カツラ | 『植物図鑑』

『植物図鑑』

雑草という名の草はありません。



さやかと僕は、軽井沢の街を歩き疲れて

涼しい風が流れる渓流沿いのベンチに身をあずけた。



軽い疲労感が逆に気持ち良くて

身体は重いのに、何だか気持ちだけは

木漏れ日の空に飛んでしまいそうだった。



$いつきが歩けば・・



眩しい木漏れ日がキラキラしていて

ずっと上を見続けていた僕に、さやかが言った。


『ねぇ~、ずっと眩しそうに何をみているの?』

「カツラだよ、僕達ふたりを歓迎してくれてるんだw」

『えっ‥? なんでなの?どういうこと?』



$いつきが歩けば・・



「あはは、よく見てごらんよ…葉の形」

『うわ~可愛い!ねぇーみてみて、影の形もハートだよ♪』



$いつきが歩けば・・




そして 僕とさやかは、ハートがいっぱいの

木漏れ日が降り注ぐカツラの木の下でキスをした。



僕の頭の中は Love Theme from "St. Elmo's Fire" が鳴り響いていた。







二人の首から下げたカメラが

ぶつかり合ってちょっと邪魔だったw