小児病棟に移動してきて、

ベッドをセットしている時に

壁か何かにベッドが当たった。


その音か振動で、

眠っていた怜旺が目を覚ました。

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その直後だった…。


怜旺の目がまた右上に上転した。

異変に気付いて、すぐに看護師さんに伝える。

特に対処出来る事がないのか、

とにかく状況を見守るだけで

誰も何もしてやれない。


気が動転するママ。

落ち着かせようと背中をさすってやる。

目の前で我が子が苦しんでいるのに

落ち着けるわけがなかった。


それでも、今日だけで3度も発作を見てしまっている。

精神的に限界が来ているのは誰が見てもあきらかだった。


とにかく怜旺から遠ざけて、

少し離れたところで気持ちが落ち着くのを待つ。


その間、代わりに僕が怜旺の横についてやった。

初めて見る、眼球が上転した状態の怜旺の姿。

いつもの可愛らしい笑顔の怜旺からは

想像もつかないような顔になってしまっていた…。


無力な自分に出来る事…。

やさしく怜旺に声を掛けてやること。

カラダをさすってやること。

それだけしかなかった。



数分発作が続く…。

一瞬、目が中央に戻ったかと思うと

また右上にあがっていく。

それが何度も続いた。

何回か続いた頃、看護師さんが

ストップウォッチで1回あたりの

時間を計りはじめた。


10分以上の長い発作のところで

先生に動きがみられた。

用意出来る薬の確認と準備を指示した。

どうやら、長時間の発作は悪影響が懸念されるようで

発作を強制的に止めるらしい。

点滴に割り込ませて用意された薬を体内に送り込む。


すると、数秒で目が正面に戻って

発作が解けていく…。


結局、長い発作と短い発作を合わせて

30分もの間、発作が続いていた…。