とても冷たい日になったが、鹿たちは庭でほとんどの時間をすごしている。犬たちはもっぱらぬくぬく室内でスヤスヤ☆彡

 

わたしは野生動物たちがおかれている現状に強い危機と悲しさを感じ、焦りと絶望感が入り混じった落ち着かない日をすごしている。

 

今日は、野生動物の「駆除依頼」をしたというある施設見学に行ってきた。この「駆除依頼」で3頭の鹿が猟友会(うち一人市役所職員)によって撃ち殺された。

 

市役所はこの施設について「適切な防除柵をしているが一部できていない所がある」=防除柵はできていないと支離滅裂なことを言っていたので、どのような柵なのか気になったのだ。

 

行って見て驚いた。柵というにはあまりにも粗雑なものに啞然とした。

 

その柵らしきものはこちら

 

 

これは、どの野生生物にとっても危険な物であり、どの野生生物の侵入を防ぐには効果がないことは明らかだ。

 

これは柵とは言わない。柵とは効果あるもののことを言う。

 

以前から気になってのだが、「柵をしているのに被害に合う」「だから殺す」ということ。これは、先ほど書いたように支離滅裂なことだ。柵をしているのであれば被害はない、もしくは大幅に減少しているはずだ。あたかも、わたしたちが最善を尽くしたが損失を回避できないとアピールしているように見える。そして、もう殺す方法しかないのだという安易な結論に意図的に持っていっているのではなかろうかと思わざるを得ない。

 

わたしたちはすべきことをすべきだ。効果ある柵の設置はもちろん、急ぎ行うことは山の生態系の回復だ。人工林の山を雑木林にし、野生動物たちの生息地を増やしていくことが最も必要で行うべきことだ。わたしたちがすべきことは野生動物殺しではない。

 

ネパールなどでは、ユキヒョウの問題があるが、今日調べてみると解決策が示されていた。

 

ユキヒョウが家畜を殺してしまうのだが、夜は家畜を捕食者に強い囲いに入れ、被害がないようにしている。典型的な囲い(木の枝なので囲う)は、ユキヒョウが簡単に入ることができ、効果がなく家畜たちが大パニックになっていたそうだ。

 

捕食者に強い囲いはこちら

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ネパール出身のアニル・アディカリさんは、生物多様性と持続可能な生活に関する教科書を執筆しており、子どもたちに人間と野生動物の共存について話をしているそうだ。

 

アディカリさんは、「ユキヒョウのような捕食者に対する否定的な態度や行動は、意識や教育の欠如によっても影響を受けます」と語っており、保護教育を通じ、人びとの意識が変わってきているという。「人びとはこの壮大な猫の重要性を学び始め、調和と尊敬の念を持って生きています」ということだ。

 

そして、もうひとつ重要なことは、「暮らしの多様化」であり、家畜に依存した生活ではなく、観光や手工芸品などの他に注目をし、牧畜を超えた収入をもたらす手段を提供しているという。環境に配慮し、持続可能な作物の栽培など取引が可能なものでの収入源を検討し、人びとの生活の安定とユキヒョウとの衝突回避するのに役立っている。

 

問題があっても殺さず、人間がすべきことをきちんと行われているところがすばらしい。手間がかかってでも、効果ある囲いを作り家畜を守り、さらに他の収入源をも考え人々の暮らしを豊かにしている。

 

健全な地球生態系を維持・守るには鹿や猪、熊や他のすべての生き物たちの存在が不可欠であり、それぞれの種の個々が、生態系の維持に貢献をしてくれているのだ(個体数が多いと見られる種が生態系を破壊しているという言説には異が唱えられている)。

 

その大事で貴重な存在をわたしたちは殺すことなく大切に扱い関わっていかなければいけない。

 

わたしたちは、他の種の個々の生きている存在によって生かされているのだ。

 

サイトにすてきな絵があったので説明とともに張り付けておきますね。↓↓↓

アーティストのレスリー・グエンはオリジナルの2つの異なるパラダイムを描いています。写真は上部に「調和の谷」、下部に「紛争の谷」を示しています。

一番上にあるのは「ハーモニーの谷」で、コミュニティは家畜をしっかりと守り、ユキヒョウやその他の野生生物を保護し、貴重な家計収入を生み出しています。ユキヒョウ保護区では、猫の生息地にある学校やコミュニティの画像の大きなポスターバージョンを使用して、地元の人々を保護の計画と行動に参加させています。

下の画像は「紛争の谷」を表しています。コミュニティは、生態系におけるユキヒョウの役割を理解し、家畜の飼育を改善し、環境と調和して生活することで利益を得るのに役立つ必要があります。

 

多様な生計を備えた回復力のある山岳コミュニティの構築

 

本来の目的である「農作物を守る」ことから逸脱せず、わたしたちも、野生動物たちの習性を知り、存在を受け入れ、平和共存を目指そう!

 

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参考文献

Predator-Proof Corrals and Homestays SNOW LEOPARD CONSERVANCY、(最終閲覧日:2021年11月23日)。