今年は、なんとニューシャトル40周年です!

 

1983年に開業したので、2023年は40年目の年にあたるのです。

ということで、ニューシャトルでは、「開業40周年記念イベント」を開催します!!
詳しくは→→こちらをご覧ください!

 

さて、ニューシャトルというと、「運賃が高い!」と言うご意見をよくいただきます。

これにつきまして、元社員である冨井あつやが、運賃や定期券代の値下げは現実的に可能なのかどうかについて、説明してまいります。

 

元社員だからこそ言えることを含めて、切り込んで解説していきます。ぜひ、ご付き合いください!

 

なお、私は平成30年春から令和4年秋まで在職しておりました。
このページに掲載されている情報につきましては、最新のものではない場合がございます。
あらかじめ、ご了承ください。

現役運転士時代の冨井あつや(2020系にて)↑

そもそも、ニューシャトルでは運賃値下げの議論をしているの?

これまで、地域の政治家の方々は、ニューシャトルの運賃や定期券の値下げに関する取り組みをされてきました。

 

~各政治団体における、ニューシャトルの運賃見直しに関する主な取り組みの状況~

自由民主党関係 (姿勢)料金引き下げ
(活動)通学定期券の値下げのための要望活動
立憲民主党関係 (姿勢)通学定期乗車券の値下げ
(活動)埼玉県議会で県に値下げの環境整備を求める
日本共産党関係 (姿勢)運賃値下げ
(活動)運賃値下げのための要望活動
(活動)埼玉県議会で県に値下げを求める

 

超党派でニューシャトルの運賃値下げに関する取り組みをされてきています。
平成30年12月には、「ニューシャトルの通学定期乗車券の見直しを求める決議」が埼玉県議会で全会一致で採択されました。

この決議においては、「県議会は、ニューシャトルの運賃の見直しを行い、速やかに通学定期乗車券運賃の値下げに向けた検討を行うよう、県が埼玉新都市交通株式会社に対して働き掛けることを求めるものである。」と記されています。

その後、この決議の内容や運賃の値下げについて、日本共産党は広報をおこなっていました。これについて、会社からは、お客様からお問い合わせがあっても回答を差し控えるよう通達がなされています。

 

こうした決議を受け、ニューシャトルでは、運賃値下げに関する議論が行われたのでしょうか?

これについては、私自身は役員ではなかったため、分かりません。
ただ、確実にお伝えできることが2つございます。

まず、私が在職中に、社内で運賃値下げに関する議論や検討を耳にしたことは一切ございません。

つづいて、ニューシャトルでは、県議会での決議について、内外問わず現在に至るまで会社の立場を一切表明しておりません。

こうした決議を受けた以上は、ニューシャトルは何かしらの説明をするべきでした。
説明責任を果たさなかったことは、不誠実な対応であったと思います。

ニューシャトルの運賃値下げは現実的にできるの?

これまで多くの政治家の方々が、運賃値下げについて取り組まれてきましたが、現在に至るまで値下げは実現しておりません。

――正直なところ、ニューシャトルの運賃値下げは現実的にできることなのでしょうか?

これにつきまして、説明してまいります。

まず、私が社員時代に感じたこととして、政治家の方々の取り組みを拝見するたび、ニューシャトルの現状を把握していないことに疑問を抱いておりました。

結論を先に申しますと、ニューシャトル単体で運賃値下げを行うことは、現実的に非常に難しいです。

 

その理由は、3つございます。

 

①ニューシャトルは現状として、皆さまからの運賃や定期代の収入よって運営されている状況です。鉄道事業以外の付帯事業については、規模が小さく鉄道事業を支えるだけの力はありません。
したがって、運賃値下げは、収入減に直結してしまいます。

②ニューシャトルは開業40周年を迎えており、大規模な設備更新の時期に差し掛かっております。それに伴い、今後は支出の増加が見込まれます。現在の運賃で利益が発生したとしても、老朽化した設備の更新に充てなければならない現状でございます。

③ニューシャトルは、経営状況の改善のため、切り詰めて運営している現状があります。
しかし、その結果、働き方改革は進まず、社員の働く環境は悪化の一途をたどりました。
加えて、働く人の人権を軽視する事件も起きました。2020年には、当時の社長が社員の人権を蔑ろにした言動を繰り返したことにより、引責辞任に至る結果となりました。

