わたしたちは毎日多くの情報を見聞きしています。それらの情報の中に隠されたメッセージがあるとどうでしょう?無自覚に自分の考えや認識に影響を与えます。

 

BBC NEWSで「政治家たちが使う秘密の『犬笛』 隠れた人種差別メッセージとは」という動画を見ました。

 

「政治家が特定の有権者を意識して暗号のような表現を使い、『人心を操る』政治手法のことを、『犬笛』戦術と呼ぶ。

犬にしか聞こえない周波数で鳴る笛と同じように、その意味が分かる人にだけ分かるように工夫された、多くの場合は人種差別的なメッセージのことだ」。

 

 

 

情報というのはこれだけ人間の思考などに影響を与えるものなので、隠されたメッセージに気付けるようになりたいと思いました。

 

この動画を見て、野生動物たちに行われている扱いが頭をよぎりました。

 

わたしたちは野生動物をあからさまに差別していますが、野生動物に無関心な層に対して日々さまざまなメッセージが発信されています。

 

たとえば、2018年に「田口洋実×関野吉晴『日本は野生動物に乗っ取られる』地球永住計画『賢人に訊く』」という講座が開催されていたようです。

 

「日本は野生動物に乗っ取られる」ということを読み、「え、何言ってるの?!」と思う人もいればそう思わない人もいると思います。「乗っ取られる」というのはまるで動物たちが侵略者でもあるような言い方です。しかし、実際は自然に対する侵略者は人間の方です。このような言葉を使うことで、人々に野生動物にたいするネガティブな印象を与えますし、野生動物はそうなのだと認識されることがあります。

 

そして、環境省が作成している「クマに注意!」というガイドですが、この中に書かれているクマの絵など問題があると思います。2ページ「クマはあぶない動物!」にはクマが人間を手で引っ叩いているような絵が描かれていて、クマの目がつり上がっています。そして、人は飛び転んでいるように書かれています。

 

★環境省「クマに注意!」

https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs5-4a/kids/full.pdf

 

この絵(クマを悪魔化してる)を見ると、人間がクマに抱く恐怖心など膨張すると思います。そして、「クマはあぶない動物!」と書かれていますが、わざわざ「あぶない」と強調しなくてもその下にある文章、「クマ(ツキノワグマとヒグマ)は、するどいツメと大きな歯を持っていて、時速40キロメートルで走ることもできます。突然の出会いで、引っかかれたり押し倒されたりすると大けがをします」。で理解できるのではないでしょうか?

 

このような絵や言葉から人々にクマはとてもあぶない動物種だと印象付け、人々の考えを「あぶないので殺そう」という方へ向かわせているのではないかと思います。そして、人間がクマと出会ったときに大きな恐怖心からパニックになり落ち着いた静かな動きなどできなくなることにもつながるのではないかと思います。

 

わたしたちが大型動物と接触することがあれば大きなケガを負うこともありますが、動物たちを驚かしたり恐怖心を与えたり、痛みを与えるなどしなければ多くの動物たちはわたしたちから距離を取り離れていきますので、わたしたちは「動物に恐怖を与えない」ということが大事なのです。

 

「思わぬ事故を避けよう」というのであれば、クマのことをよく知り作成する詳しいガイドが必要で、動物種を差別するガイドは必要ないです。多くの人たちにクマの暮らしなど正確に知ってもらうことが今起きてる出来事の問題解決につながるのではないかと思います。どうしたらお互い合うこと少なく暮らせるのかな?クマと接触しないためにはどうしたらいいの?そして、どのようなことをしてはいけないのかなど人々に丁寧に話し啓発していくべきだと思います。

 

ニュースでは野生動物が人間にケガを負わせた、農作物を食べたなどということばかりが報道されています。わたしたちが積極的に野生動物たちに危害を加え暮らしを脅かしているにもかかわらず、わたしたちが行っていることは報道されていません。このような報道ばかりを見ていると野生動物にたいする人々の意識がネガティブなものになるのはいうまでもありません。

 

さまざまな情報から無自覚に作られていく自分に気をつけたいです。

 

 

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