八幡浜で「ウニを採るんですよ」というと、「バフンウニですか?」と聞かれることが多いです。
確かに「バフンウニ」も採りますが、メインは「ムラサキウニ」と「アカウニ」になります。
ウニどころではないので、ウニのことを知っているひとが少ないようです。
ということで、ふだんじぶんが採っているウニについて、きょうは少し解説したいと思います。
写真・左が「バフンウニ」で、その名のとおり「馬糞」のように丸くて偏平なかたちをしていて、色は黄色がかった灰色をしています。
この中にきれいなオレンジ色をした身がびっちりと詰まっていますが、小さい上、少し苦みがあるため、単独で味わうというよりも、ムラサキウニに混ぜ、アクセントとして使うのがウニどころの壱岐島(いきのしま)で教わったやり方です。
写真・真ん中が「ムラサキウニ」で、棘がやや長く、色は黒っぽい紫色をしています。
四国や九州でウニといえばこの「ムラサキウニ」が一般的です。
春が旬で、オレンジ色をした身は濃厚なうまみがあって、すこぶる美味です。
そして写真・右が「アカウニ」で、ムラサキウニと比べると棘は短く、かたちも扁平で、赤みがかった紫色をしています。
四国や九州などにしか棲息しないウニで、関東では“幻のウニ”とも呼ばれているそうです。
夏が旬で、ムラサキウニよりも少し黄色みがかった身は、ムラサキウニよりもさらに濃厚なうまみと甘みがあって、一度食べたらやみつきになるひともいるようです。
ほかにも、棘がとても長く、その先に毒があることから注意が必要な「ガンガゼ」もいますが、処理が面倒なのと、身に苦みがあるので採ってはいません。
が、食欲旺盛で、日本各地で“磯焼け”の原因のひとつとされていることから、見かけたら潰して駆除するようにしています。
ムラサキウニやアカウニも、増えすぎるともちろん“磯焼け”につながるので、適度に間引いていくことが必要だと思います。