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9月23日
秋分の日
そして 私の誕生日
17歳最後の日。
9月22日は運動会だった。
高校生最後の、そして6年間最後の。
時間が無いといいながらも、皆で各クラスオリジナルのはちまきと応援旗を作った。
もう6回目になる運動会も、あっという間に今年で最後になってしまった。
午前中 個人種目の部。
100m走、200m走、400m走、1500m走、砲丸投げ、高飛び、走り幅跳び。
本当にこれで終わってしまうから。
一度始まってしまったお祭りを止めることはできないから。
きっと疾風のように過ぎてしまうだろう、この一日を一瞬も見逃さないように―。
楽しくて馬鹿馬鹿しくて、そしてちょっと悲しくて寂しい今年の運動会。
皆考えること、思うことはきっとあまり違わなかったと思う。
100m走を走った女の子。
アクシデントがあって、タイムが遅くなってしまった。
泣きながら帰ってきて、私にこう言った。
『これで本当に最後だったのに…最後の最後だったのに…』
二人でしばらくの間泣いた。
200m走を走った男の子。
一位と二位の接線。
そして、最後の最後で彼がこけてしまった。
だけど、それでも、一位でゴールした。
あちこち擦り剥きながらも、元気そうに帰ってきた。
砲丸投げに出た、仲良し3人娘。
二人は残念ながら記録が出なかった。
だけどもう一人の女の子が凄い記録を出した。
それを、本人以上に喜んでいた。
午後 団体戦。
中学生のマスゲームや騎馬戦を見ながら、自分たちの中学生時代を思い出していた。
高校生参加の、ちょっとしたゲームでは、始まる前に、学年全員で初めて円陣を組んだ。
とても大きな円ができて、6年間一緒だった全員が肩を組んで、…その全てが頭に焼きついた。
学年対抗のリレー。
皆声を枯らして応援した。
誰一人として、座ったりしていなかった。
皆立って応援した。
そのとき、皆から一人離れた場所にポツンと座っている人が居た。
『しんどいの?』
と聞くと、その人は少し恥ずかしそうに笑ってこう言った。
『…いや、本当にこれで終わりなんだと思って…』
皆考えること。
中学から一緒だった。
嫌いな人も好きな人も居た。
大学より長い間一緒に居るかもしれない。
今まで意識なんてしていなかった。
また、来年もこうやって皆でいるんだろう なんて思っていた。
そんなはず、ないのに。
確実に時間は流れて、それを止めたいと思ったときにはもう遅くて。
去年とはまったく違う気持ちで、この日をむかえた。
一生の中で、高校になって、最後の運動会。
もうこうやって、学校全体で集まることはもう無い。
いくら写真に撮っても、この長い6年間には足りない。
次にこうして学年全員が集まるのは、卒業式。
でも、それも受験日の関係などでこれない人も居るかもしれない。
だから、この日が本当に最後だった。
17歳最後の思い出は、この運動会になった。
次の日に筋肉痛になったけど、それがなんだかとても懐かしくて嬉しくて、寂しかった。
高校三年ABC組 総合成績3位。
皆 ありがとう。