国内で「屠体給餌」が広がっているという記事を読みました。

 

 

記事によれば動物園内で飼育している動物に福祉の観点からイノシシやシカなどをほぼそのままの状態で獣舎へ入れるという。

 

飼育動物にはジビエの頭と内臓を取り殺菌消毒をして与えるとのことです。

飼育動物にはシカやイノシシの体や脚、尾がある状態(皮もそのまま)の死体を与え、その様子を来園客の親や子どもに見せるイベント化をしています。

 

わたしは現在このようなことが広がりをみせていることに大変おどろきました。

COVID-19が発生した現在、世界では急ぎ野生動物とのかかわり方の見直しに入っています。

人間については野生動物を食べることは避けるよう言われています。

 

記事には「民間団体『ワイルドミートーズ』によると欧米では屠体給餌は珍しくない」と書かれていますが、欧米では屠体給餌への批判が多くあり、その一例としてコペンハーゲンのキリン、マリウスの件は有名です。

マリウスは動物園で飼育していたキリンだったのでより批判が大きくなっていたかもしれませんが、屠体給餌に関する記事を読んでいると屠体給餌自体への批判を書いた記事がほとんどで、実際は欧米で屠体給餌の批判が巻き起こっています。

 

人々の批判を無視する企業などもありますがそれはどこでもあります。

しかし、批判があればそれ自体の見直し改善などに向け、欧米や他の国は動き出すことが多いです。

誰も動物の体を他の動物に食い引きちぎられるところは見たくないでしょう。

見たい人がいてもごく一部だと思います。

 

わたしたちの社会はどうでしょうか?

 

今、この時代にある特定の野生種を「駆除」し、その死体を飼育動物に与える広がりについて考えていきたいと思います。

 

屠体給餌の広がりから思うことがたくさんあるので数回に分けまとめようと考えています。

まず、わたしたちが「害獣」と呼び「駆除」している野生で暮らす動物についてまとめます。

 

飼育動物に屠体給餌を紹介する各記事にはシカやイノシシが農作物に被害を与えていることと農作物被害額とともに書かれていることがあります。

そして、農作物に被害を与えるので「駆除」をし、殺したシカやイノシシの屠体給餌はわたしたちにとっても飼育動物の動物福祉の観点からも利用することを最適かのように来園者や他の人々に解説をしています。

 

しかし、現在社会で広く言われていることは正確なことなのでしょうか?

 

何度も書いていますが、イノシシやシカたちによる農作物被害額は都道府県の調査や報告はきわめて不十分であり信憑性に欠けます。

 

イノシシやシカたちが農作物に被害を与えていることは事実ですが、その被害は作物などの収穫に問題ないことがとても多くあります。

なかには、田んぼの稲が広範囲に倒れていることもあります。

しかし、そのような場所は農作物の側に柵をしていない、農作物の側に柵をしているが効果のある柵がされていないです。

 

農作物については効果ある柵をすれば被害はないということです。

 

農作物から離れた所から柵を広範囲に設置することは自然生態系保全、野生動物の暮らしの観点からも問題があるので、柵は自分が被害を受けたくない農作物の側(数十センチ離れた周辺にし、柵から成長した農作物の葉などが出ないように)に設置するのが好ましいです。

 

自然環境や動物の暮らし、生態系を壊さないよう柵をすれば、農作物被害はぐっと少なくすることができるので「駆除」という発想は消去されるのではと思います(イノシシやシカ、他の野生種を殺したいという人がいると「駆除」という形が継続するかもしれないですが・・・)。

 

そもそも、「駆除」という発想がサスティナビリティの真逆であり、わたしたちが生きていく上で大きな問題があります。

「駆除」することで自然環境の形態をさらに壊し打撃を与えて、予期しない状況を作り出していきます。

 

イノシシ、シカ、他の野生種はこの地球自然環境と相互関係にあり、自然環境保全維持に大きな役割をはたしています。

そのイノシシやシカ、他の野生種をわたしたちは今とんでもない頭数を殺しています。

 

頭数が多いから殺してもいい、という話ではないのです。

 

人間が他の種の虐殺を続け、頭数が少なくなった自然環境は一見、わたしたちの目に今までと変わりなく映るかもしれません。

しかし、変わりなく見えるというだけで実際は変化しています。

今、これからの自然生態系にどのような影響があるかを人間が正確に知るにはとても難しい内容だと思います。

 

現在、個体が多く農作物に被害を与えているかに見える特定の種を「害獣」と言うのは、その種に対しての言いがかりにすぎないのではないでしょうか。

 

このまま、イノシシやシカ、他の種が殺され続けると数十年後には野生で暮らすイノシシやシカの姿がほぼ消えるのではないかと推測しています(要因が重なると早くて数年ということもおこりうるかもしれないです)。

クマはすでに個体数がかなり少なくなっています。

いったん個体数が減少した種の回復はそう簡単ではないです。

回復することなく絶滅してしまうこともあります。

 

そして、人間が手あたり次第殺すことで種の遺伝子の多様性が失われ種の存続に大きな影響を与えます。

クマについては、個体数が少ないにもかかわらずおとな子どもの姿が見られると殺されていることから、遺伝子の多様性が失われている現状です。

 

頭数が多い野生種は人間が介入しなくてもその数は減少する時期がありますが、わたしたちは野生種に対し「数が増えすぎている」と言い、それを理由のひとつにしてどんどん殺しています。

そもそもの問題についてほとんどの研究者、専門家が言葉にしない、「人口の増加」の問題があります。

日本は現在人口が減少していますが、今の人口でも自然環境に脅威を与えるに十分な人数で、今、大規模な自然環境破壊・汚染が加速しています。

 

政府や行政は自然環境維持の観点からも野生動物を殺すことに多くの税金を使わず、殺さない効果ある柵設置実現や農作物被害額の保障としてお金を使ってほしいです。

・しつこいですが、柵は育てている農作物の側だけにし(防除はゆるやかに)、田畑関係ない場所から広範囲に設置しないことが重要です。

 

 

この続きは書けるときに書こうと思います。

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