静かな雨がしとしとと降り続いている。こんな日はみんな(犬鹿たち)とても落ち着いて静かな時間を過ごしている。

 

今朝、ニュースを見ると、北海道の札幌市に迷い込んだクマの報道が複数目に止まった。

 

北海道ニュースUHBの記事に動画がアップされていた。それを見たわたしは大変な衝撃を受けた(追い立てられるクマの姿が映されているので動画閲覧は要注意です)。

 

動画に映し出されていたのは、人間がクマ(や他の動物)に対して絶対にやってはいけないことのオンパレードだった。

 

まず、車やヘリなどでクマを追跡することは、絶対にやってはいけないことだ。なぜなら、市街地に迷い込んだクマ(やその他の野生動物)は、そのこと自体に大変動揺をしている。その状況下で、他の種(人間)に追い立てられ、追い込まれることはクマを非常に大きなパニックに陥らせてしまう。このようなことから、クマは予想不可能な行動をする場合もあるし、より街の方へ走り出すこともある。

 

なので、クマの姿を見かけても、わたしたちは車両で追跡したり、大きな声や音を出したり、追いつめることや物を投げること、大きな動き、早い動きをしないようにしよう!!

 

ひと言で言えば、「クマをほっとく」(=騒ぎ立てずにクマが山に戻るまで見守る)ことがわたしたちにできる最善の対処法だ。

 

クマと出会ったらまずは自分が落ち着いていられる練習をしよう(たとえばシュミュレーションをしてリアルに想像するなど)。

 

クマがなかなか山の方へ行かない場合やより街の方へ移動している場合などは、麻酔薬でクマを眠らせ、山へ返すのがよい。費用や手間がかかっても前例がなくてもこれは行うべきことであり、これは、アメリカなどでも行われている。パニックになり、興奮しているクマに対しても殺すことなく麻酔で眠らせ山へ返している。

 

クマが街から移動するまでの間、住民には室内で待機することや、クマを見かけても騒がないこと、ほっておくことなどをアナウンスし、住民がクマと接触しないようにする。

 

現在、野生動物に関しては猟友会や警察に連絡をすることになっているが、そもそもそれが誤りであるので、そこから改善していけるといいなと思う。

 

わたしたちは猟友会に連絡するのではなく、猟友会が行う別の方法、他の新たなよい方法をどんどん実践していくべきであると思う。科学的、倫理的な挑戦は結果としてわたしたち人間に有効に働く。

 

クマを恐怖に陥らせ、パニックにさせる人間の行動がなければ、人間がケガをすることも回避できるだろう。

 

今回の報道をいくつか見ていると、その内容がかなり偏っていた。

 

クマを悪く言う内容は多くあり、専門家が言う、「わたしたちにとって大事なこと(クマと接触しないための対応)」を主に記事に書くことなく、クマに対する恐怖心などを煽る内容が多かった。

 

報道の偏りの酷さにおどろくばかりだが、専門家の意見も差別的、人間中心的なものがありおどろいていた。

 

このようなことから、日本には「公平さ」が非常に欠けていると強く思った。

 

今回、殺害されたクマは大パニックになっていたにも関わらず、人間に致命的なケガを負わせていない。ということは、クマは人間を襲いたくて襲っているのではなく、逃げ場がなくパニックからの出来事であり、クマは力や接触の仕方を加減していると考える。

 

クマはただ、今まで生活していた場所に帰りたいだけなのだ。

 

HTB北海道ニュースで北海道大学・獣医学研究員・下鶴倫人准教授はこう語っている。

「クマは人を獲物として見ていないので、積極的に人を見つけて襲ってくるということはまずありません」。

「逃げたくてもどこへ行っていいかわからないというパニック状態の中、目の前にいる人を攻撃してしまった」。

 

下鶴倫人准教授が語るこの内容はその通りで、クマは人間に車やヘリなどで追い立てられ大パニックになっている。パニックになりながらも、動画を見ればわかるが、むやみやたらな攻撃ではなく逃げることを選択している。

 

STVNEWSでは、酪農学園大学・佐藤喜和教授の意見が記事に書かれていた。

「市街地に出てきたクマと共生する必要はない。人の生活圏は人が安心して暮らせる場所。人とクマを分けて考える。人のエリアにクマが入らないように対策。それでも入ってきたら、速やかに駆除」。ということだ。

 

このような内容を語られるのはとても残念なことだと思った。

 

まず、なぜ、人間は他の種と共生する必要がないと言えるのだろうか?我々が生き延びるにも他種との共存・共生が不可欠にもかかわらず・・・・。それが市街地に出てきたクマであれ、そのクマとは共生しないというのはあまりにも身勝手なことではないだろうか。

 

人間の生活圏に来た野生動物たちは、わたしたちの生活を脅かそうなどとはまったく思っていない。言い換えれば、わたしたちが勝手に脅かされると思っているだけだ。繰り返しになるが、わたしたちが適切な対応をすれば人間もクマも傷つくことからは回避できる。 

 

人間の生活圏にクマが入って来るのを許さないのであれば、我々人間はクマやその他の野生動物が多く暮らす森林・山などに入ることは許されない。

 

「排除」や「駆除」が歴史的に見てもどれほど残酷で悲惨な出来事を生みだしてきたかはわかる。そのようなことのどこがどう正しいと言えるのだろうか。

 

公平さがないと非常に偏った思考にのまれてしまうので気を付けたい。

 

クマのニュースを検索していると、このようなニュースがあった。札幌市の市街地に3頭のシカがあらあれたようで、市民は「クマよりは少しいい」と言っていた。市は人間に危険がなければ山に戻るまで見守る方針だそうだ。

 

これは、人間に他の動物種が危害を加える加えない以前に、偏見や差別意識の影響が大きいのではないだろうか?

 

クマもわたしたちが適切な対応をしていれば、人間に積極的に接触することはない。そこにクマもシカも種の違いは関係がない。

 

「山に戻るまで見守る」方針は、種を問わず、すべての生き物たちにすべき最低限のことであり、それを実践できるように対処や対応など住民への周知が必要だと強く思う。

 

わたしたちは人間社会だけを見て生きるのではなく、すぐ側にいる隣人たちもわたしたちと同じように生活していることを知り、理解をして受け入れなくてはいけない。

 

野生動物が人間に危害があるということから野生動物を殺すのであれば、わたしたち人間はどうなるのだろうか?野生動物たちに多大な危害を与え続けているわれわれが行っているその危害だけ免除されるのはおかしな話ではなかろうか。

 

野生動物とのかかわりを検索していると、日本では他の種に対し異様に過剰反応していることがわかる。これは、歴史的背景や社会のあり方などから現在このようになっていると思うが、双方の健全な関係性を構築していくために、なんとかこの悪循環を少しでも改善できればと思う・・・。

 

被害を受けるのはわたしたち人間ではなく、実際に破壊的な被害を受けているのは、クマやその他の野生動物たちなのだ。そこを間違えないでおきたい。わたしたちは野生動物たちや自然環境に対し、被害者ではなく加害者なのだ。

 

 

 

専門家と言われる方たちが、公平で適切で本質的な内容を発信してくださることを切に願っています。そして、報道機関はその発信を捻じ曲げることなく公平な報道をしてほしいと思っています。

 

クマやその他の大型野生動物たちが市街地にあらわれることについて、「なぜ」と本質的なことも考えいただきたいです。野生動物たちの生息地の破壊が大きく関係しているのは確かなので、そのことを問題提起して多くの人たちが協力をし、わたしたちも住むこの場所の生息環境を本気で守っていけるといいなと思います。

 

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