2018年の今日、6月2日は鹿ののぞみちゃんと出会った日だ。

 

犬たちの散歩コースでのぞみちゃんは違法のくくり罠にかかり、草むらで身をひそめていた。

 

保護犬や猫たちと出会った日(迎えた日など)を誕生日としている人が多いが、今日をのぞみちゃんの誕生日とするのは気が進まないので、のぞみちゃんの誕生日は深く傷ついた脚の断脚手術を受けた日にしようかと思っている。苦痛から解放され、少し楽になったその日がいいかなと思ったので。

 

今日はのぞみちゃんと出会った日のことを書こうと思ったが、のぞみちゃんの話は明日にして、この数日の野生動物の報道があまりにもひどいので、そのことを書こうと思う。

 

昨日、テレ朝News「半年で被害4000件…小田原“凶暴猿”全頭駆除へ」という報道を見た。

 

その報道が、非常にひどかったので、この国の健康を大変危惧している。

 

いつものように、取材班がサルを撮影していて、その人間の行為にサルが緊張し警戒をしている。それでも人間はサルの側から離れないので、サルが威嚇をしている場面もあった。

 

何度もブログで書いているが、野生動物や他の動物の比較的近い場所から動物を「ジッー」と見たり、突っ立ていたりすることはやめていただきたい。これは動物を怖がらせ、動物が人間に威嚇をしてくることになる。動物たちは人間に「あっちに行ってほしい」「それ以上近寄らないで」と言っているシグナルをきちんと出している。われわれはその時点で離れるべきであり、関わるのをやめるべきだ。

 

人間の行動で動物たちが恐怖を感じ怖がり、威嚇をすると、この報道で言われているように「襲ってきた」とか「凶暴」だとか言われるのだ。なんと矛盾していることかと思う。

 

報道の中で、サルを追い払うために人間が棒を使いサルをおどかすという場面があったが、その認識は、動物との関わりでは不適切な接し方だ。人間同士でそのようなことをするだろうか?もし、したりされたりしたらどう感じるだろうか?

 

人間と非常に近い距離で生活をしている動物たちは、人間との関わりを学んでいる。その人間が積極的に攻撃してくる種であれば、他の種はその経験から今後生きる為の行動を身につける。

そのため、人間に危害を加えられる前に威嚇をしてくることもある。なので、動物に対しての接し方について、わたしたちは危害を加えないように十分に気をつける必要がある。

 

そして、報道に農家の声があった。サルに農作物を食べられた精神的苦痛が言われていたが、これは、政府が被害額を補償すれば受けずにすんだ心のキズだ(補償している自治体もある)。

 

中国や韓国、カナダ、インドなど野生動物による農作物の被害を政府が補償している。まだ完全にプログラムが機能していない国もあるが、政府は農家の生活の保障を考えていることがわかる。

 

参考文献

「泗川市(サチョンシ)、野生動物による被害補償」亜洲経済、(最終閲覧日:2021年6月27日)。http://m.jp.ajunews.com/view/20141208223304252

「Program Information for the Wildlife Damage Compensation Program 2021」AFSC、(最終閲覧日:2021年6月27日)。https://afsc.ca/booklet/program-information-for-the-wildlife-damage-compensation-program-2021/

「Wildlife Damage Compensation Program」New Nouveau Brunswlck CANADA、(最終閲覧日:2021年6月27日)。https://www2.gnb.ca/content/gnb/en/services/services_renderer.201341.Wildlife_Damage_Compensation_Program.html

 

政府は市民のためにお金を使うべきだとこころから思う。心のキズの原因は政府であり、動物たちではない(NOSAIというのがあるそうだが、加入資格や対象作目、農家の負担がなどがあるので「んん?」と思う)。

 

最近の報道を見ていると、「対策が追いつかない」とか「もうできることはない」とか言い、「殺す」とこしか方法がないという結論のものが多。実際、適切な対策がおこなわれていないことがほとんどだ。殺すことは世界の流れを見ていると、世界の流れに逆行していることがよくわかる。この社会は自然環境やそこに生きる者たちへ目が向けられず、関心が極めて薄いのでそこからの話になる。

 

自然環境とそこに生きる者とその中にいる人間とのつながりを学んでいかなければいけない。

 

海外を調べていると、野生動物を積極的に保護している。それは国を通して行われているところが多々ある。野生動物たちに友好的であり、やさしいのだ。野生動物との間に問題が生じたとしても、現在は「駆除」以外の方法を考えている。「殺す」ことへの批判が非常に大きい。

 

わたしたちの社会のように野生動物に対してこれほど敵対意識を持ったり、殺さない解決策を考えない社会は他にないのではないかと思う。

 

わたしたちの社会は、近所でシカの姿を見たらすぐに通報し、猟友会が動き、それを「速報」として報道される社会なのだ。どれほどおかしいことかがわかる。海外ではほぼないことだろう。なぜなら、野生動物がいて当たり前だからだ。庭にエルクがいても多くの人がニンマリして見守っている。クマがいてもすぐに「殺す」「駆除」にはならない。なぜなら、クマが森に戻るとそれで問題はないからだ。なので、人びとはクマを刺激することなくクマ自身が森に戻るのを見守っているのだ。

 

日本にはいまだに相互監視システムが強烈に働いている。こわい社会だと思う。

 

報道で、猟友会メンバーはサルが「人間をなめている」と言っていたが、これは犬たちにもたびたび言われているのを聞く。しかし、サルやイヌは本当にそのようなことを思っているのだろうか?わたしたちは人間同士でも相手の全てを知ることはできない。他の種になると、さらに知るのは難しくなるし、わからないことがある。人間は動物で他の種と連続しているが、人間は脳が大きく発達した部位があるため、より複雑な思考や感情などを持ち、人間特有のものがある。

 

サルの行動を人間が勝手に決めつけて、反感を煽っていることが非常によくない。

 

わたしたちの社会は野生動物や他の動物たちへの関心が薄いため、知識が事実に追いついていない。

 

なので、わたしたちは、いろんなことにもっと関心を持つべきだと思う。でないと、知識も技術も発展しないだとうと思う。

 

マスメディアの報道は政府の方針(「駆除」一色)を積極的に広めているが、それが今後、どのように働くかを考えると非常にこわい。偏見や差別、排除、殺すことを助長する報道をしているのだから・・・。

 

現状に気分は落ち込むが、前向いて行こう・・・。

 

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