こうした風土や、会社の職場環境改善の取り組みが見えないことから、多くの方が会社を去りました。
直近の5年間では、新卒で入社した大卒社員全体のうち、4割近くが退社しています。
昨年末から今年年初に、吉野原駅では営業時間の短縮が行なわれましたが、これは、その結果がもたらしたものです。

もし、運賃を値下げすれば、その負担はニューシャトルで働かれている方々が抱えることになります。
それは結果として、安全運行を更に脅かすことにつながります。

 

以上のことから、現在の経営状況や、働く環境の問題等により、ニューシャトル単体で運賃を値下げすることは難しいです。

どうか、皆さまにはニューシャトルの現状を、ご理解いただきたくお願い申し上げます。

冨井あつやの現実的なニューシャトル改革について

現状として、会社単体での運賃値下げは非常に難しいです。

お客さま、地域の皆さま、働かれている皆さまの命と財産を守ることを第一に考えれば、会社単体での運賃値下げについては、元社員として推進できかねます。

 

したがって、冨井あつやは、現状を踏まえた現実的なニューシャトル改革を伊奈町において進めてまいります。

運賃や定期券に関するニューシャトル改革は主に3つです。

 

①奨学割引定期券制度の創設

ニューシャトルの定期券代、特に通学定期券については家計負担のため、その負担感は大きいです。
学生の夢や学びたいという意欲を守るためにも、これについては、伊奈町が率先して支援していくべきです。

したがって、私は、伊奈町の学生支援制度として、「奨学割引定期券」を創設したいと考えております。
これは、学業成績または活動実績の条件を満たすことで、通常の通学定期券より更に割安になるニューシャトルの割引定期券となります。

 

②シルバーパス制度の創設

ご高齢者の移動手段の問題について、解決していく必要がございます。
近年はご高齢者の車の事故が相次ぎ、社会問題となっております。
運転免許の返納が推進されていますが、それをサポートする施策も必要です。

したがって、私は、伊奈町のご高齢者の生活支援制度として、「シルバーパス」を創設したいと考えております。

これは、運転免許を返納されたご高齢の方々や、移動の足でお困りのご高齢者の方々を対象にした、ニューシャトルやバスのお得なフリーパスです。

 

③運賃改定に関する情報公開の推進

ニューシャトルの運賃改定に関しては、これまで、沿線住民の皆さまへの説明や意見交換の場を設けず、一方的に行われてきました。
こうしたニューシャトルの姿勢は、信頼や信用を損ねる原因となっています。

よって、私は、伊奈町とニューシャトルとの連携を強化し、運賃改定に関する情報公開や意見交換の環境作りを推進していきたいと思います。

ニューシャトルの企業理念である、「地域に根差した会社を目指します」について、しっかり果たしていただけるよう、働きかけてまいります。

→そのほかの、ニューシャトル改革についてはこちら

おわりに

いかがでしたでしょうか。ニューシャトルの現状について、一人でも多くの方に知っていただければ幸いです。

冨井あつやは、町政に携わる元社員として、現実的に実現可能なニューシャトル政策を進めてまいります。

【豆知識】なぜ運賃をJR並みにできないの?

ニューシャトルは新交通システムという、一般的な鉄道とは異なったタイプの鉄道です。したがって、その車両や設備は特殊であり、いわば特注品の塊です。

例えば、2020系の値段は1両あたり約9千万円程度します(長さ8m、最大定員46名)。一方で、高崎線で使用されているE231系の値段は1両あたり約1億円程度します(長さ20m、最大定員162名)。
長さも輸送力も大きく異なりますが、1両の製造コストはどちらもあまり変わりません。

加えて、ニューシャトルは路線距離が短く、輸送力が限られていることから、JRの高崎線といった一般的な鉄道と比較すると、どうしても運用コストが割高になってしまいます。

つまり、運用コストだけを見ても、ニューシャトルはJR並みの運賃でサービスを提供することは、難しいことが分かります。建設コストだけで見れば、一般的な鉄道よりも安く済む新交通システムですが、運用となると、残念ながらそうにはいかないのです。
 

「伊奈町に、次世代の改革を。」
冨井あつや