食事も済んだので、真面目に温泉について考えましょう(^^)。
実はアルカリ性単純泉は循環であってもその特性であるとろみ、すべすべ感が維持させる・・・いや、もしかしたらなんらかの化学反応でより強くなるのではないかという疑問をもったことからいろいろ調べています。その本題とは外れますが、塩素殺菌の功罪についてちょっと書いてみます。
私は古い歴史のある温泉であれば、いわゆる鉱泉宿も大好きなのです。鉱泉宿では、当然ながら加熱を行いますから、極わずかな例をのぞけば循環式の浴槽ということになります。そうなれば、レジオネラ菌などの繁殖を防ぐ対策として、殺菌が行われます。昔ながらに浴槽に源泉をたたえ沸かしただけというような(黒森鉱泉のような)宿 もあることはありますが、細々と営むことが条件になってしまいます。
ところでこの殺菌についてはいくつかの方法がありますが、もっともメジャーなのは塩素殺菌となります。その方法は次亜塩素酸ナトリウムを投入することによります。塩素は菌の呼吸系酵素を阻害して殺菌すると言われています。この塩素殺菌の問題点は、一般的には「塩素臭い」ということになりますが、本当に怖いのはこの塩素は簡単に言えば酸化作用があること、水中の有機物と反応して発ガン物質であるトリハロメタンを発生させることです。なお、ここでいう塩素と温泉成分に含まれる塩素イオンは、まったく異なるものなので安心してください。
また、私の本来の研究テーマだった高アルカリ性の温泉について(ph8.0以上)は、この塩素殺菌による方法ではほとんど殺菌できないということもわかりました。つまり効果は薄く、弊害しか残らないということです。
さて、話は酸化還元へと移ります。酸化=老化であり、還元=若返りですね(^^)。温泉は本来は還元水であるといわれています。これはORP値を測定することでわかります。ORP値とは酸化還元電位の略です。ph値(ペーハー値)とこのORPとの違いは、phが水素イオンのみの濃度により決まり、ORPは水素イオンを含むあらゆる元素、化合物による電極差により決定されます。
水素は高い還元力を持っています。(当然ですが酸素は酸化力をもっていて、相反する物質になります。)アルカリ性単純泉が美肌の湯であるのは、水素イオンの濃度が高いので、一般的には還元力が高い温泉だからとういうことがいえます。
これを、その水素イオンに限らずに測定するのがORP計で、実際にこれを持ち歩いて温泉を測定しているマニアが存在します。細かい資料は見つからなかったのでなんとも頼りない話ではありますが、草津温泉 白幡の湯について湯口の計測によるとこのORP値が-83mv(マイナスであれば還元水が強い)であったという記述を見つけました。草津温泉といえばph2程度の強酸性の温泉であるのに、実は非常に還元性の高いお湯だというわけですね。
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この高い還元力を持った温泉に、塩素を投入するとどうなるでしょう。もうおわかりですね。還元水は酸化水へと変わってしまうわけです。
だから鉱泉宿も冷鉱泉漕をぜひ設置してくださいって思っちゃうんだよな。
このような点で、源泉かけ流しの温泉がいかに素晴らしいかが理解できます。しかし、そのお湯であったとしても、地上に湧き出してから湯口を経て浴槽に投入されることにより、初めて我々が享受できるものです。このようなことを調べる前に、すでに体感していたある事実、それはある有名な温泉宿のお湯が加水することなく適温に下げる為になされていた、たとえば螺旋の水路などのような工夫が、お湯を劣化させているのではないかという疑問なんですが、それが見事に証明されてしまったということです。
お湯の管理って本当に難しいですね。
ちなみにこのORP値ですが、食品にも存在します。「南米の人は主食がとおもろこしなので、老化が遅い」これはあるテレビで見たことだったのですが、このとうもろこしは、ORP値がなんと-100。とっても還元力のある食品だったんですね。
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