比叡山 横川(よかわ) | 朝寝坊弁慶のささやかな交湯録

朝寝坊弁慶のささやかな交湯録

朝寝坊弁慶の由来は、朝寝坊して昼過ぎからのこのこと温泉に出かけていく習性に由来しております。

弁慶はなにかといえば、語呂合わせみたいなものです。

興味の幅がありすぎて、まとまりがありません。最近は京都に住んでいます。気持ち的にはです。

横川には13時50分頃に到着した。このバスは折り返しで横川14時発のバスになる。その次は15時発なので、1時間ほどの余裕がある。それを逃すと16時10分、本日の最終である。


 

比叡山の北側の横川エリアに来たのは、比叡山の三大魔所のひとつと呼ばれる元三大師御廟への参拝である。御廟は普通「ごびょう」と読むが、比叡山には開祖 伝教大師御廟があり、こちらが「ごびょう」と呼ばれるので、元三大師御廟は区別して「みびょう」と呼ぶ。

 
横川中堂を過ぎた分岐を、まっすぐ行くと元三大師が住んでいた元三大師堂(四季講堂)があるのだが、ここから左に曲がる。
 
 
 
観光エリアではあるが、ちょっと心細いような人気のない参道を進む。
 
 
 
道端には、このような石仏がポツンポツンと並んでいる。「第十三番 石山寺」は大津の花で有名な石山寺であろう。

さてブログを書くにあたって調べていたところ、もしかしたら西国三十三所各寺が建立したものなのかなという疑問が湧いた。それで早速、別の写真を見てみると、第十二番はまさに岩間寺で合致したし、また記憶ではこの付近で「あ、三井寺がある」と思ったのである。三井寺は第14番なので、おそらく西国三十三所と思って間違いないと思う。
 
 
 
しばらく進むと左手に元三大師御廟があった。鳥居があるからお堂ではなく社と言うべきなのだろうか。
 
 
 
元三大師御廟はこの社の後ろ側の一段高い場所にある。鳥居の先に石の囲いがあり、その中心にきのこ型の墓石が建っている。
 
石の囲いの中は、草が自然に生えたままであるが、それは元三大師の遺言によるもので、大師は死んだのち、京都の鬼門たる比叡山のさらに鬼門たるこの地に葬り、荒れるに任せよと遺言した。埋もれた墓所から人知れず比叡山を守りたいと願ったのではないかと思うが、さすがにそうはさせてはもらえない。残された者の思いと遺言の折り合いのついた結果として、このように祀られることとなったのだろう。
 
恐れ多いのでその様子はちょっと写真を撮るわけにもいかず、囲いの周りを時計回りに三周まわってお参りした。御廟について調べた時に、そのようなブログを読んだ気がしたからだ。

そこから更に先に進む。
 
 
 
まずは甘露山王社。どこを調べてもその謂れは不明である。
 
 
 
次に箸塚辯財天。元三大師が千僧供養を行なった際に、使用した箸をここに埋めたことに起源する辯財天で、前出の無動寺の辯財天と西塔エリアの箕淵辯財天と合わせて比叡山三辯財天と呼ばれている。
 
 
 
そして箸塚辯財天と向かい合うように建っているのが四季講堂(元三大師堂)である。ぐるっと回って来たわけである。

改めて説明すると、元三大師良源は第18代天台座主で、角大師、豆大師(魔滅大師)などの異名を持ち、霊力が強く天台宗の厄除大師といえば、この元三大師なのである。また、おみくじの発明者としても有名である。その天台座主としての功績は大きく比叡山中興の祖と呼ばれる。
 
 
 
四季講堂の謂れは、村上天皇の勅命でそれぞれの季節に法華経を論じたことによる。元三大師の住居跡といわれていて、元三大師を本尊として祀っていることから元三大師堂とも呼ばれる。



御朱印は元三大師である。

このお堂で引くおみくじは、一般的なおみくじとは異なり、僧侶が引いて、その内容について説明をしてくれる。所要時間はおよそ1時間となり、完全予約制となっている。

四季講堂では、箸塚辯財天の御朱印も頂けるが、自分が何枚ももらう人の後ろで待つのは嫌だったので、その後は一度に複数枚は頂かないことにしている。

 
 
戻って横川中堂へ参る。前回訪問時、こちらも根本中堂と同じ香の匂いがしたと感じたが、今回はそれも感じない。



本尊は聖観音菩薩なので、大悲殿。

本尊は中央に配し堂内をぐるっと廻れる構造で、壁面には小さい観音像が無数に収められている。また横川中堂では写経も出来る。



このような舞台造りとなっているが、これは遣唐使船を模したものだという。
 
 
 
14時55分にバス停に戻った。横川をじっくり廻ろうと思ったら半日は必要かと思う。それで千日回峰行の拠点、飯室谷へ降るのも良さそうだ。

思いの外比叡山には人が多く、最終バスで帰るととても混雑しそうだと判断し、西塔、東塔を通過して終点の山頂まで行く。そこからはロープウェイ、ケーブルカーを乗り継ぐ。


 
山頂の展望台からも、またもや琵琶湖である。


 
山頂から徒歩10分。比叡山ロープウェイ山頂駅は、比叡山山頂から坂を登るというのも変な話だか、山頂という名のバス停から更に高い所に向かう。ここまで来て初めて京都側の眺望を見た。


 
それほど大きな箱ではないので、乗客が増えると臨時運行をしないと追いつかない感じだ。実際、臨時運行便で下に降りた。



更にケーブルカーに乗り継がないと下山出来ない。ケーブルカーも座れない乗客が出るほどの乗車率であった。

ね。