ひんやりとした空気に包まれた静かな一日になった。

 

わたしの散歩中に、野生で暮らす鹿たちと出会った。

 

鹿たちは身体の動きを止めて(緊張している)わたしを見ていたので、わたしは鹿の友好的シグナルであるお辞儀をしたり、瞬きをしたりした。

 

そうすると、鹿たちがわたしから顔をそむけて友好的返事(これも「敵意はないですよ~」という友好的なシグナル・カーミングシグナル)をしてくれた。

 

野生で暮らす鹿たちとの交流を楽しんだ後、鹿たちが直面している現状を考えていた。

 

鹿たちは現在、人間により大虐殺の標的となっている。

 

山には、無数の罠が年間通ししかけられており、無数の動物たちが犠牲になっている。

 

罠とはいったいどのようなものなのだろうか?

 

罠は数種類ある。主にくくり罠という罠、箱罠という罠が現在採用されており、野生動物たちを苦しめている。

 

罠や罠の使用について書き出すと

 

1.         罠は無差別に生き物へ危害を加える凶器である

2.         罠にかかった生き物の身体を傷つける

3.         罠にかかった者へ恐怖と痛みという精神的苦痛を与え、絶望、飢え乾き、暑さ寒さを経験させる

4.         子ども・親・きょうだい・仲間・友だちとを切り離す

5.         罠にかかった者に死をもたらす

6.         生態系に大ダメージを与える

7.         社会に暴力・差別を蔓延させる

8.         人間の感覚を麻痺させる(良心・道徳心・共感力・想像力などの欠如)

 

などがある。

罠を仕掛けるというのは、「駆除」という発想があり、その発想の根源は種に対しての偏見や差別がある。

 

偏見や差別は特定の種を排除する社会を作りだし、社会は暴力の行使を「普通」とする。

 

そのため、他者への共感能力や想像力、思いやり、道徳、倫理観が希薄な社会(人)となる。

 

そうなると、社会は悪循環に陥り、誰もが生きやすく、生きたい社会とは正反対の社会となる(=苦痛が多い社会となる)。

 

罠とは、わたしたち人間が持つネガティブな側面の象徴で、それが、全国に無数に設置されている現状こそ問題提起しなくてはいけないことだと思っている。

 

罠を設置する理由に「獣害」や生態系の破壊などあげられているが、問題はそこではなく、野生動物の生息地を奪い続け縮小させているわたしたちの活動こそが、社会問題とされる大きな問題である。

 

野生動物の「捕殺」に「生態系の破壊」があげられることに対し、捕鯨で言われていたことを思い出した。捕鯨を続ける理由として生態系破壊を言われていたが、この説は破たんしていることが明らかになっている。

 

捕鯨は社会の問題を浮き彫りにしているが、鹿や猪などの「捕殺」もそうであり、自国の隠ぺい体質を問うていかなければいけないと思う。

 

我が家で保護している鹿ののぞみちゃん(♀推定4歳)は、違法なくくり罠にかかり、右前脚に大きく深い傷を負った。

 

のぞみちゃんをレスキューした時は、のぞみちゃんの脚はわずかな皮一枚で脚が繋がっている状態だった。

 

その時の写真を共有したい。

 

●骨が見える生々しい画像なので、見るのがつらいと感じた方はこの先に進まず、ここでブログを閉じてもらえたらと思います。よろしくお願いします。

 

 

 

 

脚を繋ぐ処置をしてもらったが、のぞみちゃんの脚の細胞の損傷が大きかったためか、皮膚や肉が腐り始めた。

 

脚を繋ぐ処理はしてもらったが、その後はわたしたちが脚の処置を行うしかなく、医療知識がまったくない状態で、医療知識ある友人の知識の助けをかり、脚の再生治療を試みた。

 

 

1日2回~3回の包帯交換に消毒などを行っていたが、包帯を変える際、傷がひどくなっていないか心配・緊張し、包帯を取る手が震える時もあった。

 

腐った皮膚や肉がすべてなくなり、新たに皮膚や肉が再生し始めた頃の様子。

 

さまざなま医療アイテムを購入し、再生を試みていた。

 

細胞は再生しようとしているので、このままうまくいくと思っていたが、この時わたしたちは重大な事実を知らずにいた。

 

肉も盛はじめ、皮膚も再生していたことから、本当に希望を持っていたのだが・・・。

 

皮膚や肉はここまで回復していたので、奇跡は起きると思っていたのだが・・・。

毎日、生きた心地がしない日々を過ごしながらのぞみちゃんを診察・治療してくれる獣医師をやっと見つけ、診察に来てもらった。

 

診察の結果、このまま再生治療を行うと決定したが、その後、のぞみちゃんの脚の骨が折れていることがわかった。

 

骨が再生できない状態のため、のぞみちゃんは大事な脚を失うことになった(断脚手術を受けた)。

 

断脚手術が済み、毎日、包帯交換の際、写真を撮り記録し続けた日が終わった・・・。

 

罠とは、個々の身体に再生不可能な傷をも負わせる。

 

個々の身体に傷を負わせるのは人間にとったら難しいことではないだろう。

 

しかし、負った傷を回復させるには、相当な身体的・精神的がんばりや知識、お金が必要である。

 

なにより、本人(のぞみちゃん)のがんばりが必要となる。のぞみちゃんは自分の回復のため、治療に協力し、がんばって治療を受け、葉っぱもたくさん食べていた。

 

生きようとしているのだ。

 

相手を傷つけるのは一瞬であっても、心と身体の傷の回復は長期的であり、のぞみちゃんの脚ように、回復しない時もある。

 

罠とは、個々に多大すぎる傷を負わせ、苦しめ、大事な個々動物の命を奪うものであることの意味を理解してほしい。

 

のぞみちゃんの名前は、望を捨てず、のぞみちゃんの望が叶うようにという思いから名付けた。

 

治療をがんばっていた頃の幼さ残るのぞみちゃん。

野生動物を適切に診察・治療してもらえない現状にも問題があり、野生動物保護の道のりは長いと思う。

 

 

「駆除」という発想ではなく、他の種を知り、理解をして「共生」の道を進むという人間の良い面を育てていこう。

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●鹿たちを保護してからしばらくブログを書いてきて、多くのことを学んできました。もちろん、これからも野生動物や自然環境、社会と動物の関係性について学んでいきたいと考えています。

 

人間活動が拡大していく中で、野生動物とのかかわりについてこらから特に課題となってくることから、わたしが鹿たちを保護・レスュキーしたことから経験し学んだことを、少しでも多くの方たちと共有をしたいと思っています。

 

そして、みなさんの意見を聞いたり、動物に関してのお話をしたりしたいと思っていますので、質問や意見などありましたらコメント欄やアメブロメッセージ欄、もしくは下記のお問い合わせフォームに気軽にメッセージを届けてくださるとうれしいです。

 

・お問い合わせフォームはこちら→https://ws.formzu.net/fgen/S41599574/

 

みなさん一緒に野生動物たちの現状や犬やその他の人間と関わる動物たちの課題について考えていきましょう!

 

WDI代表 岡田友子