中国新聞に「クマ出没対策 柿の木を伐採 砺波の3地区」という記事があり、クマに住民が襲われないよう、不耕作地などで管理されていない柿約三十本を切ったと書かれていました。

 

どうしてこのようなことだけが行われるか本当に疑問です。

 

柿の木を切ることで、その場所にクマがこなくなるということにつながりますが、根本的な解決方法ではない、目の前だけしか見ていない安易な考えであると思います。これを対策と言っていいの?と思います・・・。目の前の問題とされていることの改善や解決は必要ですが、その問題の根底が他から生じているなら、その根底を含め同時に対策を進めていくべきではないでしょうか。

 

このことはクマだけでなくシカたちにも言えることで、シカが田畑の近くに来ないようにと草を地面すれすれまで刈り、ツルツルっぽくなっているのをよく見たり、そうしていると聞いたりします。

 

食糧がないのでれば、動物は探しに歩き移動します。その正確な行動範囲はわたしたちには知ることができません。

 

シカたちの場合であれば、野草が刈られることで、より青々育つ農作物に目がいくようになることがあるのではないでしょうか。周りに野草がなく、ある箇所(田畑)だけに葉があれば田畑に目が向きますよね。

 

食べ物がなく、その箇所(田畑)だけに食べ物があるなら当然、生きるために食べようとしますよね。

 

田んぼの周辺のあぜ道のその他の野草を刈らずに残しておくと、シカたちが農作物を食べることや、無理をして食べに行くことが随分減ると思います。わたいたちが今、「よかれ」と思い対策として行っていることは実は、逆効果だった、ということが少なくありません(科学を取り入れず、思い付きでやってることが多すぎます)。

 

今回、クマ対策にと行われた柿の木の伐採は今後クマたちの行動にどのような影響を与えるのでしょうか。わたしたちが考えるのは、その場所にクマが来なくなった、ということだけでいいのでしょうか?

クマやシカ、ほかの野生動物たちが暮らすことができる山の環境を整えない限り、野生動物たちが食料を求め、食糧のある、人がいる場所に来ることを避けることはできません。

 

クマがその場所に来ないように管理されていない木を切るのであれば、木を切り枯らさず根ごと山へ持って行き植えなおすということが出来ますよ。

 

なぜ、それをしないのでしょうか?

 

柿の木の健康状態にもよりますが、その分野の専門家にやってもらうと木が枯れることは滅多にないことだと思います。

 

山に若い苗木を植樹すると、実がなるなでに何年~何十年とかかるかもしれません。しかし、すでに大きく育った木を植えることで実のなりの違いがあるのではないかと思うのですがどうなのでしょうか。

 

野生動物たちが暮らしている山に十分な食料があれば、食糧を求め人の住む場所に来ることが減ります。

 

動物を殺すことや利用することばかりにお金(税金)が使われていますが、そうではなく、殺さない、利用しないための対策が必要なのです。それが今後の野生動物たちと人間の関係によい影響を与えるということは、このようなことに関心のある方ならわかっていらっしゃるのではないでしょうか。

 

クマに住民が襲われないように、というならクマと人間が接触しにくい環境をまず整えるべきです(殺さずに接触しにくくできる対策はたくさんありますよね)。野生動物たちにとって山に十分な食料があり、人間から危害を加えられない環境作りとともにわたしたちへの啓発活動が必要だと考えます(私たちも含め生きものと自然環境とのつながりやほかの動物種たちとのつながりなどの理解が深まる啓発)。

 

そして、この「クマ出没対策 柿の木を伐採 砺波の3地区」記事に書かれている「県ツキノワグマ出没警報が発令されている」にひっかかりました。ここで「警報」が使われることに違和感があったのです。警報は自治体によって基準が違うようなので、基準であれば、使ってもいいのでしょうが、クマに対して使うことがおかしいと・・・。友だちとこの内容について話をし、落ち着いて考えると、わたしがおかしいと思ったのは、「クマが危険だ」と決めつけているところだとわかりました。クマが危険と決めつけていないとこのようなことを言いませんよね。わたし自身、クマを危険だと思っていないので「警報」に違和感があったのです。

 

クマを危険だと決めつけていることから、「実際のクマのどうなのだろうか」とういことはどうでもよいということなのだな、と思います・・・。勝手にとても危険だと決めつけ発信することの罪深さを感じます。危険だということで、人々に恐怖心を植え付け、実際クマと出会った時に冷静に適切な動作などできなくなってしまうのではないでしょうか。

 

野生動物の悪魔化がひどくなる一方ですが、野生動物たちの本当の姿を知ることなく(知ろうとすることなく)、とても危険で害があると発信しているこの事態のおかしさに気づく人がひとりでも増えるといいなと思います。

 

 

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