シカにとって多大なストレスとなる。

 

 

 

こちらからの写真も見てほしい。

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やせ細り骨が浮き出ている。毛並みもわるい。

 

 

こちらのシカ↓↓↓は、皮膚病にかかっているように思われる。

この件について、奈良公園内にある鹿苑は「シカとシカが身体をすり合わせて毛が抜けている」という、非常に無理のある回答をしていた。身体をすり合わせるだけでこのような状態にはならないだろう。

 

 

こちらの子シカは、シカ??と思うほどである。

毛並みが悪いだけでなく、野生の子シカとは部位の形状が異なる。

奈良公園のシカは、遺伝的に奈良公園特有のものになっているのではないかと推測している。個々によって身体の特徴は異なるが、奈良公園と同県で生きる野生のシカと比べると、奈良公園のシカは頭(顔)や身体が小さく、脚の短い個体が多く見られる。

 

 

奈良公園ではない、山で産まれたすぐるちゃんの幼少期はこちら。

↓↓↓

↑↓の写真は、約生後一か月~一か月半頃のもの。

 

 

奈良公園のシカちの健康に関心持たれることなく、奈良公園のシカたちは、「美しい」写真の一部として消費されている現状だ。

わたしにはシカたちの苦痛の声が聞こえてくる写真だ。

 

奈良公園のシカたちのこれらの画像は、あきらかにシカたちからの「SOS」の叫びであり、シカたちの健康を重視した、環境改善プログラムが求められる。

 

しかし、奈良県知事は、奈良公園のシカの行動域を減少させる開発を行っている。

 

人間中心で動く、奈良公園のこのあり方を変えなければいけないと思う。そうでなければ、この先も奈良公園のシカたちは苦しみ続けるだろう。

 

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●鹿たちを保護してからしばらくブログを書いてきて、多くのことを学んできました。もちろん、これからも野生動物や自然環境、社会と動物の関係性について学んでいきたいと考えています。

 

人間活動が拡大していく中で、野生動物とのかかわりについてこらから特に課題となってくることから、わたしが鹿たちを保護・レスュキーしたことから経験し学んだことを、少しでも多くの方たちと共有をしたいと思っています。

 

そして、みなさんの意見を聞いたり、動物に関してのお話をしたりしたいと思っていますので、質問や意見などありましたらコメント欄やアメブロメッセージ欄、もしくは下記のお問い合わせフォームに気軽にメッセージを届けてくださるとうれしいです。

 

・お問い合わせフォームはこちら→https://ws.formzu.net/fgen/S41599574/

 

みなさん一緒に野生動物たちの現状や犬やその他の人間と関わる動物たちの課題について考えていきましょう!

 

WDI代表 岡田友子