東信への旅5 春日温泉 旅舎 十二館 | 朝寝坊弁慶のささやかな交湯録

朝寝坊弁慶のささやかな交湯録

朝寝坊弁慶の由来は、朝寝坊して昼過ぎからのこのこと温泉に出かけていく習性に由来しております。

弁慶はなにかといえば、語呂合わせみたいなものです。

興味の幅がありすぎて、まとまりがありません。最近は京都に住んでいます。気持ち的にはです。

YUSHI CAFEのマスターに教えてもらったのは、春日温泉の十二館という宿だった。


春日温泉に2軒しかない源泉のみの宿とのこと。


露天はなくて良いですかとの問いにお湯が良いところとリクエストして教えてもらった。

帰りに礼を述べると、再び、「いえいえこちらこそわざわざお越しくださって・・・。」



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春日温泉は、望月あたりをうろうろしてると大きな看板もあるし、なんか伊香保ほどではなくてもそれ系の温泉街を想像していてまったく近づいたことがない。


温泉街に入って、山に向かって登っていくと、立派な石の看板が現われてそこから左に下ると駐車場があった。駐車場は宿の裏手にあり、基本的に表側が綺麗なはずの宿に裏面でファーストコンタクトするという、あまり好ましくない設計のような気がする。


この駐車場をはさんだ反対側に家屋があって、どうやらそこが経営者の住まいらしく、私が車から降りるとほどなく家から人が出てきた。







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198湯 信州春日温泉 旅舎十二館新館


長野県佐久市春日 TEL 0267-52-2019


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やっぱり、さきほど家から出てきた30代の人がいらっしゃいませと中から現われた。入浴料は500円だった。



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ロビーには簡単なソファーだけが並んでいる。収容人数20人のこじんまりした宿である。


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その奥に浴室があった。


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脱衣所は1つの洗面台といくつかの木枠の棚、そしてその中で5つほど施錠できるようになっていた。



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加熱して掛け流していると思われるお湯は、すべすべな浴感で気持ちが良い。


源泉名 春日温泉

泉質  アルカリ性単純温泉

泉温  25℃  利用温度 42℃ pH 9.5




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こちらが湯口で、投入量は非常に少ない。そのことが、源泉加熱掛け流ししているという結論に達した理由で、浴槽からあふれる少量のお湯との相関性がある。



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先客は1名。身体を流して入浴すると、「窓を開けますか」と話しかけられたので一緒に開けた。


「ちょうど標高1000mの温泉です。というのが自慢なんですよ。」と言う。宿の関係者かと聞くと、このお湯が気に入ってこの下20mほどの家に引っ越してきたという。


温泉が気に入って引越してきた人は、赤城温泉の田胡さんに続き2人目。出身は福島のいわきで、最初は御代田に居を構えたそうだ。駅の周りになにもなくてびっくりしたと当時を振り返っていた。


「御代田に引っ越したと知人に連絡しても、それがどこだかわからない。軽井沢の隣だと説明すると、えらくびっくりされて、やったなーと言われた」と笑っていた。


「あの車が入ってきたんでね。さっき、YUSHI CAFEにいましたよね」と言われて気がついた。「あ、バッテリーが上がってマスターに車を借りに来ていた・・・」「そうです、その車が入ってきたから、あー、YUSHI CAFEにいた人だと思いましたよ」とそこからまた話が進んで1時間は話をしていたかな。





「親父が建設省でランクル乗っていたけど、ああいうのもあったんですね。もちろんパワステじゃないんでしょ」


「ええ、ここに入れてます」
と、腕をさす。

わしは頸が悪いのだが、おかげで検査の時に医者に「力持ちだ」と言われてしまうほど握力が強い。

ただし握力だけであとはひ弱である。




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「男湯のこの方角は晴れていると浅間山がよく見えていいんですよ。だから女性客が多いと男女の浴室が入れ替わるんです」


「でも不思議なもので、お湯が気に入って引っ越してきたのに毎日入っているとね。だんだん烏の行水になっちゃって、最近は宿の人にいくらなんでも早すぎるだろって言われるんですよね」といろいろ話をした。


「今日はどうするんですか」と聞かれたので帰らなくてはならないことを伝えると、「いやぁ、残念だな。今日は望月の祭りでね。年に一度だけ、どこにこんなに人がいたんだろうってほど、にぎやかなんですよ。さて、祭りに行く準備しよう」といって、先にあがられた。


諸事情がなかったならば、祭りの様子も見てみたかったけどね。残念。