奈良公園内で暮らしている鹿が死亡し、その鹿の胃の中を調べるとビニール袋などが見つかっています。胃に食べ物ではないビニールなどが入ると、当然、鹿は体調を壊します。葉っぱを食べることができなくなったり、食べた物がきちんと消化しなかったりなどから鹿はどんどん体力とともに免疫も落ちていくことでしょう。そして、胃の中に異物あることで痛みや体内の炎症など出てくることと思います。その他に、お腹の張り感、違和感などさまざまな症状があると思います。お腹の中にビニールが溜りさぞかし苦しかったことだろう・・・と思います。

 

鹿がビニールを食べて死なないようにと、ビニール袋の代替に「食べられる」袋が開発されました。最初にこの報道を知ったとき、報道内容に大変おどろきました。その袋は「鹿紙」と言われています。鹿紙の原材料は米ぬかと牛乳パックの再生パルプで、インクは大豆インクを使用とのことです。

 

ビニールを食べて死亡する鹿を減らしたいということから鹿紙の開発が進められたようですが、そのような理由であれば、なぜ、この発想になるのか?と・・・。

 

鹿紙に米ぬかを配合したのは、「鹿が鹿紙を食べておいしいと思ってくれるといい」との内容が書かれた記事がありましたが、とんでもないことと思いました。一見、鹿を思って米ぬかを配合しかたのように聞こえますが、実際は鹿にとってよいことではありません。米ぬかを配合したのは「鹿が紙袋を食べる」ということを前提として作られているのがわかりますし、もし、鹿が鹿紙を「おいしい」と思い食べるなら、鹿紙を食べようとしますよね。人間が鹿紙を持っていると、それを食べようと鹿が人によっていくこともあるのではないでしょうか。

 

鹿が紙袋を食べることを前提としていること=鹿たちが食料に困っている、ということを把握しているのではないかと思いますが、どうなのでしょうか。把握していなくても、鹿が本来の食べ物ではない物を食べるということは、奈良公園内で危機的な食料不足が発生しているのはわかりますよね。他に、鹿が食べ物ではない物を食べるのは奈良公園という人や車などが多く、騒音や人とのかかわりなどからのストレス行動の場合もあります。空腹とそれ以外からのストレスなど関係し、鹿たちがビニールを口に入れているのは明らかで、鹿たちはつらい状況下にいます。

 

鹿がビニール袋を食べないよいにするには、奈良公園に訪れる人々に「ビニールやプラスチックのゴミなど捨てないでください」と呼びかけるのはもちろん大事ですが、最も必要なのは、鹿たちが食べ物に困らない環境に整えてあげることです。そして、鹿たちが過度なストレスを抱え込まないでよい快適な環境作りに尽力すべきで、これらを真っ先に行うべきことなのですが、実際行われたのは、鹿紙の製作です。なぜ、根本的な解決策ではなく、鹿にとってよいとは言えないことが行われるのでしょうか。

 

ビニールを食べて死亡する鹿をなくす、ということだけを考えると、直接的な死亡原因であるビニール製品をなくすのはわかります。しかし、奈良公園内で使用する袋を鹿紙にしても、ビニール袋は他から奈良公園内に持ち込まれます。繰り返しになりますが、公園内にゴミを捨てないでください、という呼びかけとともに、根本的な原因である食糧難の改善をし、鹿たちが食べ物に困らない環境にしないといけません。もし、「ビニールを食べても死ななければいいだろう」とか「少しぐらい食べても大丈夫だろう」などの考えがあるなら、それは鹿たちのこと考えている、大事に思っている、しているとは言えないです。

 

このように考えてくと、奈良公園の鹿の存在とは?ということに繋がっていきますが、今日は鹿紙についてだけ書くことにして、明日は「『鹿紙』について(2)」を書こうと考えています。

 

鹿に紙袋をわざわざ食べさせる(食べさせようとする)という発想は、奈良公園で暮らす鹿たちの存在(奈良公園の鹿たちに対してわたしたちがどう捉えているか)そのもののあらわれではないかと思います。

 

 

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今日の記事内容と別の話になりますが、少しうれしい報道を見たので書いておこうと思いました。

 

「【シカゴ時事】米ファーストフード大手マクドナルドは9日、植物由来の自社製品『代替肉』を使ったハンバーガーを来年、一部の地域で試験販売する方針を示した」。

 

マクドナルドはすでにカナダで米ビヨンド・ミート生の代替肉を使ったハンバーガーの試験販売を行っているそうです。

 

地球温暖化の最な原因である畜産。マクドナルドが植物由来を取り入れることによかったと思う反面、温暖化を抑えるには動物性食品を大幅に減らさなければいけないのが現実なので、動物性商品がたくさんある内の一部に植物性商品を取り入れるだけでは・・・と思うところもあります。

 

 

 

動物たちを搾取することない社会、世界に。

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