犬のひよりちゃん(♀8歳)はお散歩で新地開拓をし、川に下りれる道を見つけ川に入り泳いでいた。ひよりちゃんは水深が深い川で水の流れが穏やかな場所では、(脚を動かさず)泳がずに浮いているだけということを楽しんでいる。毎日のお散歩が「楽しい~!!」というひよりちゃんの声が動作や表情などから聞こえてくる。

 

毎日、多くのシカやイノシシたちが殺されている現実に気が滅入りがちになっている。その中、北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの揚妻准教授の研究論文を読み、今後の野生動物とのかかわりによい変化をもたらす可能性を期待している。

 

揚妻氏らは捕殺圧が少ない(ほぼない)屋久島のシカたちの個体数の研究を2001年から2018年までの間行い、屋久島のシカの個体数が減少していることを明らかにした。

 

シカの個体数減少は環境収容力の働きの場合、個体数が急激に減少するそうだが、個体数の減少はその他に、時間をかけ少しずつ減少する場合もあるという。

 

ヤクシカでの調査では、2016年以降、起立不全となるシカの不審死が観察されるようになり、なんらかの自然要因によって死亡数が増加し、それが継続されていると考えられるということだ。

 

シカが起立不全となる原因は不明だが、自然環境がシカの個体数を調節している(=自然生態系)していると考えることができる。この自然の調節機能を活かせば、人間がシカの個体数を管理する必要はない。

 

シカは個体数を管理しないと増える一方だという前提から、全国的に駆除事業が行われているが、どのようなことからそう言われるようになったのだろうか?オオカミ不在説は客観的なデータはなく、他の国の調査でも、オオカミがシカの個体減少に影響を与えているとは言えないと書かれていた。

 

シカに関しては綿密な行動研究がほとんど行われてきていないことから、思い込みで語られ悪者にされてきたという可能性がある。

 

揚妻氏らの研究内容は非常に興味深く、説得力ある内容になっている。このようにきちんと研究された論文を読むのは気持ちがいい。

 

日本でシカに関して、綿密に研究している研究者が存在していることに気持ちが前向きになる。シカなどの研究は100年以上続けることで、やっと明らかになることがあるだろう。

揚妻氏たちが、今後もシカの研究を続けてくれることを期待している。

 

揚妻氏は【今後の期待】でこう語っている。

 

ニホンジカの個体数は自然調節されないという前提のもと,全国的に駆除によるシカ管理事業(個体数調整)が実施されています。しかし,シカ密度をどの程度に設定し,それによってどのような生態系にすれば本来の自然といえるか,科学的に決めることは困難です。そのため,シカ管理の目標は,ある意味,恣意的に決めざるを得ないのが現状です。一方で,シカが自然調節されているのであれば,そこに実現される生態系が自然状態と考えることができます。日本ではシカに関係する生態系管理の手法として,駆除による個体数調整が中心に据えられてきました。これに対し,アメリカの国立公園などでは,かなり前から人為的に生態系を管理するのではなく,自然生態系の調節機能を活かした管理手法(ナチュラル・レギュレーション)も適用されています。日本でも個々の個体群の特徴をよく

理解し,この管理方法を取り入れる必要があるでしょう。

 

自然生態系がシカの個体数を調節するので「捕獲=殺す」する必要はなく、現在行われていることは、生態系の破壊・個々動物の苦しみといった何重にも酷く、取返しのつかないことをしている。

 

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参考文献

「屋久島世界遺産地域でヤクシカが減少している!~従来の定説を覆す、生態系による制御の可能性を示唆~」北海道大学、PRESS RELEASE、(最終閲覧日:2021年12月16日)。

 

揚妻,直樹「シカの異常増加を考える」HOKKAIDO UNIVERSITY、(最終閲覧日:2021年12月16日)。

 

揚妻直樹・揚妻‐柳原芳美・杉浦秀樹 「捕獲圧のない地域におけるヤクシカ密度指標の18年間の増減:屋久島世界遺産地域・照葉樹林の事例」保全生態学研究J-STAGE Advance published date:April 20,2021、(最終閲覧日:2021年12月16日)。