おはようございます。冨井あつやです。

今日で、東日本大震災から12年になります。
干支が一周するくらいの時間が過ぎたのです。

さて、昨年11月、私は浪江町を4年ぶりに訪れました。
そのときと比べると、市街地は確かに賑わいを取り戻しておりました。
ただ、町としての機能は満足にあるとは言えないのが現状です。
加えて市街地を外れると、4年前とあまり変わらない風景が広がっています。
改めて「復興」の難しさを痛感しました。

どうか今日この日を、東日本大震災について振り返る日にすると共に、ご家庭での防災について考える日にしていただければ幸いです。

従いまして今回は、伊奈町の地震リスクについて見ていきます。

伊奈町に関係する注意すべき地震

伊奈町にお住いの皆さまに知ってほしい地震が4つあります。
以下は、それをまとめた表になります。

伊奈町に関係する注意すべき地震の一覧
地震の名前 規模予想

30年以内の
最大発生確率

伊奈町の
最大震度予想
茨城県南部地震 M7.3

70%
(南関東地域で
M7級の地震が
発生する確率)

6弱
都心南部直下地震 M7.3 6弱
関東平野北西縁断層帯地震 M8.1 0.008% 7
綾瀬川断層地震(鴻巣-伊奈区間) M7.0 ほぼ0% 6強

南関東地域では、30年以内にM7級の地震が発生する確率は、70%となっています。
上にあげた「茨城県南部地震」や「都心南部直下地震」のほかにも、「さいたま市直下地震」など色々な種類の直下地震が想定されていますが、個別の確率は分かりません。
関東地方の南部のどこかで、M7級の地震が30年以内に70%の確率で起こるのです。
つまり、どの地震が起こるかによって、伊奈町への影響は大きく変わってきます。

 

伊奈町では、茨城県南部地震を想定地震として、「伊奈町地域防災計画」と「伊奈町防災マップ」を作っています。

伊奈町地域防災計画について↓
https://www.town.saitama-ina.lg.jp/0000000386.html

伊奈町防災マップについて↓
https://www.town.saitama-ina.lg.jp/0000000340.html

ただ、気をつけたい地震は、残念ながら「茨城県南部地震」だけではございません。

 

都心南部直下地震でも伊奈町では最大震度6弱が予想されています。

 

そして恐ろしいのは、「関東平野北西縁断層帯」と「綾瀬川断層」の存在です。

関東平野北西縁断層帯については、30年以内の発生確率は最大0.008%ですが、発生すればM8.1の大震災になるかもしれません。仮にこの規模で発生した場合、伊奈町では最大震度7が予想されています。

それから綾瀬川断層については、伊奈町と密接な関係があります。
綾瀬川断層が伊奈町の真上を通っているからです。

 

以下の国土地理院地図のリンクより伊奈町を通る綾瀬川断層をご覧ください。
http://maps.gsi.go.jp/#15/36.005732/139.616232/&base=std&ls=std%7Cafm&blend=0&disp=11&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

この地図で表示された赤い点線が、綾瀬川断層です。

 

桶川市から入ってきた断層は、小針新宿付近をまず通ります。それから、羽貫駅の北側を通過し、ウニクス伊奈の裏側を通って、小針中学校のグラウンドに出ています。そこからは、いな穂街道に沿って断層も通っています。

また、伊奈中央駅と羽貫駅の間にも、線路に平行するような断層が西側に見えます。

なお、地図で表示されている黒い点線は、推定活断層です。
伊奈町の別所から志ノ﨑と、伊奈町役場東側の河原は推定活断層とされています。

 

他にも綾瀬川断層については、産業技術総合研究所(産総研)が公開している「活断層データベース」でも見ることができます。
以下の活断層データベースのリンクより、伊奈町を通る綾瀬川断層をご覧ください。
https://gbank.gsj.jp/activefault/segment_param?SearchTYPE=&fval_type1=066-03&segment_id=066-03&topic_list=2&search_mode=2

この地図では、表示されている青い線が綾瀬川断層です。
国土地理院地図の断層と違い、綾瀬川沿いにも断層を見ることができます。
また、伊奈中央駅の北西から志久駅の真上を通る断層もあります。

仮に、綾瀬川断層が伊奈町で動くことになれば、ニューシャトルは町内で分断されてしまうかもしれません。
なかなかおっかない断層です。

 

ただ、その発生確率は30年以内にほぼ0%(産総研は約0.08%としています)です。まずは、伊奈町にこのような断層があることを頭の片隅に入れていただければと思います。

 

大地震はいつどこで起こるか分かりません。
いまいちど、もしものときの備えと準備について、再確認していただければ幸いです。

重ねて、現在の伊奈町のハザードマップについては、地図上での綾瀬川断層の表示がありません。
確率が低いとはいえ、町民のみなさまにその存在を周知する責任が伊奈町にはあると思います。
研究機関等と連携して、伊奈町の活断層マップを作っていくべきであると考えます。

 

「伊奈町に、次世代の改革を。」
冨井あつや