今日は犬のひよりちゃん(♀7歳・以下ひーちゃん)の診察日でした。

顎下喉付近の腫れはずいぶん小さくなっていますが、あと少しの腫れが残っているので、その部分の細胞検査を来年すぐにすることになりました。

 

細胞検査の結果がよくないものではなく、腫れがすっきり治るといいなと思います。

 

ここ最近の本人は体調がよさそうで、ご機嫌さんにすごしています。

 

 

そして今日は鹿のすぐるちゃん(♂3歳)がキッチンのカウンターで角を激しくぶつけて角の先から出血してしまいました。痛々しいです。

 

出血が数分で止まらないなら、出血部分にガーゼをのせて止血しようと思いましたが、痛さに敏感なので、痛く感じる部分に「触ってほしくない」と言うかもしれないと思いながら様子をみていました。

 

以前、すぐるちゃんが蹄をケガしたとき、その部分をほんの少し触ると「痛い!触らないで」と言って(脚を動かす、立ち去るなど)いたので今回もそうかもしれないと。

 

今日のケガは幸い数分で血が止まったので、わたしは傷に触れないことにしました。

 

すぐるちゃんは、去勢手術を行っているので、そうでない♂たちとは違い角が形成し続けています。未去勢の♂は通常、テストステロンの上昇がおさまり、いっきに低下する春に角が自然に落ちます。しかし、すぐるちゃんの場合、去勢をしていますが、テストステロンは少量放出しているので角が作られています。2018年に去勢をしてから袋角のままです。おそらく、少量のホルモンが大きな変化なく一定に近い状態で放出されているのではないかと思います。

 

袋角の状態の角を切ることについて、その経験がある動物園の獣医師などにも聞いてみましたが、すぐるちゃんの身体を押さえつけてのこぎりなどを使い切る、という話だったので、獣医師に鎮静剤を打ってほしいとお願いをしました。そして、袋角の状態で切るのは痛さがあると話をしてみましたが、返答は痛くはないということでした・・・。

 

しかし、袋角という状態はその内側に血管があり、その角はあたたかいです。血管があるということは痛さを感じるということです。

 

海外の獣医師、獣医学と野生動物、生態毒性を学び、いろんな種類の鹿をみてきたJudit Smits教授は、角の成長期はどんな接触にも非常に敏感であり、人道的知見から麻酔が必要と言っています。切断する部分には局部麻酔をし、切断後は止血剤を使い止血するということです。そして、角を切断した後、周りに角を持った♂がいる場合、切断した鹿は社会的地位の喪失から大きな苦しみが生じますと言っています。

 

処置を行う個人の苦痛を今出来る可能な技術で取り除き、その後の生活も調査し考えられていることが本当にすばらしいと感じます。

 

日本では動物福祉も正しく浸透していないので、動物個人に対し人道的診察、処置などほとんど行われていないということを知っていましたが、海外の認識とのあまりの違いにショックが大きいです・・・。やはり、こういうこともひとつに人権意識の違いから生じているのだと思います。

 

 

鹿の角を切るとき、身動きができないよう押さえつけること自体が本人に苦痛を与える行為なので、乱暴なことは行わずに麻酔か鎮静剤をしてから切断するのがベストで処置もスムーズに行えると思います。使用する薬の種類や量など生命に危険がないことをきちんと知った上で行うことが前提ですが。

 

鹿の角を切ることからも、わたしたちの社会はまだまだ未発達な分野が数多くあるなと思いました。

 

これから発展してほしいと強く思います。

 

 

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