風が少しあり、肌寒い日になったが、犬たちは元気よく散歩にでかけ、帰宅すると「楽しかった~満足!」と休んでいた。

 

田舎の日曜日の朝は、通勤がないため車通りが少なく平日に比べよりゆったりと散歩ができる。

 

鹿たちは今日も落ち着いた時間をすごしていた。驚くことや恐怖を感じることのない日は穏やかでホッとする。

 

ナショナルジオグラフィックに「野生動物の通路をつくる:バンフ」という記事があった。

 

現在、中国やアメリカなど世界各国で動物専用の通路が注目を集め建設が行われている。

 

バンフはバンフ国立公園内に存在するカナダのアルバーター州に属している町で、カナディアン・ロッキー山脈の観光地の中心地になっている。

 

バンフ公園には、アニマル・オーバー・パス(動物だけが渡れる動物専用の橋)が6カ所設置されているという。その他に、アニマル・アンダー・パス(ハイウェイの下を通る動物専用地下道)の設置も行われている。パスを一カ所あたり、日本円で約1億数千万円が投じられているという。

アニマル・オーバー・パスは、バンフ国立公園内に6カ所設置されている ©Paul Zizka

バンフ公園内のアニマル・オーバー・パス↑↑↑

●画像出典 ナショナルジオグラフィック

 

アニマル・オーバー・バスを設置する前は、ハイウェイ沿いにフェンスを82キロ設置したそうだが、野生動物の生息地の偏りと生態系のバランスが崩れるという問題が浮上しため、動物専用の通路を作ることにしたそうだ。

 

このことにより、警戒心の強いクマやオオカミなどの移動を可能にした。

・クマはアニマル・オーバー・パスを利用し始めたのは、橋の設置3ジーズン目だそうだ。

 

動物専用道路を設置したことで、野生動物と車の衝突事故は80%減少したという。

 

国立公園や国などには、「線」(境界・国境)があるが、野生動物や植物にはその線は関係ないことなので、野生動物たちが大地を移動できるように、移動ルートが分断されても、生息地の間を移動できる通路を確保しようと、「ワイルド・コリドー(緑の回路」を守る取り組みが行われている。

 

この試みは、国をまたぎ、大陸レベルで広がっているという。

 

このような取り組みは、野生動物の生息地を守り、生物多様性も守る。その結果、観光地としての価値を上げる事に成功している。

 

自然環境や野生動物を考えた試みは、自然環境にも野生動物にも人間社会にも良い影響を与えて、共存するということの他に変えられない価値を示してくれている。

 

日本では野生動物を殺して「感謝して食べる」ことを「共生」と言われている。その現実に野生動物や自然環境を保護する国々との認識の違いにおどろくばかりだ。わたしたちの社会で行っていること(社会が一体となり行う「害獣駆除」やジビエ促進など)は世界から何周もの遅れを取っていることだ(泣)。

 

わたしたちにとっても非常に重要な自然環境と野生動物保護に政府の関心がないということがよくわかる。

 

バンフでは、市民が自然環境や野生動物保護に関して関心が高く、野生動物に出合うことも楽しみのひとつとしている。

 

野生動物たちがアニマル・オーバー・パスを利用するかしないかに市民の注目が集まり、橋を設置し3シーズン目にようやくクマが橋を渡ったことが確認されると、バンフの新聞はこの出来事を一面トップで紹介したという。

 

日本では環境教育がほとんど行われていないので、ここに住んでいる人たちの環境意識や野生動物への認識や保護意識が低いことも今の日本の現状を作り出しているひとつの原因だと思う。

 

環境教育先進国のような教育を受けることができれば、わたしたちの暮らしも野生動物たちの暮らしももっと豊で快適なものになるだろう。

 

日本にも、動物のための本格的な動物専用通路を確保してほしいです。

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