2020年10月24日の愛知新聞ONLINEに「伊予市『鹿牧場』のシカ譲渡先募集

愛媛県伊予市はこのほど、市観光施設「鹿牧場」(同市中山町中山)の長期的な運営に見通しが立たないとして、シカ約40頭の譲渡先を募集している。飼育を希望する団体や法人が対象。すべてのシカの譲渡が終わり次第、牧場は閉鎖する方針」。と書かれていました。

 

無責任さに大変おどろきました。ひどいです。

 

行政が、異なる種の個々を見世物として都合よく利用し、長期的な運営に見通しが立たないと手放すのです。

 

伊予市の鹿牧場の決定にたいして、「貰い手を探してくれるのはよかった」と思われることもありますが、本来は貰い手を探さないでよいように事前に運営などよく考え進めるべきことですし、異なる動物種の個々を人間の飼育下にしたのであれば、行政は責任を持ち動物福祉に沿って終生飼育すべきことなのです。

 

伊予市の鹿牧場の検索をすると、毛なみがよくない鹿たちの姿がありました。伊予市の鹿牧場の鹿たちが日ごろどのような食事をし、どのような環境で暮らしているのかは検索で詳しく知ることはできませんでしたが、限られたスペースで大人数で暮らすということは、かなりのストレスがかかる暮らしだと思います。

 

伊予市の鹿牧場だけではないですが、特に行政が生体利用をすることに問題があると思います(生体利用自体問題です)。本来、行政はわたしたちにすでに飼育されている動物やこれからともに暮らす動物たちの動物福祉を充実させ適切に飼育する・接する指導を行う立場です。

 

ほかの動物種を見世物にするのは、個々の動物たちをモノとして扱うことをよしとるすことで、動物福祉の観点からも不適切なことです。

 

伊予市の鹿牧場はどのような運びで運営することになったのかわかりませんが、他の生体利用を行っている行政では「生体の数を増やし、人(客)をよべ」という発想があるようですが、職員の方で生き物を見世物として扱うことに反対していらっしゃる方もいます。

 

伊予市の鹿牧場は譲渡が終わり次第、牧場は閉鎖する方針のようですが、伊予市は今の状況から今後の人間とほかの動物種とのよい関係作りを発信する施設にしてほしいなと思いました。

 

たとえば、運営の見通しがたたないが市は責任を持ち、終生飼育する。飼育予算は捻出し、飼育方法は動物福祉を充実させ、人間の飼育下というさらなる犠牲を生みださないためにも全頭に不妊去勢を行ことを進めながら、ほかの動物種と人間との関係について見なおし考えていける施設にもできるのではないかと思うのです。

 

不妊去勢手術の話になりますが、手術中、気道は必ず確保し、麻酔から覚めた後、容態の変化がないかきちんと確認をし、変化があればすぐに適切な処置を行うことで麻酔による事故は防げるのではないかと思います。♀の場合、お腹を数十センチ切って行う不妊手術は手術後のリスクが少ないとは言えないので、卵巣を内視鏡で取り出す手術の方がいいかもしれないと思います。お腹を大きく切る手術でもその後のケアの体制が十分に整っているなら大丈夫だとは思いますが。

 

アメリカでは山で棲んでいる鹿の個体数調節のために卵巣を取り出す不妊手術が行われており、お腹を切るのは2か所でその傷もほんのわずかです。手術後、麻酔から覚め生命に危険がないことを確認した後、山に返していることから、内視鏡による不妊手術はその後の安全性(山で暮らしていても傷が開いたり化膿しにくいなど)もあるのだと思います。今、よい抗生物質や痛み止めもあるので内視鏡手術による傷が悪化する、ということは少ないだろうと。

 

本当なら卵巣と子宮、両方摘出できるのがベストですが、それを行うことにより他のリスクが高くなるのであれば、卵巣だけの摘出、というのも選択肢のひとつにあってもいいのかなと考えています。

 

行政には異なる動物種を見世物にして利用するのではなく、ほかの動物種をモノとしない、わたしたちとほかの生きものたちは同じ生きものである、という教育を行ってほしいです。そう本気で進めていくことが今起きている問題や今後の問題発生の減少につながるのではないかと思います。

 

 

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