二週間ぶりに実家へ帰ってまいりました。

風が大変強く、夜空には雲一つありません。

昨日は確か中秋の名月だったと記憶しておりますが、今宵の月も美しく天空に煌めいております。

秋の夜はまだかすかに残る夏の熱さと、時折感じる冬の空気が混ざりあっているように思います。

空の分厚い雲が風に追われ、どんどんと姿を縮めていき、濃紺の夜空には月がただ一人誇らしげに光を振りまき、街を白銀の光で照らしています。

こんな夜はいくら体か疲れていても、寝てしまうのが勿体なくてずっと夜空を見ていたくなってしまいます。

月を司る神は、確かギリシャ神話だと、美の女神ウ゛ィーナスでしたでしょうか。


もしかしたら今日の強い風は、秋雨ばかりだった毎日で月が顔を出すことが出来ないことに我慢できなくなった月の神様が、雲を動かし空気を透き通らして、自分の美しい姿を久しぶりに夜空に輝かせ見せることが出来た嬉しさのあらわれかもしれません。