温泉の適温は何度なのか | 朝寝坊弁慶のささやかな交湯録

朝寝坊弁慶のささやかな交湯録

朝寝坊弁慶の由来は、朝寝坊して昼過ぎからのこのこと温泉に出かけていく習性に由来しております。

弁慶はなにかといえば、語呂合わせみたいなものです。

興味の幅がありすぎて、まとまりがありません。最近は京都に住んでいます。気持ち的にはです。

温泉について泉質のことを語られることは多いが、泉温について語られることは比較的に少ない。


普通、入浴に適した水温としては40℃~42℃と言われているが、それが温泉についても同じ基準で考えられているのではないかと私は思う。だが、温泉に入るという行為については、平常の入浴とは異なる目的があるはずであって、この温度をそのまま適用することの是非は、少なくとも温泉を提供する立場であるなら考えておいて欲しい問題である。高温・強酸泉であるがゆえに「時間湯」という入浴方法を編み出した草津温泉は、非常に真摯な態度で「湯」に向かい合っているといえるが、どれだけの温泉でこのようなことを考えているのか、はなはだ疑わしい。「熱い」「温い」というクレーム、特に日本人は風呂=熱いという固定観念を持つ人の比率が高いような気がするが、このようなクレームを避けるという、消極的な理由で折角の温泉を陳腐化させてしまってはもったいないと思いませんか?



簡単に湯温による身体への影響について記しておく。


熱い湯(42℃以上)・・・神経系、循環器系を興奮させ刺激する。つまり目が覚める。血圧が上がる。


温い湯(40℃以下)・・・神経系、循環器系の興奮を緩和させる。沈静、鎮痛作用がある。



そして入浴時間と身体への作用については以下の通り。


普通、温泉の泉質による効果は、入浴時間20分をピークに体内に吸収されるので、それ以上の入浴による効果向上は望めない。しかし、温泉に入っている状態は、重力による影響から身体を若干ながら開放させている状態とも言える。また、水圧による負荷は、内臓、循環器、筋肉骨格に負荷を与え、鍛錬に通じる効果がある。つまり長時間の入浴は、それはそれで別の効果も期待できるわけである。


前出の草津温泉の時間湯においては入浴温度を適正化させる行為として、「湯もみ」を行うが、この行為が入浴に対する準備運動としての効果をも持っている。その点においても素晴らしい仕組みである。


40℃~42℃の泉温では、ただ入浴し、出るだけである。身体的な見地にたった、入浴の適正時間は、額に汗が滲む程度といわれており、この身体反応と泉質成分を吸収する20分のバランスがどうかだけである。


一方、38℃~40℃程度の温い湯の場合、長時間の入浴をしても額に汗が滲むほどの身体変化はなかなか現れない。38℃を切る温泉もいくつか存在するが、2時間、3時間の入浴が当たり前のように行われている。こうなると、長時間の入浴の効果も期待できる。(あるいは入浴者の症状によってはその弊害がある可能性もある。)


現代人は社会問題化するほど、ストレスにさらされている。たとえば10月には厚生省により全国労働衛生週間があるが、テーマとして「心の健康」が掲げられている。その観点からすれば、現在求められている温泉は、熱い温泉ではなく温い温泉であることは明らかなのだ。だが、多くの一般的利用者は泉温と効果の関係については無関心。熱くてしゃきっとしてさっぱりできれば気持ちよかったということになる。これでは、緊張した神経をより興奮させているだけだ。


山の宿でハイキング・登山後の客を受け入れる率が高いのであれば、その疲労を回復しやすくし、ゆっくり眠れる状況に身体を導く温めの湯が理想的であり、熱い湯は一時的な回復感をもたらすが、それは興奮による錯覚にすぎないのである。


これらのことは、温泉を運営しているのであれば、ある程度の知識は持っているはずであり、それでも温度調節や過熱を行った上でいわゆる適温で提供しているのであれば、温泉側の怠慢であり、啓蒙活動の不足が最大の問題である。


ぬる湯を売りにしている温泉で理解して楽しんでいるあの人や、あの人も「なんだ、温くてはいってられないな・・・」なんて言葉を、他のお客から聞きたくないに違いない。


余談だが、私の父などは心臓を患ってから温泉に入りたがらなくなった。子供の頃の記憶に寄れば、我が家は温泉ホテル専門で、ご他聞もれずに適温の温泉ばっかりだった。心臓病にはあの温度はきついらしい。たまにぬる湯に連れて行こうとしても、なかなかこの固定観念は振り払えないので、うまくいかない。




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