伊奈町の地域政党「改新みらい」の冨井です。

 

今日は伊奈町議会の令和6年3月定例会の最終日でした。

 

最終日には、議案の議決を行います。

そして、今回の3月定例会では、私ども改新みらいでは、2つの議案について反対といたしました。

 

○反対議案(2件)

・第12号議案「令和6年度伊奈町介護保険特別会計予算」

・第21号議案「伊奈町介護保険条例の一部を改正する条例」

 

○議案の反対理由の概要

・第12号議案「令和6年度伊奈町介護保険特別会計予算」

①本議案は、介護保険料値上げが盛り込まれた第21号議案「伊奈町介護保険条例の一部を改正する条例」の可決を前提とした予算編成であり、二元代表制下での予算編成の過程に問題があるため。

以上一点の理由から反対しました。
 

・第21号議案「伊奈町介護保険条例の一部を改正する条例」

①物価高の経済情勢のなか、国民健康保険料の値上げに加え、介護保険料も値上げとなると、生活と家計を一層圧迫させる要因の一つとなるため。

介護保険料の値上げが続くと、若い世代に将来への不安を更に与えることとなるため。

以上二点の理由から反対しました。

 

○反対討論の内容

 議席番号1番、改新みらいの冨井篤弥です。ただ今、議長より発言の許可をいただきましたので、第12号議案「令和6年度伊奈町介護保険特別会計予算」及び第21号議案「伊奈町介護保険条例の一部を改正する条例」の反対討論をいたしたいと思います。

 

 まず、第12号議案を反対とした理由は一つです。

 本議案は、これから採決される第21号議案の可決を前提とした予算編成であるからです。

 今回の予算は、介護保険料の値上げに関する伊奈町介護保険条例の改正案と密接に関わるものです。まさに、町民の皆さまの生活にも直結する議案でございます。

 しかしながら、介護保険特別会計予算については、当該予算に密接に関係する条例の改正について議会の採決を経ることなく、先んじて審議しております。

 これについては現状として、他の自治体でも同様な取り扱いがなされている事例がありますので、法的に問題がある訳ではないようです。

 それでも、条例という法律の立場、二元代表制という仕組みを考えたときに、条例改正案の可決が前提の予算編成となっていることは、適切な取り扱いであるとは言えません。

 予算を編成するにあたり、関連条例の改正を求めるのであれば、先んじて議会で当該条例改正案の審議や採決を経て、その結果に基づき、予算を編成することが二元代表制に基づいた望ましい取り扱いと考えます。

 先の第10号議案の国民健康保険特別会計予算については、それに関係する伊奈町国民健康保険税条例の改正を昨年の12月議会で審議し、町議会として可決という結論をだしました。町議会での意志決定等に基づき、町は予算を適切に編成されております。そういった点で、私どもは国保料の値上げには反対で、国保の制度の抜本的見直しを求める立場であることには変わりありませんが、予算については適正な編成がなされていると判断しましたので賛成としました。

 しかしながら、第12号議案につきましては、伊奈町介護保険条例の改正が前提という予算編成の過程に問題がございますので反対といたしました。

 

 次に、第21号議案を反対とした理由でございますが、二つあります。

 まず一つ目に、物価高騰の経済情勢のなかで、国民健康保険料の値上げに加えて、本議案で提案されている介護保険料の値上げとなりますと、町民の皆さまの生活と家計を一層圧迫させる要因となるからです。

 介護保険料につきましては、現行の第8期の基準額は年額66,000円、月額で5,500円ですが、本議案では第9期の基準額は年額75,600円、月額で6,300円となっており、年額では9,600円、月額で800円の値上げとなります。

 働き盛り、子育て世代の40代の方の介護保険料を例にしてみますと、40代の方々の所得中央値は、転職サービスdoda(デューダ)によると450万円です。450万円の所得ですと、現行は第14段階で、介護保険料は年額112,200円です。これが本議案の改正介護保険料となりますと、第14段階で、年額136,000円となります。年額にして23,800円の負担増となるのです。これだけでも中々に大きい負担増ですが、国民健康保険料を支払っている方となりますと、その値上げ分を含めて更に負担が重くのしかかることになります。

 繰り返しとなりますが、物価高騰下にあり生活や家計がまだまだ厳しい状況のなかで、国民健康保険料に加えて、介護保険料も値上げしたいというのは、あまりにも酷と言わざるを得ません。

 続いて二つ目の理由として、このまま介護保険料の値上げが続くと、若い世代に将来への不安を更に与えることにつながるからです。

 今、国民健康保険や介護保険、年金と様々な社会保険制度が岐路に立たされています。どれも抜本改革が叫ばれておりますが、この先、これらの社会保険制度はどのような形となっていくか、その道筋は見えないままです。

 そのような中で、こうした保険料の値上げだけが場当たり的に、惰性的に続いていくと、若い世代のなかで将来への不安感が高まることとなります。

 実際に、若い世代の将来への不安を裏付ける調査結果があります。

 それが、令和5年に実施した日本ファイナンシャル・プランナーズ協会の「これからのお金と給料に関する意識調査」になります。この意識調査は、20代から30代の男性300人、女性300人の計600人に対して調査を行ったものです。

 この調査のなかでまず、「将来のお金に対する不安有無」の設問では、「漠然とした不安がある」が66.7%、「具体的な不安がある」が15.2%で計81.8%の割合で不安があると回答しました。なお、性別別の「不安がある」とした割合は、女性が86%と、男性の77.7%よりも高い割合となっております。

 そして、お金の管理に関して実施していることとして、回答者の55.8%が「節約をする」と回答しています。

 この調査では、将来のお金に対する不安で6割以上の若い世代が「漠然とした不安がある」と回答しています。これは解決の糸口を見つけやすい具体的な不安よりも、もっと恐ろしいものです。

 そしてその漠然とした不安の一因に、こうした社会保険制度の先行きの不透明さや、社会保険料の値上げも含まれています。

 私は、まだ介護保険の被保険者ではなく、40歳まではあと約11年ございます。ただ11年後、今より更に高齢化が進んだ第12期の介護保険料がどうなっているのか、また社会保険料全体を通してどうなっているのか、今の状況を踏まえると非常に不安です。私の周りでも同様の不安の声が多々ございます。

 無論、介護保険の制度を維持することが大切なことであることは承知しております。それでも、若い世代の不安を払拭し、将来への希望を持たせるためにも、本制度の在り方を抜本的に見直すよう町も県や政府に求めていただきたく存じます。

 以上2点より、介護保険料の値上げについて容認することができないため、第21号議案につきましては反対でございます。

 

 議員皆様のご賛同を賜りますようお願い申し上げ、改新みらいを代表しての第12号議案ならびに第21号議案の反対討論を終わります。


 

以上が、反対討論の内容になります。

国民健康保険料の値上げ決定に続き、介護保険料の値上げが決定し、このまま私たちの町、そして日本の社会保険制度はどうなってしまうのでしょうか。


安易な社会保険料の引き上げは、私たち若い世代により一層将来への危機感と諦念を生み、それが結婚や子育てといった夢を諦めさせることになります。

社会保険制度について、富の再分配機能を十分に活かす制度への抜本的改革が求められます。

 

世代問わずこうした決定に関わる多くの方々が世代間倫理の視点をもって決断してほしいです。

 

改新みらい

冨井 篤弥