改新みらいの冨井篤弥です。
本日10日、令和6年6月定例会の文教民生常任委員会が開催されました。
議案6件を審議しました。
●文教民生常任委員会で審議した内容●
1.令和6年度伊奈町一般会計補正予算(第2号)
→全会一致で可決
2.令和6年度伊奈町国民健康保険特別会計補正予算(第1号)
→賛成多数で可決/改新みらいは賛成
(日本共産党の文教民生常任委員は反対)
これにつきましては、国民健康保険の負担割合等のチェック機能導入による補正予算です。
昨年、マイナ保険証と健康保険証の負担割合が誤って登録される事例が全国で多発しました。
それについて、チェック機能を導入するためのシステム改修費の補正予算等を審議しました。
これ以上の誤登録が起きないようにする為にも早急な対応が必要なため、改新みらいでは賛成いたしました。
その一方で、マイナンバー保険証への一本化を早急に進めようとする政権の考えには賛同いたしかねます。
マイナンバー保険証を使いたい方の安全を守り、かつ、従来の保険証を使用したい方にはその保険証を使えるようにして頂きたいです。
◎私どもが行なった主な質問の要約◎
―国保の負担割合等のチェック機能導入の経緯を伺います。
―(誤登録について、)マイナンバー保険証と健康保険証の負担割合が異なるトラブルで、マイナンバー保険証の信頼を揺るがす問題であると認識しております。去年9月末時点で、負担割合5695件の誤登録があったと、厚生労働省は発表しています。
これについて、全国保険医団体連合会は、全被保険者を対象にした調査でないと、この問題を氷山の一角と指摘しました。
これに関して、改めて現時点で伊奈町では負担割合の誤登録はありましたでしょうか。
―こちらのチェック機能導入によって、新たに誤登録が判明するということはあるのでしょうか。
―チェック機能導入により、今後誤登録はなくなると信頼してよろしいのでしょうか。残された課題等がございましたら伺います。
3.伊奈町放課後児童健全育成事業実施条例の一部を改正する条例
→賛成多数で可決/改新みらいは反対
(改新みらい、日本共産党の文教民生常任委員は反対)
こちらは、伊奈町の放課後児童クラブに、指定管理者制度を導入することも目的とした条例改正案です。
伊奈町では、昨年から保護者の皆様にアンケート調査を実施しました。
その結果、保護者の皆様からの要望に応えるためには、町は児童クラブに指定管理者制度を導入することが必要であるという結論に至ったそうです。
しかしながら、町内の子ども、保護者の方をはじめとした地域の皆様、放課後児童クラブでお仕事をされている皆様との議論も深まらないまま、児童クラブの指定管理者制度導入についての条例案が出てまいりました。
児童クラブという福祉施設に指定管理者制度を導入することの可否、それを導入することのメリットやデメリット、そういったことが説明や議論がなされずに条例案として出てきているのです。
このことが先ず第一の問題点です。
そして、指定管理者制度と放課後児童クラブの相性の問題もあります。
まず、指定管理者制度は、民間のノウハウを活用し、運営を民間事業者に任せることで、限られたコストで最大限に優れたサービスを提供させることを目的とした仕組みです。
いわゆる公民連携(PPP)の種類の一つです。
PPPには、指定管理者制度のほかに、DBOやPFIなどがあります。
私ども改新みらいでは、 5つの基本政策に「持続可能な行財政改革を追求しつつ、住民が暮らしやすいと満足してもらえるような地域社会を創造すること。」とあり、こうした官民連携、産官学民連携といったことには前向きな姿勢を示しております。
ただ、全てが全て、民営化すれば良い、民間へアウトソーシングすれば良い、民間に委託すれば良いという考えではございません。
当然のことながら、相性もあります。
指定管理者制度と放課後児童クラブの相性については悪いと考えています。
なぜなら、放課後児童クラブのサービスは、何か創意工夫をすることによって経費削減をしたり、利益が上げられたりするような事業ではないからです。
その要因として、放課後児童クラブの運営経費の大部分(令和6年は8割ほど)は人件費で占められていることが挙げられます。
今回、町からは、指定管理者制度を導入する背景として、児童クラブのサービスの多様化を前面に出されていました。
保護者の方のライフスタイルの多様化に対応するためです。
しかしながら、サービスを多様化するには、コストが必要です。
冒頭の説明に戻りますが、指定管理者制度は「民間のノウハウを活用し、運営を民間事業者に任せることで、限られたコストで最大限に優れたサービスを提供させることを目的」とした仕組みです。
ここが肝です。
現在、多くの自治体が逼迫する財政に対応する時代に突入しています。
よって、どうすればコスト削減できるかということを常に考えています。
ただ、サービスは維持して、コスト削減を図らねばなりません。
そこで、民間事業者のノウハウを活用しようという話になっているのです。
児童クラブも民間事業者の力を借りれば、今、もしくは今よりも少ないコストでサービスが充実できると町はお考えのようです。
しかし、前述したように、児童クラブの運営費の多くは人件費が占めています。
コストを下げるならば人件費を削る必要があり、サービスを多様化させるなら人件費の増額が必要です。
児童クラブの支援員は、非正規職員である会計年度任用職員であるので、人件費についてはこれ以上下げようがありません。
よって、サービスを多様化することと、コスト削減を図ることは両立しえず、非常に難しいのです。
コスト削減をして、サービスを多様化させようものなら、そこで働く方の人件費や福利厚生が犠牲になります。
事実、指定管理者制度を導入している自治体の児童クラブはみなカツカツで運営されております。
これについても、あまりにも早急と言わざるを得ません。
以上のとおり非常に問題が多いために、改新みらいでは本条例案を反対いたしました。
改新みらい
冨井 篤弥