昨日は昼間にいろいろと頑張り過ぎて夕方に充電が切れてしまったので、ブログをお休みした。

 

今日も少し風が吹き寒いのだが、鹿たちは庭で毛をポワポワさせながら(体温調節しながら)休んでいる。

 

鹿ののぞみちゃん(♀推定4歳)が夜になっても室内へ入ってこない日が続いていたので、気になっていたのだが、のぞみちゃんの考えがあり、外にいているのだろうと少し様子を見ていた。

 

しかし、あまりに寒い日の夜も遅くまで入ってこない日があったので、わたしはのぞみちゃんに声をかけに行った。

 

「のぞみちゃん、わたし今から寝るけどのぞみちゃんはどうする?」と。

 

すると、のぞみちゃんは家に入ろうとするわたしの後をついてきて「部家で寝る」と言った。

 

それからわたしは毎晩寝る前に庭にいるのぞみちゃんに「寝ませんか?」と声をかけに行っている。

 

声をかけると、のぞみちゃんはその後必ず室内へ入ってきて朝方まで過ごしている。

 

声をかけようか、かけないか悩んでいたが、悩んだ時は声をかけてみて後は本人(のぞみちゃん)に任せておくのがいいなと改めて思った。

「わたしはまだ部屋に入んないよ~」とのぞみちゃん。

 

ところで、ナショナルジオグラフィックに「残り400組、‶鳥の王″フィリピンワシの保護がコロナ過で急増」という記事があった。

 

読んでみると、野生化したブタやニワトリを捕まえるための罠に、国鳥のフィリピンワシがかかったそうだ。猟師の中にはこの鳥を夕食にしたいという者もいたそうだが、村の役人としてラタンの収穫を担当するジェリー・コティック氏がこの珍しい生きものは生かすべきと考えたそうだ。そして、部族の仲間と共に、猟師からフィリピンワシを買い取り、野生生物当局に引き渡す計画を立てた。

 

フィリピンワシはフィリピンで「鳥の王」と呼ばれ、国鳥であるが現存するつがいは400組以下だそうだ。

フィリピンワシは、頂点捕食者であり、森の健全性バロメーターであるという。1組あたりに必要な生息面積は70~130平方キロであり、体重は4,5~8キロ。両翼を広げると平均2メートルもあるそうだ。

 

個体数を激減させているフィリピンワシだが、COVID-19発生以降、経済が低迷し、食糧や違法取引の対象となっていたという。

 

しかし、保護動物に危害を加える懲役刑と高額な罰金が科せられることや(野生生物保護法)、国民の意識を高めるキャンペーンを行い、フィリピンワシが狩猟されることはなくなった。

 

ただ、山地には貧困の問題があることからフィリピンワシを金儲けのチャンスと見ている人もいるという。

 

その中、地元住民が森の番人として活動する訓練を行い、地元住民がフィリピンワシの保護に携わっている。

 

保護されたフィリピンワシはフィリピンワシ基金に引き渡し、ケアを受け回復した後、GPS発信機を装着され野生に戻されている。このワシはラジャ・カブングスアンと名付けられた。

 

 

森の番人として訓練を受けたレンジャーは「~ラジャ・カブングスアンを見守りたい」と語っており、「そして、いつかこのワシが家族を持ち、子育てする姿を見たい」と願っているそうだ。

 

このフィリピンワシの出来事から見えるのは、「自然環境教育・共存教育」の重要性と「貧困」の問題だ。

 

フィリピンでは意識を高めるキャンペーンが功を奏したことから、教育というのは非常に重要であることがわかる。

 

それに加え、野生動物の「捕獲」や「捕殺」から貧困の実態が明らかになり、問題提起できる。

 

野生動物をめぐる出来事は国などで過程や構造、程度などが異なるが、根本には貧困の問題があることが多い。

本邦では、希少野生動物であっても適切な保護活動(真に保護動物の立場に立った活動)を国上げて行われていないことがほとんどだ。

 

「害獣」とレッテルを張られたシカたちは大虐殺の対象で、その殺害には行政から懸賞金が出る。

 

この背景には、貧困の問題があるのだ。

 

格差がどんどん広がり生活に苦しい人たちが増え、その問題を野生動物にすり替えられている。

 

綿密には、社会問題の本質、政治の問題を野生動物の問題(獣害)にすり替えられ、意図的に社会問題化とされている。

 

わかりやすいのが、「敵を作る」ことが行われるのだ。

 

野生動物を「敵」とすることで、政治の問題から目を背けることができ、政治は誰も責任をとらなくてもよいという構造が仕上がる。

 

さらに、野生動物の「捕殺」で「報奨金」が支給されることから、政治はそれほど、人々に政治の問題に目を向けてほしくない、ということが伺える。

 

社会の人々の不満を野生動物に向けさせ、さらに金儲けができる構造を作っておくと、誰も文句を言ってこないだろう、それで満足するだろうという政治の考えが透けて見える。

 

社会に生きるわたしたちは、政治のそのような動きにしっかり目を向け、権力を監視しなければいけない。

 

そうでなければ、自分も家族も大事に思う者も、わたしたちの生息地も何もかも守れない。

 

フィリピンは地元住民と協力して保護体制を整えたが、このことがさらによりよい自然保護のあり方に向かっていく可能性があるだろう。

 

希少動物だけでなく、そうでない動物種をも守る取り組みも発展し、より自然環境を守って行く精神が社会に広がるかもしれない。

 

他の国の成功例を知り、環境とそこに棲む動物たちの話をいろんな人とできるといいなと思う。

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